ひとりぼっちの狼ちゃん
むかしむかし、誰とも群れない女の子がいました。
人と長く一緒にいると、心の中が見えすぎて苦しくなってしまうからです。
1人が好きなのかと言えば、そうとは言えない女の子。
「心がぽっかり空いた感じ」の違和感に気づきながらもそれが寂しさとは気づいていない女の子。
自覚のない女の子は、言語化することも出来ずただ、胸のぽっかりとした穴だけを感じます。
そんな時、とある人に出会います。
女の子は、その人と撮影を続けることになります。
友達と遊びもせず、同世代がしているであろうこともせず、たた、自分の全ての時間と思考を撮影に注ぎました。
自身の写真を世の中に出すことで、友達だと思っていた人が形上の友達だったんだと気づいていきます。
世の中にはあまりにも形式上、建前が存在します。
離れていった友達見て、女の子は思います。
「これで、本当の友達が誰かわかる。私が何しても残ってくれた子が私の友達だ。」
女の子は、撮影に対して一種の安心感を覚えていきます。
レンズの向こうから私を見ているその人。
遠い時もあれば近い時もあります。
でもいつも同じなのは、絶対に私を見ているということ。
本当は人といつも一緒に居たいし、見て欲しい寂しがり屋の女の子は、自分に向けられるカメラに対し"居場所"のような感覚を覚えます。
女の子は居場所を見つけたのでした。
そして、女の子は撮影を通してたくさんのことを学びます。
人の目を気にしていたら何も出来ない。
どうやってもみんなに好かれることは無い。大事にしてくれる人、好きでいてくれる人のことを考えて、その人たちの方向を向いて、好きだと言ってくれる人達が喜ぶことをして生きていけばいいんだと、心の穴が埋まった女の子は思うのでした。
おしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
絵本は子供の頃と、大学受験期よく読んでいました!
日常で使わない難しい文章を沢山見た反動から、簡単な表現に触れたくなって、絵本を読んでいました。
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