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私たち夫婦⑫ 夫の病気 現在

長いこと夫の病気について書いてきたが
今に近いところまできた
今回の投稿で病気のあれこれは今と繋がるはず

結局のところ
何を飲んでも何を点滴していても
夫のトイレ回数は変わらない

食べるタイミングを調整して
なるべく便が出ないようにしているのも変わらない
それでも失敗するのも変わらない

私は絶対に夫は嫌だと言うと思ったが
リハビリパンツを履いて仕事したらどうかと提案した
もちろん拒否
当たり前だよね
私だって今この年でリハビリパンツ履くなんて嫌だもん
でももしもの時にその方が気が楽かなって思ったの

普通のパンツで失敗しちゃったら
傍目から見たら分かるでしょ
それの方が嫌じゃない

そう思って提案したけどさすがに拒否だった

なのにそれから数ヶ月後
夫から
リハビリパンツを履こうと思う
一緒に薬局で見て欲しい
そう言われた

夫にも相当の葛藤と覚悟が必要だったに違いない
でもそれ以上に自分が失敗してしまうのが辛かったに違いない
2人で薬局に行き
一番薄くて外に響かないようなタイプのものを選んだ
買うのも恥ずかしいなぁという夫に

私は
いいんだよこんなの
親の介護用の買ってますって顔して買えば
とパッケージを手に取りレジに行く

レジがすごく並んでいたので
夫は並ばず隣のスーパーのトイレへ行った
一緒に買い物へ行っても2回くらいトイレへ行く
不便だろうに…

あんなに外面にこだわる夫が
リハビリパンツを履くと言う
かわいそうになった
そんな自分を受け入れるのだって嫌だろうに
病気になる前の生活で
やれていたことの半分以上できなくなってる

それでも本を読んだり
サブスクの映画をあれこれ観たり
なんとか過ごしている

そして音楽がバカほど好きで
音楽のことを考えてる時は
きっと何ら今までと変わらないだろう
夫に音楽があって良かった

結婚してまだ子どもが小さくても
お金が全然無くても
私は夫の音楽に対して何も言わなかった
お金が無いのにスタジオを借りて
バンドの練習に行っても
何も言わなかった

それは結婚前からの夫の楽しみであり趣味であり
生き甲斐だったから
それを私がどうこう言えることではない
ギターを持って出かける夫に対して
私がこんなに大変なのに、とも思わなかった

でもそうしてきて良かったなと今思う

マンションを売っても残ったローンの借金と
夫の繰り返す転職で
看護師になろうと決めて良かったなと
今思う

もっと早くから離婚という選択をしてたら
もっと良かったかな、とちらりと思ったのは秘密

基本的に夫は何も変わらない
家族で家の中にいても
まるで一人暮らしをしているように生活をする

勤め先の変則的な出勤時間のせいもあるが
好きな時に1人好きなものを食べ
好きな時に1人風呂に入り
自分のタイミングで
おやすみ、と言って2階の自室に行く

夜勤もできるようになったが
残業はしない、という就業制限付き
夜勤のおかげで少しお給料も増えた
それでも私の収入よりも少なく
私は今の働き方を変えられない

リビングで顔を合わせると
バンドのことや病気のことを話してくる
病気のことに関しては夫の性格上
私にぐらいしか話せないのだと思う

夫に対しての好きはもうとっくに無い
病気になったからと言って
添い遂げようとも思っていない
夫が万が一今別れたいと言ってきたら
おっけー!と言って受け入れるだろう

それでも今の夫には
ゆくゆく別れたいと思っていると話をする気にはならない
夫は私がそんなことを考えているなんて
1ミリも思っていないだろう

今の夫にそれを伝えるなんて酷なことはできないし
今する必要も無いと思っている

この先もしも症状が改善して
薬を飲むとか、点滴治療に通うとか
そういう手間があるだけで
後は車に乗ってどこまででも行ける
電車に乗って大きな街のライブやフェスにも行ける
そんな風になった時に伝えようと思う

この3年、余りにも色んなことがあり過ぎたし
それは現在進行形だ

私は私の生活に慣れてきて
夫は夫の病気に慣れてきた
ただそれだけのこと

もう少しがんばってみようと思う


暗くて重たくて長いお話
今まで読んでくださってありがとうございました

海の近くの田舎町で
私はなんとか生きてます 笑


ヘイ!ホー!レッツゴー!

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