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靴の未来予測 (前半)

靴学校の同級生で義肢装具士の野口くんから「こんなのやってるでー」と連絡もらいました。


ZOZOも足を3D計測できるマットを昨日より配布。

https://zozo.jp/zozomat/

その他にも足を3D計測して、足にピッタリの靴を作るサービスがどんどんでてきている。



足を3D計測してピッタリの靴探すのがデフォルトの時代がどんどん近くなってきている。
もちろん最初は色々不具合があると思うけれど、そのうち完成されていくと思う。
だって今は世界最強のアマゾンだって最初はこんなのだったんだからね。



人の足は様々なのに靴はバリエーションが少ない。
本来ならばサイズ展開の他にワイズ展開も必要だけど、いかんせん靴は工程と材料、木型や生産に必要な型も多く、今の靴製造ではバリエーションを増やして在庫を抱えるとなると無理がある。


それでも「私はこのサイズ」と思い込んでいた時代には何とか既成品で凌げたけれど、実は自分はこのサイズではなかった、とみんなが知ってしまったら今のままではいられないと思う。
自分の足にあった靴が欲しい、でもオーダーまでの金額は出せない、そんな人達がたくさん出てくるはず。
では、これから靴はどうなっていくのだろう?と考えてみました。



1、 足のデータを持っている&靴情報をもっている企業が強くなってくる。


足のデータを持つことはもちろんだけれど、同時に靴の情報をもっていることが必須。
「この足はこの靴に合う」、その教師データをたくさん持っていることで、他の足も分類することができ、フットする靴を選び出すことができる。
どちらかのデータだけを持っていても適合する足や靴を選出できないので、「適合する足と靴」のセットデータが必須。



出典は人工知能の第1人者、東大の松尾先生の機械学習スライド。




2, 靴のデータが開示されるようになる


自分の足のデータを知ると、自ずと靴側の情報も必要になりますよね。
でも現在の靴情報はサイズのみ。


例えば靴サイズは足長のみの記載だけど、木型の足長と靴本体の足長は違います。
靴のつま先には1,5cm〜くらいの「捨て寸」という余裕があり、細い足だとつま先に足が滑りこみます。細い足の人はこの「捨て寸」も含めて自分のサイズを思い込んでいる人が多いのではないでしょうか?
細足で足長24㌢の人が23㌢の靴を自分サイズと思い込んでいたケースも過去にありました。



ワイズも今はメーカーがなんとなくD,E、EEE表記している靴が多いです。
販売員さんは「これって本当に3E?」な靴ってたくさんあると感じていません?
ぶっちゃけると雰囲気でワイズを決めている靴問屋は多いです。
でもこれからは木型サイズを表記することが必須になるというか、ならざるを得ないと思います。

シューフィッターがお客さんの足を正確に計測しても、照らし合わせる靴の数値って今は開示されていないですよね?
今後は数値で靴情報が開示されていくようになるのではないでしょうか?


過去に自分で作った靴。
木型サイズ(足長・足幅・足周り)を表記しています。


大まかなサイズを記載してもいいし、QRコードなどをプリントして、購入後も靴データが調べられるようになるのも便利ですよね。




3, サイズ以外の靴のフィット基準ができるのではないか?


個人的にはこの部分に一番期待しているんですね。
足には形状以外に骨格や筋肉、柔軟性、体の傾きなどたくさんの要素があります。
また靴にも木型、インソール、ヒール、素材など色々な要素があります。


人間視点で「木型・靴」のフィット感を指定していたのを、ディープラーニングにすると、別の部分に着目してAIが自分で学習してくれるのではないか?と勝手に期待しているのです。
ある程度の学習が積み重なった先の話なので、もう少し先の未来になると思うのですが。


コンピューターが一番勝つのが難しいと言われていた将棋の分野で人工知能が2015年に勝利を収めました。
しかもその勝ち方が人間には理解不能。
そんなことが靴の世界でもおこると面白いな、と思うのです。


2017年の記事ですが、この記事を将棋ではなく、靴に当てはめたような未来も面白そうです。
大量の足と靴データを機械学習で計算し尽くした後に、黒魔術的なわからない基準でてくるかな?


まだまだ先の未来かな、と思いつつも5年後ぐらいには変わっているかもしれないですね。
後半は靴の販売・製造の未来について考えたいと思います。





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