婦人

ニッパチ(2月・8月)は商品が売れないのか?

「ニッパチ」って言葉知ってますか?
小売業界では2月と8月は商品が売れない月として「ニッパチ」と言います。
1月、7月のセールが終わって、翌月は厳しくなる。
その常識がずっときているのですが、昨今はセールも盛り上がらないし、その常識はまだ通用しているのかな?と疑問に思ったので調べてみました。



百貨店 売上高

参考にしたのは日本百貨店協会のHP
全国・地区別・商品別の売上高を公表してくれている、ありがたいサイト。
ここから2018年の商品別売上高を抜粋しました。

2018年の全国百貨店総額をグラフにするとこんな感じ。

2月と8月は確かに落ち込んでる。
でも思った程でもなかったかも?



婦人服 売上高

婦人服を見てみます。
顕著に落ち込んでますね!ニッパチ!
1月はセールで盛り上がっているのが数字に現れているけど、それ以外はそんなに変わらなくない?
7月のセールってあまり重視されていないのかな?

10年前はどうだったのだろう?
10年前のデータを調べてみました。

10年前の2008年には1月と7月のセール期には凸、2月と8月のセール終了期は凹ときれいに数字にあらわれています。
2018年を折れ線グラフで重ねてみましたが、消費活動に凹凸が少なくなっています。
ボーナス需要やセール需要がなくなってますね。
それにしても10年前と比べて売上が落ちてますね…。




紳士服 売上高

紳士服の方がニッパチが顕著ですね。
秋冬は重衣料になるので単価もあがるから、売上が伸びてるのかも。



婦人服・紳士服通して感じたことですが、 ファッション業界では2月8月は洋服の入換期。  
グラフから推測するに、消費者は気温にあう衣料を購入しているのではないかな?

実需衣料を購入する消費傾向になってきているなら店頭の商品もなだらかに入れ替えした方が良いのではないでしょうか?
以前はファッションに敏感な人はシーズン前に商品を購入する流れがあったのですが、今はシーズン前に購入する層が少なくなってきているのでは?
セールの効果もないのに、入れ替え時期にごっそりと売上を落とすファッション商品投入は考え直した方が良いと感じます。


今もこの暑さの中、秋冬衣料が並び始めています。
誰が購入するのだろう?と横目で眺めているのは私だけでしょうか…?



子供服 売上高

次に子供服を見てみます。
ニッパチはそこまで影響はないみたいですね。
むしろ入学卒業の洋服を揃える3月が勝負期の様です。
12月のクリスマスや1月のお正月より3月が売上期なんですね。



美術・宝飾・貴金属 売上高

次に宝飾。
ここはニッパチほぼ影響なしですね。
むしろ12月の年末・クリスマスシーズンが勝負。
12月以外がほぼなだらか。
1月になると需要が落ち着いてしまうので、12月の売り時を逃さないのが大切そうです。


菓子 売上高

最後にお菓子。
うん!ニッパチ関係ないですね!
むしろ下半期は12月に並んで8月は売上高いですね。
お盆を挟んでいるので、お土産等にお菓子需要が増しているのかもしれません。
1月はご挨拶用に高級菓子が需要ありそうですね。


ちなみに7月と12月のお中元お歳暮期にお菓子購入はされなくなっているのでしょうか?
私は小さい頃はゼリーや和菓子をお中元お歳暮に頂くのを楽しみにしていたのですが、今はその風習も少なくなってそうですね。
私自身もお中元お歳暮を贈った経験ないかも…。


どうでしたか?

ニッパチは落ち込みはあれど、全ての商品に関係することではなさそうですね。
ただ衣料品には顕著にニッパチ効果が現れてました。
消費行動も変わってきた昨今、商品投入期については再考が必要そうです。

もちろん、百貨店だけのデータなので他の店舗では違う動きがあるのかもしれません。
参考までに。
データを眺めてみると色々な気付きがあって面白いですね!

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