あなたは靴にいくらを払いますか?

はじめまして。
靴学校卒業後、メーカーでちょこちょこ仕事→靴の企画(デザイナー)を10年→現在は個人で物作りをしているミヤジマです。
靴の企画についてのマニアックなこと綴って行く予定です。
よろしくお願いいたします。

さてさて、先日にハヤカワ五味さんの靴のnoteが話題になったのをみて、今これを書きたい!とnoteを始めました。



・ 販売価格は生産価格?
・ 靴の製造工程は簡単?
・ これからどうなる?


・ 販売価格は生産価格?

もちろん販売価格=生産価格ではありません。
メーカー(製造)→ 卸問屋(企画)→ 売り場(販売)
という過程を経て消費者に靴は届けられます。

ざっくりとはこんな感じです。

店頭仕入れ価格は60〜70%が多く、百貨店だとここに店頭の販売員さんの派遣が問屋に課せられます。
メーカー仕入れ価格は靴問屋よりもアパレルさんの方が抑えている傾向がああったり、それぞれです。

経済産業省のデータを見ると革靴で5000円前後でメーカーが生産していることがわかります。


・ 靴の製造工程は簡単?

靴の製造工程は簡単ではありません。


  木型職人(靴の型を作る)
→ 型紙師(靴の型紙を作る)
→ 抜き職人(革を歩留まりよく型抜き)
→ 製甲職人(靴の甲を縫製)
→ 底付け職人(甲を底に釣りこんで整形)
→ 仕上げ職人(仕上がった靴を磨ききれいに仕上げる)  


各工程をそれぞれ専門の職人さんが仕上げています。
では材料費は安い?というと革はどんどん高くなっています。

20年前に安価でよく使われていた牛ステア(成牛)の革は問屋価格で1DSで48円ぐらいでした。
(DS=デシ、革の面積単位。10㌢四方の四角形)
それが今は70円前後まで釣り上がっています。


安い革を選んでも1足作るのに20DS必要と換算すると、20㌥☓¥70=¥1400 の革が必要になります。


¥5000ー¥1400=¥3600
これに他の材料、工場維持費やらやらを引いた残りが職人さんたちのお給料になります。

ちなみに靴はパーツも多いんですよね。


・ これからどうなる?

どうなるんでしょうね?

このビジネスモデルが作られたのは大量消費時代で、問屋がデザインした靴を百貨店が大量に売りさばいて、1デザインの初回発注数が500足で追加発注が約束されていた時代はこれで儲かっていました。

でも今は大手でも初回発注が300足も難しい時代で追加はなし、セールの時期もどんどん早くなる、トレンドなし、の時代ではこのビジネスモデルは厳しいのではないでしょうか。

値段を高くすることが難しいならば、メーカーがブランドを立ち上げて問屋の機能をもったり、問屋が積極的に売り場を持つなど、どこかをスキップしないと全体が貧しくなって潰れていく気がします。


そしてワールドカップ中にしれっと合意された「TPP」。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000104767.html

現在でも30%の国内自給率が関税が撤廃されることにより、さらに低くなると予想できます。

例えば春夏の定番靴、made in スペインの「ガイモ」

今は1万円半ばの価格のこの靴が30%の関税が撤廃されて、定価1万円前後になった時に、1,5倍の金額をだして国内生産靴を選ぶ人はどれぐらいいるでしょうか?


あなたは靴にいくら払いますか?

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