a16zが投資したAIアプリケーション10選
始めに
前回のnoteでは、
「CryptoVCが最近注目しているWeb3領域プロジェクト一覧」
というタイトルで記事を書き、6月現在でCrypto・Blockchain業界のAPAC地域大手VC(Binance Labs, IOSG, Fenbushi, Hash Global)が投資している様々なWeb3プロジェクトの事業概要、ラウンドや調達額についてまとめました。
本題に入りますが、ベンチャー産業の中でもトップレベルに有名なVC, a16z (アンドリーセン・ホロウィッツ)が公開している投資先ポートフォリオの中でも、特にAI関連のスタートアップやベンチャーを紹介しているページがあります。
AIと一言で言っても、AIと何を組み合わせるかで小分類が出来ます。AI×医療、AI×バイオサイエンス、AI×自動化…
今回はそのなかでも「AI× アプリケーション」 という小分類に焦点を当ててリサーチを行いました。これらはa16zのウェブサイトでは Horizontal Applications (横展開可能なアプリケーション)という分類をされていて、様々なバックグラウンドを持つユーザーや企業が総合的に使えるアプリケーションという意味合いがあります。
以下では、AI×アプリケーションのポートフォリオに含まれていたスタートアップを10個ピックアップし、事業概要や調達ラウンド、調達額等をまとめて紹介しています。
なお、各データは Dealroom.co 及び Crunchbase.com の財務情報を参考にしています。
1. Asserts.ai
https://www.asserts.ai/
事業会社のための事業課題分析プラットフォーム。各工程の売上相関、ナレッジグラフ、データベンダーなどの様々な機能を提供する。
ラウンド:シード
調達額:2百万ドル
バリュエーション:不明
2. Captions
https://www.captions.ai/
Podcast, Youtube等動画配信における編集プロセスのクリエイティブツールで、AIアバター生成、テロップ自動生成、ナレーション、ノイズ削除、アイコンタクト修正など様々な機能を提供する。
ラウンド:シリーズB
調達額:25百万ドル
バリュエーション予想:1-1.5億ドル
3. Coactive AI
https://coactive.ai/
正確なメタデータの生成、大量のビジュアルデータの処理、ニュアンスの異なるビジュアルコンセプトの取得、迅速な検索とコンテンツの絞り込み等のAPIとSDKの提供を行う画像メディア特化プラットフォーム。
ラウンド:シリーズA
調達額:14百万ドル
バリュエーション予想:42-62百万ドル
4. Cresta
https://cresta.com/
生成AI をはじめとした活用した企業の営業活動支援とカスタマーサポート特化のソリューションプラットフォーム。オーダーメイドのプロダクトデモ動画、リアルタイムの顧客活動監視などでユーザー体験向上をサポート。
ラウンド:シリーズC
調達額:1.51億ドル
バリュエーション:16億ドル
5. Equals
https://equals.com/ai/
AIスプレッドシートアシスタント。LLMによるチャット機能を組み込んだ表計算プラットフォームで、インターフェースの簡略化や、自然言語による計算・集計・データ管理などの機能をユーザーに提供する。
ラウンド:シリーズA
調達額:16百万ドル
バリュエーション:不明
6. Loom
https://www.loom.com/
社内コミュニケーションのノイズ・ミスコミュニケーションを排除する動画アシスタントプラットフォーム。画面録画や動画による指示・通告などのメッセージング全般を明瞭にする機能を提供。更に絵文字によるリアクションやタイムスタンプ付きコメントなどのインタラクティブな機能を提供し、チームの生産性向上を促す。
ラウンド:シリーズC
調達額:1.98億ドル
バリュエーション:15億ドル
7. Mem
https://mem.ai/
Twitterでも利用が散見される、仕事に関するサイト情報や個人的情報を一元化して整理できる情報管理ツール。メモのインポート、メールやカレンダーの同期、リンクやウェブサイトの保存、会話を開始しての情報検索をユーザーフレンドリーなUIで簡略化する。
ラウンド: シリーズA
調達額: 29.1百万ドル
バリュエーション:1.11億ドル
8. Navan
https://www.navan.com/
包括的な出張・経費管理ソリューション。企業の出張・経費処理を簡素化する様々な機能を提供する。
ラウンド: シリーズG
調達額: 3.04億ドル
バリュエーション予想:6.16-9.24億ドル
9. People.Ai
https://www.people.ai/
Asserts.aiに非常に似たビジネスモデル。Eコマースやオンライン販売事業者顧客チャネル総合管理及びエンゲージメント強化を提供する。AIによるデータ分析によって収益最大化支援を可能とする。
ラウンド: シリーズD
調達額: 2億ドル
バリュエーション:11億ドル
10. Drishti
https://drishti.com/
Drishtiは、製造効率の向上と手作業による組立ラインの状況改善に重点を置くAI駆動型スタートアップ。物流や処理工程の分析を行い、パフォーマンス改善の機会を特定し、ステークホルダーに価値を提供する。
ラウンド: シリーズB
調達額: 25百万ドル
バリュエーション:1-1.5億ドル
まとめ
いかがだったでしょうか。
a16zは過去にAirBnb, Slack, ロビンフッド, Redditやリップル等今では誰もが知るようなプロダクトや事業に投資してきた実績もあり、今のAIスタートアップに対する注力的な投資は常にウォッチされています。
この記事の上で添付したa16zのAI投資に関するページですが、トップにこのような引用があります。
業界トップとして名を馳せるa16zのリサーチャーたちが今、人工知能が切り開く未来に対して大きな期待を寄せています。今回はAI×アプリケーションのみを対象に調査しましたが、他にも様々な掛け合わせ事業やスタートアップがあります。
今後もこういった記事を紹介していく予定ですので、是非Twitterを覗いていってもらえると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
Ric
https://twitter.com/rice_vc
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