義体ドール 5-5

2週間後、4人の衣装が出来上がった。
駿に出来た衣装を私の部屋に持ってきてもらった。
「めっちゃ速かったやろ?マジで突貫工事やで。」
と目の下にクマを作った駿が言った。
「しんどかったけど、楽しかったわ。」
早速4人に着せてみる。
シオンと2Bは私が9SとA2は駿が着せた。
シオンは司令官の衣装にした。
衣装を着終えた4人が並んだ。
めちゃくちゃ可愛い。

早速4人にダンスを踊らせてみる。
1分ほどの短いものをいくつかピックアップした。
同じダンスを一人ひとり踊らせてみると面白いことがわかった。
2Bはゴシック風の衣装とスタイルでバレエ風のダンスが一番しっくりときた。
9Sはハーフパンツのせいか、ストリート系が似合ってる。
A2はジャズダンス。
シオンは衣装で宝塚風だと思ったけど、非日常的な体型でのせいでやっぱりMMDモーションかなぁ。

2Bのスカートの出来が秀逸で、ターンすると見事に裾が舞い上がって超ハイレグのレオタードが丸見えになる。
ベルベットの生地で作ってあるのに凄く舞い上がる。
2Bのスカートの特徴的なふわり感も見事に再現されている
どういう仕組みなんだろう。
駿に聞いても「ひ・み・つ」と言って教えてくれなかった。
2Bにはもうひとつダンスを踊らせてみた。
簡単なステップとターンにバレエと新体操の動きをミックスさせてある。
バレエは片足でのターン、新体操は立った状態からブリッジ、倒立。倒立では180度開脚。
スカート部が全て垂れ下がって、超ハイレグレオタードの股間部が丸出しになる。
ゆっくりとバク転するように元の姿勢に戻る。
胸元は凄い窮屈で、バストが今にも谷間を隠している模様を千切って飛び出しそうだった。

MMDの特徴は、自由で物理的な不可能を可能にするカメラワーク、無限にある背景とステージ、多様な特殊効果等による夢のような映像だと思う。
それに対してドールの場合は、実際に無いものとあるもの、言い換えれば非現実と現実の融合、リアルな存在感、工夫する楽しみだと思う。
限定されたカメラワーク故の安定感、安心感を追及してみたい。
演算処理で動作が破綻する事も無い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?