小さな頃からこの宝石の様な野葡萄の実が好きだ
見つけると宝物のように思えた
白から薄水色、濃青、紫と美しいグラデーション

その野葡萄がたまたまお隣との境目から自生していた
去年は気づくのが遅くて
伸び切った蔓をきれいに整えることもできなかった
実が色づく頃には
お隣のジャングルを伐採すべく
シルバー人材のおじいさま方が早朝より登場し
チェーンソーでザクザクと切ってしまった

今年の春
切られた株から新芽が出ているのを発見した
嬉しくなって
この際蔓をきちんと這わせようと思い
柵やフェンス的なものも購入し
毎日眺めてはきれいに蔓が絡まっていくようにした

野葡萄は少しずつ蔓を伸ばし
今は去年よりもずっと立派になった

そして秋の虫が賑やかに鳴く頃
緑だった実の色が少しずつ変化し始める

秋も過ぎ冬の匂いがする頃には
きっとタイトル画像の様な色とりどりの実になるだろう

自分の家の庭でそれが見られると思うと
今からワクワクする

夢の無い話だが
野葡萄の実の色づきは虫が中に寄生しているからだ
と言われる
しかし色づいた実を確認しても
その全てに虫の存在があるわけでは無い、と言っている人も多く
事実は分からない

虫に関してあまり詳しく書くと
気持ち悪くなるといけないのでこの辺りでやめておく


きれいに色づいたあかつきにはまた写真を撮ろう

虫の話ついでに(やめると言ったのに)
この日蔓の中に蟷螂がいた
蟷螂も全然掴めてしまうのだがまた子ども達から
非難囂囂だろうと思いとどまる

この前コンビニの床で瀕死の茶色のコカマキリを掴んで
外に置いてきた時も

ちょまじ、信じられん、近寄らんで

と遠巻きに冷ややかな目で見られた

悲しい

日中はまだ蒸し暑さ全開だが
虫や草花はしっかり秋を生きている

秋が深まったら散歩に行こう
野薔薇もヘクソカズラもツルウメモドキも
きっとどれも美しく色づいて
野山は宝石箱のようだろう