早い選別遅い選別 野球部の話

インターナショナルスクールを出た方と話していた時、野球部の話になった。日本のインターナショナルスクールと呼ばれるものには、アメリカンスクール、ブリティッシュスクールが主にある(勿論他にもある)。この二つにも部活動のようなものは勿論あり、野球部もある。私自身も野球部にいて、学生時代は学校の授業が始まる前から走りこみがあり、放課後には3時間以上の練習、しかも週のほとんど、というような生活だった。(ちなみに強豪校でもなんでもない)

季節によって実施するスポーツが違う、なんていうのはよく聞いていたが、この話で一番驚いたのはトライアウトが部活にあるということ。入学時とか、高校一年生の春段階とか、そうゆうことじゃなく、半年毎にトライアウトをするらしい。それで20人ほどの選手を選ぶそうなのだ。なので、そのトライアウト前にはみんな公園とかで練習してるらしい。20人に入れなければ、そもそも部活に入る権利すらない。球拾いさえ(たぶん)できないのだ。

かたや、日本の強豪校と呼ばれるような野球部では部員が数百人いるのは当たり前、公式試合ではベンチ入りする20人程度の枠を狙って、青春の2年半くらいのほとんどの時間をつぎ込む人たちが多くいる。

どちらがいいのかはわからない、実際に数百人の中からレギュラーになれなかった人が、その後大学や社会人になって花開くのかもしれない。かたやアメリカンスクールでは事前にそのような可能性を「いい意味で捨てさせる」。球拾い等をせず、時間を無駄にさせないのだ。

このマインドは会社での活動に非常に近い。プレゼンテーションや出張にぞろぞろと頭数を揃えて実際にしゃべるのは数人だけというのは日本の会社。もしかしたら、を想定して部下がメモをとり、ほんの少しの質疑応答に対応するためにそこにいる。かたや西洋系の外資系は得られる対価に対して数を調整、ほとんどの場合で日本のそれより少ない人数でやりくりをしている。その代わり全員発言・貢献することが前提だ。

勿論下積みや、可能性を追いかけるのも重要で、そこから何かが生まれることもあるかもしれないし、下積みだけで終わってしまう可能性もある。アプローチの違いは我々の幼少期に触れたシステムに深く染み入っているものなのかもしれない。

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