見出し画像

民間企業と共同開発!都城発「自治体AI zevo」!

 こんにちは。宮崎県都城市デジタル統括課です。
 今回は、当市におけるChatGPTの状況についてゆる~くお話します。
 
 本題に入る前に、みなさん、「都城」を何と読むかご存知でしょうか?
 
 正解は「みやこのじょう」です。以前は高校野球が強く知名度があった本市ですが、「とじょう」と呼ばれることがある等、知名度低下に悩んでおり、その対応としてふるさと納税に注力してきたという背景があります。
 
 さて、本市では今年度、ふるさと納税の管理システム等の開発等を行ってきたシフトプラス株式会社と ChatGPTをLGWAN環境で活用できるプラットフォーム「自治体AI zevo」を共同開発し、行政分野における活用可能性について、調査研究を行っています。ちなみにこの「自治体AI zevo」という名前の名付け親はChatGPTです!
 
 我々がChatGPTと最初に向き合った際に、職員の良き相談相手になってくれるのではないかと感じました。一方で、良き相談相手として活躍してもらうには、相談しやすい環境も必要です。例えて言うならば、頼りになる職場の先輩のように、横にいてくれてこそ、業務の役に立つものと考えました。そのため、LGWAN環境から利用ができるChatGPTが理想ではないかと思い、当初想定よりも時間がかかりましたが、無事7月末にシステムの完成を見ることとなりました。
 
 機密性の高い情報等は扱わないことや利用用途を申請し活用すること等を規則で定めたほか、システム面でも学習をさせない等、セキュリティに配慮しながら運用をしています。「自治体AI zevo」が適正な利用がなされているかを、管理者が確認できる機能もあり、安心・安全に利用できる環境を整えています。
 
 では、具体的に、当市ではChatGPTを業務上どのように利活用しているのか。今回は実際の活用事例を2つご紹介します。

1文章の作成・校正・要約


 まずは、文章の作成・校正・要約です。
 
 我々自治体職員は、業務の中で非常にたくさんの文書を作成します。他自治体への文書、業者等への文書、市民への文書、内部向けの文書、挨拶文、メールなど、その種類も内容も実に多種多様です。
 
 文書作成に費やしている時間、意外に多いのではないでしょうか。
 
 ChatGPTを活用することで、この業務に要する時間を大幅に削減することができています。まだスタート直後だからかもしれませんが、面白い傾向が見られており、日頃から文書を良く作る部署での利用よりも、文書を作る機会が少ないであろう部署での利用が進んでいるように見受けられます。
 
 ChatGPTを「頼りになる職場の先輩」と評しましたが、「頼りになる職場の先輩」がいても自分の得意分野のことは、わざわざ聞いたりしないわけですものね。ただ、この「頼りになる職場の先輩」は、リソースが無限大ですので、得意なことでも取り敢えず相談しようとの意識を浸透させていく必要があると考えています。

2政策案やキャッチフレーズなどのアイデア出し


 次にご紹介するのは、ChatGPTを活用したアイデア出しです。
 
 我々は、政策の立案やイベントの企画、住民への広報など、業務の中で発想力を問われる場面が多々あります。しかし、残念ながら、良いアイデアというのはそう簡単に生まれません。人は誰しもが柔軟な発想を持っているわけではありませんし、勤続年数を重ねる中で、固定観念や型にとらわれて見えなくなってしまうものもたくさんあります。
 
 その点、ChatGPTは人間でも自治体職員でもないため、非常に柔軟な発想で我々にアイデアを提供してくれます。もちろん、その全てが優れたアイデアかと言われれば、そうではありませんし、全てをそのまま使うことができるわけでもありません。しかし、アイデア出しという点では、我々が見えなくなってしまったものについて、今一度目を向けるきっかけを提供してくれます。
 
 なお、ChatGPTは「これさえあれば何でもできる!」といった万能ツールではありません。「頼りになる職場の先輩」にも弱点はあるのです。人間、AIそれぞれに得意なことがあり苦手なことがあります。我々は、ChatGPTの特性を理解し、その長所を活用する、そんな関係で良いと思いますし、そのためには相手を知ることが重要です。これは職場の人間関係と似ていますよね。
 
 今回ご紹介したのは、実際の活用事例のほんの一部です。他にも、エクセル関数の生成など、当市では様々な部署、様々な場面でChatGPTが活用されています!
 
 ここまでお読みいただいて、「なんだ、活用活用って、結局楽したいだけじゃん」そう思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 
 そうです、我々は楽をしたいのです。しかし、ただ楽をしたいという訳ではありません。
 
 人口減少、少子高齢化などの社会課題に鑑みると、今後自治体職員に求められるものは量・質共に増加、複雑化していくことが予測されます。そのような中でも、住民の皆様に質の高い行政サービスを提供し続けるために、「人間だからこそできること」に力を注ぎたいという強い思いがあるのです。
 
 ChatGPTは未来の自治体運営を支える大きな可能性を秘めていると思いますが、それでも数あるツールの一つです。同じ生成AIでも様々なサービスが雨後の筍のようにどんどん出てきています。
 
 現状に満足しない!実際に当市では、ChatGPT、そして生成AIの新しい展開についても、シフトプラス株式会社と検討を進めています。これからの当市の動向にも引き続きご注目ください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?