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サブカル狩りの時代。

いい加減『おやすみプンプン』について話すべきだと思うんです。
ただ問題があって、今は話せません。
これを書いている現在、自分は下北沢で買った柄物の古着を着ています。

いや、これが『おやすみプンプン』を語る上で一番ネックになっている問題です。
『ソラニン』でも『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』でもなく。

ちょっと漫画と関係なく、サブカルの代名詞になりすぎです。

実際、かなりしょうがないと思います。
『おやすみプンプン』はメインストリームにある漫画には出てこないものがたくさん出てくるので。
まず家庭崩壊が出てくるし、上手くいかない人生と実らない努力が出てくるし、主人公の自己肯定感は低いし。あ、もちろんセックスも出てきます。
友情・努力・勝利とは真逆。
捻くれて亜流にいる人間が好むものばかり。
その何割が「少年ジャンプに『ジャンプメソッド』なるものは存在しない」と知っているかは知りませんけど。
みんな救いのない漫画を読んでいるときだけは、物事の真理に気付いたような顔になれますからね。

だから、『おやすみプンプン』がサブカルの代名詞であることは仕方ない。
その層を狙って描かれた漫画とは限らなくてもです。
けど、世の風潮に対して言いたいことは別にありまして。

『おやすみプンプン』の話をしたからって自動的にサブカルフィルターを装着しないでくれ~~~!

違うんですよ。
「『おやすみプンプン』の話がしたくて」って切り出したからって、何も「救いのない漫画だよね」「リアルで面白いよね」って絶対言いたいわけじゃないんですよ。
「人間は自分の顔をあまり認識しないから、シーンが主人公の思い浮かべた自己意識の像に置き換えられてるって解釈してる」とか「結局主人公は最後まで逸脱してたけど、逸脱したまま共同体の一部になれたよね」とか。
『おやすみプンプン』の属性の話じゃなくて、プンプンその人の話がしたいんです。

現代が大・自己アピールの時代で、サブカル好きという属性も特殊な価値を帯びてきている。
それはわかるし、浅いアピールと「エモさの押しつけ」みたいなのがウザいのもわかります。
自分もホラー好きを自称してるくせに『ミッドサマー』の話しかしない人が嫌いなので。

けど、話を聞く前に作品の題名だけで人間をフィルタリングするのは、結局その浅瀬の潮干狩り人間と同じじゃないですか……。
こっちがサブカル好きなのは否定しないけど、その程度の目線で推し量ってくる人間の対応をするのはほとほと面倒くさいんですよ。

以後、気を付けるように。
ではこれから、「『おやすみプンプン』で一番可愛いヒロインは蟹江梓」という話をしていきますが――。

今週の質問:『人生で一度は言ってみたい言葉』

「知性晒せや」が成田さんに刺さっていたようでよかったです。
あれを書いたあと「ひらがなだけですらすら読める文章は知性の塊だが?」と思いましたが、余計な文章を付け足さなくてラッキーでした。
暴力系の糸井重里を目指してこれからもやっていきます。
糸井重里もそこそこバイオレンスなコピーがあるので、最終的に糸井重里を倒さないといけないそうです。

さて、人生で一度は言ってみたい言葉。
パッと思いついたやつだとこれですね。

「何かあればカバーするので、やりましょ」

そっと背中を押す感じ。
これのいいところは決定権を奪いつつそこまで動かなくても文句を言われないところにあります。

ちなみにコンサートホールのバイトで失敗したときに「全部自分の責任です」と言ったことがあります。
そしたら「連帯責任だから勝手なことしないで」と処理されました。
もう二度とデカいホールのバイトはしません。

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