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ソロモンの結び目

一時期、古代中世のモザイク壁画にはまっていました。モザイクの聖地ラヴェンナ(北イタリア)の工房に通って制作体験もしました。この作品は日本で日本人の先生の元で作ったものです。
(表紙の写真は制作途中。ここで見えているのは裏面)
このモチーフは「ソロモンの結び目」Solomon's Knotと呼ばれるもの。
「ソロモンの封印」Solomon's Seal とも言います。幾何学モザイクの練習作品としては定番のモチーフ。

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ソロモンは旧約聖書に登場する、今から約3000年前の古代イスラエル王国の王で、その父はダヴィデ王。
大変な知恵者であったと伝えられています。この模様も知恵の輪みたい??

ソロモンの結び目は非常に古いシンボルで、古代ローマの遺跡の床モザイクや教会の床などによく見られます。
↓参照:ラヴェンナのローマ遺跡にて

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また、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のいずれの伝統においても神聖な模様とされています。
継ぎ目のない二つの楕円が絡み合っているこの文様は、「永遠」、「絆」などを象徴しており、キリスト教では愛や結婚などのシンボルです。
このモチーフを繰り返すことでもっと複雑な模様を作ることもできます。
うーん、エンドレス。まさに永遠。
↓参照:複雑バージョン。同じくラヴェンナにて

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ちなみに「ソロモン」という名はいまも男性の名前として健在です。
ヘブライ語のあいさつ「シャローム」は直訳すると「平安」。なので、ソロモンは「平和な人」という意味。現代ヘブライ語では「シュロモー」と発音します。
トルコでは「スレイマン」となります。オスマン帝国最盛期のスルタンの名前でもありますね。

ちなみにソロモン王の父、ダヴィデ王の名はキリスト教圏でも人気です。英語のデイヴィッドですね。
イギリスではつねに「女性が魅力を感じる男性の名前」の上位にあるのが、デイヴィッド。

日本では、ペット?どう読むの?というような妙な名を子供につける人もありますが、欧米では数千年前から存在する伝統ある名前が大切にされているのです。



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