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すぐ心が折れる「わからない人」

「説明がわかりやすい」と言わることが続いた時、「えへへ、私頭いいのかな」と一瞬思ってしまいました。

すみません。すぐ気づきました。

昔から「わからない」ことが多いからだったと。

なので、「わからない人」の目線で説明し、それがわかりやすさにつながっているようです。

私は小学校の頃、人の話を聞かないといって怒られ、

「いいですか、人の目を見て聞きなさい」
「はい」

その後、人の目だけ見て話を聞かないという時期が長く続きました。

関心がないことを聞くこと、読むことは苦痛で、わからないと心が折れてしまいます。

しかも簡単に。

「わからない人」の心は折れやすく、(他の刺激に)移りやすく、冷めやすい。

そんな、わからない人から見た「読んでいて心が折れる説明のポイント」を3つあげてみます。


わからない単語が出てくると心が折れる

分からない人にとっての「わからない単語」は突き放された気持ちになります。立て続けに出てくると悪意すら感じます。

わからない単語がある

自分に向けられた情報じゃない

自分と関係ないなら読むのやめたい

となります。

人の集中力は8秒です。金魚より短いらしいです。8秒間なら付き合ってくれるかもしれませんが、それ以上付き合っていただくためにはこの「自分と関係ない」と思われないようにしなければなりません。

ただ…

情報を提供する側がわかりにくい単語を使ってしまったとしても、それは読者を突き放そうとしているわけじゃない

ということもわかります。

伝え手は、知らなかった状態に戻ることができません。

そして、正確な情報を伝えなければならないという気持ちがあるために正確な単語、専門用語などを使いたいのではないでしょうか。

でも敢えて言います。あなたの誠実に説明したい気持ちを抑えて、

中学生がわかるような文章で伝えてみてください。

例えばざっと拾ってきたビジネス単語がここに20個散らかっています。

完全に私の主観ですが、聞きなれないものを奥にしまいます。

次に、「使わない方が無難かな」というものもしまいます。

すると、なくなってしまいました。

かわりに、わかりやすい言葉を運んできます。

カタカナの単語がおおむね簡単な単語や文章に代わってしまいました。


「わからない人」にとって重要なのは正確な理解ではなく全体の把握です。

ひとつの話をひとつの綱でつなげて関心を引き続けるためには、正確な単語より普段から親しんでいる表現をもとに説明する必要があります。


分かりやすくしてくれるはずの図で心が折れる

分かりやすくするために図を添付してくれたとしても、場合によっては伝わりません。

一番の原因はどこから見たらいいのかわからないところではないでしょうか?

例えば文章を読むときに、どこから読めばいいかは決まっています。マンガも右上か、左上ですね。

でも図は、

どこから見たらいいのかわからない図を見ていると、

スタートがない迷路を見ているような気分になります。

数字を打っていたり、カラーやイラストで指示が入っているとぐっとわかりやすくなります。

グラフィックレコーディングも音声と一緒に見るのが一番わかりやすいですよね。

上記は複雑ですが、基本的にはこれくらいシンプルなものが良いと私は思っています。

・工程、要素は5つ、できるだけ3つに絞る
・始まりが明確(プロセス型とツリー型)
・一つの図で一つのことを説明


おもしろくないと心が折れる

単調な内容が続く本題を見失う責められている気持ちになる、これが面白くない三銃士です。

この三銃士はひとりでもいるとしんどいです。三人いるともっとしんどいです。

単調な内容をおもしろく。写真・イラストの挿入、意外な展開、比喩表現、ストーリー仕立てにするなどの工夫ができます。(長くなりそうなので、別の話で書きました→こちら


本題を見失わない。メインテーマを決める・伝える材料を書き出す・組み立てるのバランスが大切です。最初に読み始めてくれた方は、「これは○○についての説明だ」と思って読んでくれています。途中で話が脱線し続けると相手は戸惑い、混乱します。
何度も読み返して本題が見える状態にあるか確認する必要があります。


正論のつもりで責める文章にしない。これは説明における目線の問題です。

「禁煙しましょう」という内容があるとします。

避けるべきなのは「なぜ禁煙しないのですか」と責められているように感じさせることです。

「禁煙について気になっていらっしゃると思いますが…」「禁煙するのは大変ですよね」となるべく相手の立場に立った表現を心がけることでそれを避けることができます。相手が責められているような気持ちを感じている間は、なかなか伝わらないですし、誤解を生むこともあります。


いかがでしたでしょうか。

心が折れやすくなる人から見たわかりやすい説明は、

・わからない単語を使わない
・わかりやすい図を作る
・なるべくおもしろくする

でした。


最後に、「わかりやすい」と「本当の理解」は違います。ここでは、わかりやすく伝えることを書いています。

「物わかりの悪い人間(=私)」の目から見たポイントをあげましたが、私より心が強い人は多いです。わかりやすく伝えたいと思った際に、これらのポイントを思い出していただけたら幸いです。


参考文献と、わかりやすい説明に参考になるおすすめの本やサイト

これだけ守れば見やすくなるデザインの基礎 とりいめぐみ
わかりやすく説明する練習をしよう。リー・ラフィーヴァー他
たのしいインフォグラフィック入門 櫻田潤
一生使える見やすい資料のデザイン入門 森重湧太
「図で考える」ことができる人、できない人 久恒 啓一
なるほどデザイン 筒井美希
アイデアのちから チップ・ハース他
「人を動かす」広告デザインの心理術33 マルク・アンドルース他
描いて、見せて、伝えるすごい!プレゼン ダン・ローム
議会を可視化するグラフィックレコーディングの教科書 清水淳子
伝える技術 ルール10 藤沢晃治
みるわかる伝える 畑村洋太郎

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