タイトル03

私の乳がん闘病体験記 その8~結婚式前日まで~

当時35歳だった私の、壮絶がん闘病体験記を連続して書き綴りたいと思います
身近な人ががんにかかったことがない人には知らないような、ありのままの「がんの闘病」というものをお伝えします
正直私の経験からすると、みんなありのままのがんの闘病というものを隠してる。我慢してる。情報として出ていない
実際の闘病ってこんな感じなんだよってことを、お伝えし、かつ、読んでくださった皆さんに定期的に検診を受けてほしいという気持ちを込めて

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前回の記事にあったように、経済的不安から、モメにモメた後、ウェディングプランナーFさん(女性)の助言と心理的な支えを得て、私は、前向きに結婚式をするという方向へ向き出した
旦那も、同様に悩んでいたのだが、私とほぼ同じタイミングで、Fさんからの説得の内容を私経由で聞き、式をやろうと決心してくれたようだった

私はお色直しなしの、本当にささやかな家族婚で、その代わり緊張せず穏やかにできるかなって思っていた
その分と言ってはなんだが、一着しか着れないドレスにはかなり思い入れがあった。
ウェディングドレスなんだけれど、少しデザイン性があるもの」というだいぶあいまいな注文ではあったが、衣装のHさん(女性)が何着か私が試着しながら会話をしているうちに、私の求めているものがわかったようで「このドレス、少し重いんですがデザイン性があって、ご希望に添えるかもしれません」と言って持ってきてくれたドレスが、大大大ビンゴだったのだ
もう私の好み!しかも、白いウェディングドレスの随所にリボンがかかっているような、そして後ろには、スマホのホーム画面にしてもいい位素敵な沢山の花とリボン達。
ただふわふわしたウェディングドレスじゃなくて、デザイン性のあるものを。一着しか着れないから、という私の希望に完璧に応えてくれた。
その時から、Hさんとは話しやすいな、と思っていたから、ある日の試着(その時は、ドレスに合うネックレス等の小道具の選定)のために来た時に、ぽつりと不安を吐露してしまったのだ
「私、乳がん検診にひっかかっちゃったねすよね。なんか8割は乳腺症らしいんですけど、やっぱ不安でねー…」なんてちょっと涙目になっちゃって。
Hさんも、とても優しい方だから、「えっ」って感じで不安そうにされていて。
私はカラ元気で「だから、Hさんもちゃんと検診受けて下さいね!」といったのが最後だった。
その時に、ドレス系のものは一通り決まったので、たまたま打ち合わせで合うことがなかったのだ。

ある時、打ち合わせの時にプランナーのFさんがこう言った。
「今回の式は、全員がリオナさんの事情を知っているスタッフで、気持ちを込めてやらせて頂きます」と。
ほお…。そうなんだ…。と、その時はそれ位しか思えなかったのだが、その後写真撮影の打ち合わせの時に、写真家の人と話をしていたら、がんの話は一切せず、普通の態度だったのだ。
その人とはウマが合って、なんだか写真とは全然関係ない話でも盛り上がったりしたのだが、その後にFさんに会った時に、あの写真の人も、私のコト知ってるんですか?と聞いたら「はい」と端的に答えた。
全くそんな感じがしなかったので、なんだか不思議な気分だった
いつも、がんの話をすると、なんというか、お通夜みたいな空気になるのに、さっきの写真の人とはただひたすら盛り上がってワイワイ笑っていたからだ
そして、その写真の人に当日写真撮ってもらえたらなぁ…と思っていたんだけれど、都合上当日は他の人が撮るとのことで「えーーー貴方に撮ってほしーーー」とワガママは言ってみたものの、まぁいい夫婦の日で忙しいから仕方ないよネ、と諦めた

前日の最終打ち合わせ。
私は気持ちがとても沈んでいて、家から出ることができなかった

がんのことでくよくよして、自分の体にそんな謎物体があるのかと思うと恐怖で頭が壊れそうになっていた
旦那だけ、私の代わりに最終打ち合わせに行った。
また、一人で吐くように泣いたりもしていたと思う

旦那と私が最後の最後まで、式のためにやらなきゃいけないけどやれなくてやり残していたのは、親への感謝の手紙だった。
とてもじゃないけど、そんなものを書く気分になれなかった
旦那は、私がゲームしたりネットしたり、動画見たりぼーっと落ち込んでいる間に、慣れない手紙書きを一生懸命していた。
次の日が結婚式という感じが全くしなかった
ぼへーっと過ごし、12時を過ぎた。明日起きて向かう時間が早いにも関わらず、私は落ち込んだままだった。
しかし、なにがあったのか自分でもわからないのだが、12時を過ぎた頃に突然、手紙を書く気になったのだ
勿論時間がないから、旦那のように長文で感動的なものは書けなかった。
たった一枚、短文の手紙。でも、ないよりはマシだろうと思って、書いた。
そして、今回の結婚式を挙げることができるのは、あらゆる面で背中を押してくれたFさんの力が大きかった。どうしてもサプライズでお手紙を書きたかったので、こちらも時間がなくて短文ではあったが、書いた。
そして、旦那に勧められるまま寝たのが2時。
次の日起きる時間が早く、明らかに二人とも当日寝不足確定だった。

もし心に響いたならば……投げ銭のひとつやふたつやみっつやよっつ!!よろしくお願い致す!(笑)