「働けるうちは働く!」ための仕事と人生の設計方法#83
「エイジレスで定年のない働き方」の実現をサポートする中高年専門ライフデザイン・アドバイザーの木村勝です。
<前回から続きます>
【事例】好条件の出向案件を奥さんの猛反対により辞退した事例
Jさんは、営業部門で管理職をつとめていましたが、55歳で役職定年になり社外に転進先を見つけなければならないことは、先輩管理職のキャリアを見て十分認識していました。
55歳で予定通り役職定年となり、外部への出向先を探していましたが、間もなく規模は小さいが年収も下げることのない好条件の案件の提案を受けました。
当人も乗り気で条件、ポストも先方と調整がほぼ決まった段階で、奥さんに中小企業に1年後に転籍する条件で出向することを話したところ、「そんな名前の会社聞いたこともない、周りの仲間はまだ会社にいるのになぜあなたが外にでなくてはならないのか」と猛反対を受け、結局出向辞退の申し出をすることになりました。
ポストを空けて待っていた先方会社の組織構想に影響を与えるだけでなく、既に社内では後任者も決まっていたためJさんの社内ポストもなくなりました。
その後、同様の条件の案件が出てくることは二度となく、結局退職勧奨を受け、退職せざるをえなくなりました。
【解説】
家族(奥さん)に事前に相談せずに独断で出向を決めたために悲劇になった事例です。
ご本人は家族に心配をかけまいという気持ちから一人でキャリアチェンジを決めましたが、家族もそれぞれキャリアプランを持っています。
出向受け入れのプロセスを共有できていないため、奥さんにとっては寝耳に水、上記のような反応になりました。
本人は良かれと思って単独で決めたことがあだになったケースです。
また、シニアからの家族内トラブルは、シニア特有のリスクである「熟年離婚」につながりかねませんので要注意です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?