りあす(創作に必須のあれこれを綴り中)

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りあす(創作に必須のあれこれを綴り中)

早稲田大学第一文学部文芸専修卒/小説の書き方講座的なもの/くわしくは「はじめに」→https://note.mu/riasu/n/n14f317895fef をどうぞ。

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最近の記事

三人称「神の視点」は便利だが危ない(小説の作法)

 いよいよ、神の視点。  純粋な作者の視点とはちょっと変わります。神になった作者とでもいえばいいか。  俯瞰してるから、神視点じゃないの? と思う人がいるかもしれません。  それもありますが、それだけじゃありません。  あなたは人間じゃありません。神です。  なんといっても。  神様は自由です。時代も空間も超えちゃいます。  神様視点でもしゃべるし、登場人物視点でもしゃべる。もう、なんでもアリです。  制約がないので、やりやすいといえば、やりやすい。 ■まずは、例をあげて

    • たとえば「みつをみたい」なポエムを書いてる人はいくら上手でもプロにはなれません。みたい、だったら本家を読むから。「みたい」だけどオリジナリティがあったり、本家を凌駕するくらいの魅力があったり、でもない限り、猿真似として嫌われます。

      • 年代もののロマネコンティを、冷蔵庫から出すな。(小説の作法)

         主人公は、昔からお金持ちの良い家柄。有名大学の大学生。  賢くて、テニスが上手で、背が高くてカッコ良くて、モテモテ。  でも貧乏な友人を助けるやさしい面もある。  親に高級マンションを借りてもらって住んでいる。  そのマンションで、友達を呼んで、エロパーティー開催。美男美女がわんさか集まる。…。  学生時代、こんな作品を読む機会がありました。  といっても、これは例です。あらすじ紹介に著作権も何もないですが、元の話からは大きく変えてます。そのままを紹介して、本人が読んだら

        • 三人称の「純粋な、完全な作者視点」をおさえる。(小説の作法)

           まず、この視点については「作者視点」といわれたり「神視点」といわれたりするので、また、ややこしいんです。  このふたつを同じ意味で使っている人もいるし、分けて使っている人もいるので、意思の疎通がしづらい。  更に、ホラー小説の「殺された人視点」など、登場人物といえなくもないものが「作者視点」の役割を果たしてることもあります。    とりあえず、この記事では「作者視点」と呼びます。要は、登場人物の視点ではない視点です。基本は作者でしょう。 ■純粋な、完全な作者視点とは。

        三人称「神の視点」は便利だが危ない(小説の作法)

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        • 小説の作法
          12本

        記事

          「ケンは悲しかった。ハナコは怒りのあまり言葉が出なかった。タロウはざまあみろ、と思った。」これは視点がふらつきすぎです。ダメな描写の例です。小説書いている人で、このダメっぷりがわからない場合、視点について理解が不足しています。

          「ケンは悲しかった。ハナコは怒りのあまり言葉が出なかった。タロウはざまあみろ、と思った。」これは視点がふらつきすぎです。ダメな描写の例です。小説書いている人で、このダメっぷりがわからない場合、視点について理解が不足しています。

          三人称。まずは、概論。視点を押さえよう。(小説の作法)

           三人称、これ、複雑です。  たとえば登場人物が3人いたとすると、視点はA視点、B視点、C視点、作者視点(神視点)の四通り考えられます。さらに組み合わせもOKです。  ってことで、多彩に書けます。  ――なんですが、わかってないと失敗します。  A視点、B視点、C視点、それぞれ「オレ視点」だと思ってください。  額にカメラくっつけてる。&それぞれの思考、状況の描写。  あと残りは作者、あなたですね。あなたもカメラ担いで参加して良し。  この、複数を切り替えるのが、三人称複

          三人称。まずは、概論。視点を押さえよう。(小説の作法)

          二人称の限界 「あなた」と言う人が必ずいる。(小説の作法)

           二人称については、どうも、一人称や三人称に比べ、あまり詳しく取り上げられません。 「手紙、文通なんかで作られた作品がそうですねー」くらいで、その次、三人称の説明に移ってしまったりする。  なので、ここで書いているのは、どっかで読んだ、先生から教わったというよりは自分で考えたことです。 (といっても、同じようなことを書いてる人はいるでしょうけど。)  さてさて、二人称。あなた。オマエ。君。なんでもいいけど。「あなた」と言っている人は、「オレ」です。 (これも、「僕」でも「私

          二人称の限界 「あなた」と言う人が必ずいる。(小説の作法)

          視点の誤解例。三人称にすれば自動的に「神の視点(作者の視点)」になる。これが正しいという人は、視点がわかってない。

          視点の誤解例。三人称にすれば自動的に「神の視点(作者の視点)」になる。これが正しいという人は、視点がわかってない。

          二次創作をしてる人は「ファンなら知ってる描写ばかりしてないか?」って目で自分の文章をチェックすると良いです。いつも同じ服を着てるキャラだったら、服の描写しても無意味。他にもっと、あなたにしか書けないことがあるだろう、そっちに字数を割くほうがいい。

          二次創作をしてる人は「ファンなら知ってる描写ばかりしてないか?」って目で自分の文章をチェックすると良いです。いつも同じ服を着てるキャラだったら、服の描写しても無意味。他にもっと、あなたにしか書けないことがあるだろう、そっちに字数を割くほうがいい。

          「で、この学生の出身地は?」(小説の作法)

           大学2年のときです。30枚の短編を書きました。大学に入ったばかりの女性が主人公です。  学生が集まって、先生から批評を聴く場でのこと。先生がその主人公の出身地を尋ねたんです。 「君みたいに自宅から通ってるわけ? 上京組? 一人暮らし? 寮?」 「え……」  焦る私。なんとなく浮かんだ人物、いってみれば自分に似た人物でしたが。  出身地はどこ、なんて考えもせず書いてました。 「決めてない?」 「はい。まったく考えてませんでした」  いやー、恥ずかしかったですねえ。他にも学生

          「で、この学生の出身地は?」(小説の作法)

          一人称の罠(小説の作法)

           一人称の罠っていうか。人称で分類することの罠ですね。  私はこの「人称」がクセモノだと思ってます。「人称」って捉え方をするとどうしても、「一人称」「二人称」「三人称」って、別物みたいになっちゃうでしょう。  でもそうじゃないんです。全部が別物ってわけじゃない。  人称と視点の関係をきちんとおさえておかないと、頭の中がこんがらがって、あー、もう、わかんない! ってなります。  小説書き始めて、ある程度経ってる。今まで結構たくさん書いてきました、という人の文章を読んでいても。

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          あの宮崎駿監督でさえ取材をする(小説の作法)

           『もののけ姫』を作る為に、ジブリの皆さんは屋久島へ行ったと聞きます。  宮崎駿監督は、凄い才能をもっています。しかし、素晴らしいアニメを描く能力があっても、ゼロからじゃ作れないわけですね。  ――いや、ゼロからじゃないんですよ、考えてみると。ナウシカを作ってるから、ああいう森的なものは描けるはずなんです。  だけど、「まだ足りない。取材が必要だ。」と判断されたんですね。  取材なしでは描けなかった。彼ほどの人物であっても、です。  取材というのは、現地に行くことだけではあ

          あの宮崎駿監督でさえ取材をする(小説の作法)

          今後のアップ予定

          こんなことについて、書いていこうと思ってます。 簡単な豆知識っぽいのは無料でいきます。 視点についての考え方「三人称は難しい」 一人称 →https://note.mu/riasu/n/n6b2828151ecc 二人称 →https://note.mu/riasu/n/n94eda35f9bbc 三人称(概論) →https://note.mu/riasu/n/n80a8e9dfcca0 三人称作者視点 →https://note.mu/riasu/n/nadffcc4a

          名前をつけるとき(小説の作法)

           適当に、好きな名前。ではいけません。  守っておいたほうがよいことがある。  ジャンルによっても、変わってきます。  ライトノベルでは、変わった名前でオーケー。むしろキラキラしてて当たり前かも。  純文学では、奇をてらった名前は嫌われるようです。  特に「永久」とか「彼方」とかいう名前を使う。  「永久に」って書いたときに「えいきゅうに」なのか人物の「とわに」なのか、わかりづらい。  由来がある、物語上、必要性のあるものなら、いいです。  意味もなくそういうのやっちゃうと

          名前をつけるとき(小説の作法)

          とりあえず試行錯誤中。有料の価格とボリュームは悩みます。あまり長いと読みづらそう。価格も30円とかできたら気軽でいいのにな。そして、これ、ノートが大量になったらどうなるんだろう。インデックスやタグがないと、しんどいなあ。

          とりあえず試行錯誤中。有料の価格とボリュームは悩みます。あまり長いと読みづらそう。価格も30円とかできたら気軽でいいのにな。そして、これ、ノートが大量になったらどうなるんだろう。インデックスやタグがないと、しんどいなあ。

          「面白い」小説を書こう(小説の作法)

           とは言ったものの。 「私、書きたいものを書きたいだけなんで。別につまんないと思われてもいいし。」  っていうなら、はい、それでいいと思います。  特に、最初はそれでいいと思います。  シーンを書く練習にはなります。  がんがん、書きましょう。  書かないよりは、書く方がいいです。間違いなく。  しかしながら、最近は、無料公開するサービスがたくさんあります。  発表しやすくなりました。  気軽に、書いて、発表する。読んでもらう。それを繰り返すわけですが。  ある程度書いてく

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          「面白い」小説を書こう(小説の作法)