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闇と光と広告チラシ

それから、どれぐらいの月日が経ったのでしょうか?社会のレールから脱落した僕は、何も見えない暗闇の中で、ずっともがいていましたが、それでも何かを探していました。まだ僕に、出来ることはあるはずだと。

そんなある日のことでした。その日も僕は、絶望的な気分で、部屋に閉じこもっていましたが、何気なく部屋の隅を見ていると、幼い頃に使っていたサクラクレパスが、黒い画用紙と一緒に転がっていたのです。

なぜそんなところに転がっていたのかは、未だによくわからないのですが、とにかく僕は、急に絵が描きたくなって、その黒い画用紙に、花の絵を描いたその瞬間、遠くの方に、微かな光を感じたのです。

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それから僕は、毎日毎日、その光を目指すように、描きたいものを、描いて描いて描きまくりました。やがて、描いたクレパス画を、誰かに観てもらいたくなり、ホームページを作ってUPしました。

すると、何人かの方が観てくれて、嬉しいご感想までいただき、僕はますます、絵を描くことに没頭しました。そんな時に、ある著名な女性の方とネットで知り合い、個展のお話をいただきました。

素人の僕が、いきなり東京で個展だなんて、最初はやっぱり、絶対無理だと思いましたが、たった一度の人生ですし、どうせ終わった人生だから、それが最期の晴れ舞台のつもりで開催しました。

そこから先は、怒涛のような展開で、クレパス画家としての僕の第二の人生が、幕を開けるわけですが、僕が古物商の免許を取って、古雑貨屋を始めるのは、まだもう少し、先の話になりまして。

そのお話をする前に、今日はこちら☟のレトロ可愛い広告チラシを、ご紹介させていただきます。

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ちなみに、この広告は、戦前生まれの薬のチラシで、そのデザインは今見ても、なかなか斬新なチラシです。

と言っても、今はもう、当時の薬は販売されていませんし、広告としての役目は、全くないに等しいのですが、

そのかわり、彼らは新しい役目を担い、レトロ可愛い紙モノとして、僕の小さなお店の中で、光を放っているのです。

高らかにラッパを鳴らして、大きな旗を掲げつつ、過去から未来へ、今日もまた、力を合わせて楽しく行進するのように。


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