何のためにレースに出るのか

全日本選手権が終わった。文字通り終わった。正直未だ立ち直れてない。TTの試走の時からやたら脚が重く、少なくともTTでの結果は期待していなかった。苦手なコースということを隠れ蓑に言い訳していたのもあるが、どうしようもないほど調子が良くない。しかし昨年出場者の中では最も上位でTTを終えているというちっぽけなプライドをどうにか守りたいが故に最初から飛ばしすぎて後半失速し17位。トップからは100秒も遅れてる。U-17チャンピオンに「檜村さん大丈夫ですかぁー」とこけ下ろされたが、正直冗談を返す余裕もなかった。呆然としてなんて話したか覚えてない。

ロードレースでは集団前方に位置どらなければいけないと言うことを分かっていたのにも関わらず、それを実行できなかったこと、そしてレースのコース、展開はわかりきっていたはずなのに後輩に「まだ脚使う場面じゃない!」と大声で叫んでしまった。これは自分の弱さだ。いつまでも田舎の大将気取ってんじゃねぇ。本当になにやってんのか分からない。叫んだ直後の登りで千切れた。まだ2/11周目だ。

脚は軽かったんじゃなかったのか?体が重い…。集団に残れば何とかなる…。前には山之内さん…、四宮も落ちてきたのか。そういえば前には横浜のジャージ見えなかったな…。小島君も落ちてきたのか…。正直意外だな…。なんて思考がグルグル回る。登れてないとか登れてるとか言う以前に走れてない。脚が重すぎるというより力が入らない。リミッターがかかってる感じだ。2年前と同じだ。以前のトルク上げてガンガン踏んでく自分の力強い走りは本当にどこに行ってしまったのだろうか。
思えば2週間前の練習で小さい丘を越えたときの感覚と似ていた。そのときは気にするほどでもないと思っていたが、以前より症状が酷い。

リタイア後に、いろいろな人から叱責された。何も言い返せなかった。当然だ。日常の態度の悪いところ、リタイア後の行動、レースの内容。自分で自分を殺したいくらいには存在意義を見いだせなくなっていたと思う。弱い自分をさらけ出されて、本当になにしたいのかわからなくなった。

ここ9ヵ月全く結果を出せてない。強くなってるのは確かなはずだ。でも、期待してくれてる人が自分から離れていく感覚があって、誰も助けてくれないとさえ感じてしまっている。この感覚はいつ以来だろう。
人生の中で一番どん底に突き落とされたようだ。いままでの苦しんできたことがもう一度大きな波となって襲ってきている感覚だ。でも、まだ「悔しい」って感情が残ってる。この敗けから色々と思考を巡らせて100時間あまり。自分の中身が色々見えてきて、自らの本質を理解したうえで悔しいという感情が残ってることは皮肉だけど一番の救いに感じてしまった。本当にこの自転車から離れるのはレースが終わって悔しいと感じなくなった時なんだろうな。秩父宮杯か都道府県対抗、国体に南魚沼と秋吉台カルストロード、そして沖縄。これだけ残ってる。いや、これしか残ってない。全部なりふり構わず勝ちに行く。それが今一番やらなくてはいけないことだ。機材とか考える暇あるならトレーニングのことを考えなければならない。

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