カラーマネジメントディスプレイ BenQ「PV270」とEIZO「CG247」を比較してみた。

こんにちは。

札幌を拠点とし活動中のNORD WORKSレタッチャーの大谷キミトです。

今回はレタッチに必須の道具として、ディスプレイのお話をしようと思います。

レタッチにはペンタブレットの他に重要な道具としてディスプレイがあります。

それがカラーマネジメントディスプレイです。

カラーマネジメントディスプレイとは簡単に言うと正しい色を表示させる事が出来るディスプレイです。
レタッチは写真の部分部分を細かく分解しながら修正したり、補正したり合成したりを繰り返します。
また、ほんの少しの色やトーンを微調整をするような繊細な作業が発生します。
つまり正しい色がだせないと、自分の意図する演出ができないということです。

私のようなレタッチ仕事の場合は、正確な色を表示させることができるものや、滑らかな階調を表現できるもの、色ムラ、輝度ムラがないモニターを使用しないと、出力したものや納品したものが、意図した色や仕上がりになってない事があるので、カラーマネジメントディスプレイは無くてはならない存在です。

レタッチャーという職についてからは、ずっとEIZOさんのカラーマネジメントディスプレイを使用していました。

昔からプロの現場でつかわれているものですし、使用してて安定感もあり、現在もカラーマネジメントディスプレイ ColorEdge「CG247」を使用しています。

しかし今回は以前から気になっていたBenQさん史上で最高画質と言われているカラーマネジメントディスプレイ「PV270」を使用する機会がありましたので検証してみたいと思います。

金額的にはEIZOさんのモニターよりかなり安いです。

写真をかなり繊細に調整するレタッチの現場で取り入れて問題はないのか?

もし問題ないのであれば、モニターをたくさん買わなくてはいけないときにはコストの削減ができます。

金額の差がどのあたりにでてくるのか、せっかくなので現在使っているEIZOモニターCG247と比較して見ることにしました。

おそらく気になっている人は多いはず。

今回はこのような感じでレビューを書いてみたいと思います。

・BenQ PV270の特徴
・PV270とCG247比較データ
・使用してみての感想

今回はこのような感じでレビューを書いてみたいと思います。

・BenQ PV270の特徴

PV270の特徴としては以下のものが挙げられます。


・27インチ大画面、WQHD解像度

高画質の2560x1440(WQHD)解像度によって得られる鮮明な ディテールで、微細な編集も可能になります。広々とした27 インチの大画面ディスプレイで見やすく、作業もはかどります。


・Adobe RGB色域もカバー率99%

Rec.709を100%、DCI-P3を96%カバーしており、ハイビジョンテレビやデジタルシネマ用のアウトプットと事前に定義した色を一致させることができます。
また、Adobe RGB色域もカバー率99%を実現し、これによりグラフィックアートのプロフェッショナルが生み出すほとんどの色を網羅できます。


・完璧な色再現性

10-bitカラーディスプレイ及び14-bit 3D LUT(ルックアップテーブル)を採用したことで、Rec.709とAdobe RGBの両方の色空間でΔE≦1.5を実現し、映像及びグラフィック編集のすべてのプロセスで正確な色を提供し、作業効率の向上に役立ちます。


・ムラ補正回路による均一なユニフォーミティ

高精度装置の利用にかかわる繊細な処理を施すことで、ユニフォーミティの均一化を実現。画面全体の何百もの小区域を、自動的に細部まで輝度を微調整することで、より本物に近く、より一貫した視聴体験を提供します。


・バックライトセンサー搭載により安定状態までわずか5分

高度な輝度制御により、電源を入れた後、数分以内に最適な輝度になるようバックライトが調整されます。また、短時間の使用でも、購入から製品寿命までの長期間使用でも、一定の輝度を維持するように設計されています。


・映画編集に最適な1080/24P プレイバックに対応

PC側で出力信号を24Hzに変更すれば、パネル側でデータ信号に合わせて自動的に最適なリフレッシュレート(48Hz/72Hz)に変換し、 1080/24Pのレアル再生を実現してくれます。通常モニターの60Hzリフレッシュレートによって生じるソース映像の歪みがなく、 24Pのフィルムコンテンツを正しいフレームで表示されます。


・GamutDuo(ガンマデュオ)機能

異なる色空間の映像を左右に並べて同時に表示できるGamutDuo機能を利用すると比較作業がはかどります。PIP/PBPモードに切り替えれば、1台のPCからも、2台の異なるPCからも、同時に表示比較できますので、編集作業の効率アップに役立つ機能です。


・高精度のハードウェアキャリブレーション

映像編集作業では、より詳細設定が可能なキャリブレーションが求められます。「PV270」の精密なキャリブレーション機能により、クリエイターは必要に応じて高精度のキャリブレーション結果を得ることができます。
カラーマネジメント技術を世界的にリードするX-Rite社と共同開発したキャリブレーションソフトウェアPalette Masterは、操作しやすいインターフェイスと多彩なパラメータ設定により、さまざまな作業内容に応じてICCプロファイルを簡単にカスタマイズすることが可能です。



映像編集推しな説明も多いですが、このPV270に関しては写真映像編集向けに作られているので、映像だけではなく、私のようなレタッチをメインとした仕事でも問題なく使用できます。

AdobeRGB99%をカバーしていたり、モニターの安定のスピード、またムラ補正回路による均一なユニフォーミティに関しては、レタッチにはかなり重要な要素です。

このムラ補正が追加されたのは本当に大きいのではないかと思います。
安定速度も5分と短くていいですね。
PCの電源をつけてからメールチェックなどでそれなりの時間をつかうので、5分以内にに即レタッチという状況はほとんどないのでこのくらいの時間であれば全く問題ないでしょう。

というよりは十分早いです。

その他の説明をみていくと、ハードウェアキャリブレーションという項目がでてきます。
このハードウェアキャリブレーションとはなんなのかがわからない人も多いと思うので簡単に説明しておきます。
モニタキャリブレーションには2つ種類があります。

ソフトウェアキャリブレーション:一般的なモニターで使用され、パソコンからの出力を調整し、モニターに表示される色などを変えていく方法。

トーンの乱れがおきてしまうこともあり、あまり正確ではうえに手間もかかります。

ハードウェアキャリブレーション:ColorEdgeシリーズや今回レビューするBenQ PV270もハードウエアキャリブレーションに対応しているモニターになります。

専用のソフトを使用し、パソコン側ではなくモニターの中の設定を調整することで階調の崩れもなく美しい画像が表現できます。

つまりパソコン側で調整するのかモニター側で調整するのかという差になります。

結果的にはハードウエアキャリブレーションのほうが、色が正確で簡単に調整が可能なんです。

専門的な仕事をする方であればこのハードウェアキャリブレーションができるディスプレイを選択した方が良いかと思います。

製品スペックとしてはレタッチに使用するのは全く問題なさそうです。
念のため、ColorEdge「CG247」とのスペック比較も一部みてみましょう。

BenQ 「PV270」 / EIZO Color Edge 「CG247」スペック比較

この表だけでみるとすでにBenQさんのディスプレイの方がスペックが高い部分が多いようにも見えます。
CG247は2014年4月発売モデルですから、そりゃ2018年最新モデルは負けますよね。
解像度も高くなってBenQさんの画面非常にきれいです。

さて、次は使用してみての感想を書いていこうと思います。

使用してみての感想

組立自体は非常に簡単で、なんの説明もなしでできると思います。

PCに接続し、電源をいれます。
ここで、トラブル。

HDMIケーブルを接続しても、「ケーブルが接続されていません!」というエラーがでて画面が真っ黒・・

ケーブルをいろいろ変えてみたけどなぜか映らない。

そこでこのモニターのボタンのような部分をポチポチ押した結果、使用したケーブルの種類を選択する項目がでてきたので使用していたHDMIを選ぶ。

なるほど、使用ケーブルを選んであげないとだめなんですね。
いきなりのトラブルにドキッとしましたが、無事接続完了

早速モニターのキャリブレーションを試してみました。

BenQさんの色に関しては、今回i1 DIPSPLAY PROを使用します。

使用ソフトはPalette Master

こちらのソフトウェアのタブよりDLが可能です。→ダウンロード

またPalette Masterマニュアルも上記ページのユーザーマニュアルタブからDLし、キャリブレーション開始。

設定はひとまず、印刷系の仕事をしていたのでCG247の設定と同じ設定へ。

--------------------------------------
プリセット:Custom
RGBプライマリ:AbobeRGB
白色点:CIEイルミナントD50
輝度:80cd/m2
ガンマ:2.20
--------------------------------------

RGBプライマリという部分がよくわからなかったのでBenQさんに問い合わせたところ、

固有の値という設定にするのが、液晶パネル個体の最大色域でキャリブレーションすることになります。Adobe RGBよりも若干大きくなっていますが、不規則になってしまう事があるので、Photoshopで使用する場合は、「Adobe RGB」を選らぶのがオススメだということでした。

上記設定で早速キャリブレーション開始です。

割とスムーズに完了しました。
計測時間は14分程度。

測定した結果は2つ保存できるのでAdobeRGB用(印刷用)とsRBG用(web用)というのを作成しておけばモニターのボタンで切り替えができるので、制作物に合わせて変更も簡単です。

ついでにユニフォーミティという画面の輝度ムラが測れるようなので早速やってみました。
Palette Master 詳細モードのディスプレイ→ユニフォーミティで計測が可能です。

全部で25のポイントを計測していきます。

わたしはこのような結果になりました。

1~5%ズレがあるものの、目視ではほぼわからない状態。
輝度ムラに関してはほぼ問題がないように思えます。
ではPV270とCG247の表示を同じにして、どの程度違うか見てみましょう。

ひとまず手持ちの画像を表示させてみました。

同じメーカーの同じ型番でも個体差で色が完全に一致することは難しいと言われています。
この2つはメーカーもちがうので、使用している部品も違います。
さらにキャリブレーションするソフトもセンサーも違うので同じ結果にはならないとは思っていましたが、やはり少し違います。

実際はこの写真ほどの差は感じられなかったのですが、PV270の方がコントラストが強く見えた印象です。
コントラスト比は同じなので、もしかしたら3年つかっていたEIZOモニターが少しよわっている可能性も?と思いましたが寿命の3万時間には全然いっていないのでこれもメーカーの差も関係しているかもしれません。

仕事で使用するのであれば、このPV270で統一して使用してしまえば特に業務に問題は無いのかなと感じてます。

今回私の場合はデュアルモニターとして使用するので、もともとのCG247を基準として使用していくことになるでしょう。

ディスプレイの個体差や、環境での色の違いというのはどうしても出てきてしまいますが、正しい色が出せるディスプレイを使用する事で、その差は最小限に抑えられます。

取引先も同じ、カラーマネジメントディスプレイを使用している事がベストですが、全ての環境を同じように整えるのは不可能です。

印刷の場合は、結局何度か出力しながら合わせていくしか無いかと思います。

私のように札幌にいながら東京の仕事をする場合は、色校確認をし、さらに微調整をするとうことは実はそこまで多くはありません。

ある程度完成された色味で納品し、あとほんの少しの微調整というのは印刷会社、もしくはデザイン会社、レタッチ会社などで仕上げる事が多いのかと思います。

ですので、とんでもなくずれた色味で納品する事は許されません。

このカラーマネジメントディスプレイを使用することで、色が見当違いにずれて出てくるということはないかと思いますので、写真を扱う人にはこのカラーマネジメントディスプレイが使えると、色のやり取りがスムーズで良いかと思います。

まだ長期で使用していないのですが、現時点の使用した感想としては、ディスプレイの質としては、ほぼ問題はなさそうなのでカラーマネジメントディスプレイを検討している方は一度チェックしてみることをオススメします。

外観も結構高級感があります。

遮光フードもしっかりしています。
組み立てもとてもラクでした。

最後に今回、EIZOさんCG247とBenQさんPV270のディスプレイを比較して、2つだけ気になったことがあります。

1つ目はBenQさんのはキャリブレーションセンサーが別という事。

PV270は毎回センサーをとりだして、計測しなければなりませんが、ColorEdgeシリーズはモニターに内蔵されたセンサーが定期的に自動で計測をしてくれるのでものすごく楽です。

内臓センサーで、自動で定期的にカラーキャリブレーションをしてくれる便利さになれてしまうとPV270はちょっと手間を感じてしまいます。

もちろん金額の差があるのでそこは仕方がないかと思いますが。

二つ目、これはあとで気づいたのですが、角度によって画面の見やすさがEIZOさんのモニターの方が若干良いかなということ。

正面から見てる分にはほとんど気にならなかったのですが、角度をつけてみるとEIZOさんの方が画面の輝度や色に変化が少なかったように思えます。

ディスプレイを斜めからみてレタッチするようなことは無いので、今のわたしにはあまり影響がないところではありますが、複数人で一つのディスプレイを見る場合は、少し差がでてくるだろうなというとこです。

この2つが今のところ少し気になった部分です。

それ以外はCG247と比較し、なにががものすごく劣っているというのはなく、十分な品質といえるディスプレイだと思います。

台数をそろえる場合はColorEdgeシリーズはかなり高額になりますし、コストを抑えたい方はBenQさんのPV270も検討してみてはいかがでしょうか?

一応個人の感想ですので、実際ご自身の目で確かめてから購入すると良いと思います。

PV270ブランドサイトも信頼できそうな高級感を出していて、いい感じですね。

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