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猿の計算脳。人間との比較

人間の脳は、数学的な思考や計算能力を高度に発展させていますが、最近の研究によれば、言語を持たない霊長類であるサルの脳も、驚くべき計算能力を持っていることが明らかになりました。

東北大学の研究チームが行った実験で、サルの脳には足し算や引き算を実行する際に活発に反応する細胞が存在することが発見されました。
この発見は、私たちの脳が数学的な操作を行うために、言語以外の神経回路を活用している可能性を示唆しています。
本稿では、この驚くべき研究結果を紹介し、人間とサルの脳の類似性について考察していきます。

東北大学大学院医学系チームの研究により、サルの脳に足し算や引き算を実行する際に特定の細胞が活発化することが初めて発見されました。
この発見は、計算に特化した細胞が脳に存在するのではなく、手の運動を制御する既存の細胞を再利用することで計算を可能にしていることを示唆しています。

この研究からは以下のことが明らかになりました

1. 足し算や引き算を行う際に、サルの脳には特定の細胞が活発化することが確認された。
2. 計算には言語を必要とせず、言語を持たない霊長類でも基本的な足し算や引き算が可能であることが示唆された。
3. 計算と手の運動は脳機能から密接に関連しており、手の運動を制御する細胞が計算に再利用されていることが明らかになった。
4. メンタルナンバーラインという概念がサルの脳でも存在し、数量を加えるときには右側、減らすときには左側という関係が見られることが示された。
5. これらの知見は、数学の学習法や脳機能に基づいた教育への応用の可能性を示唆している。

この研究結果は、計算能力や数学的思考の進化に関する我々の理解を深めるだけでなく、言語を持たない霊長類が数学的なタスクを実行する際に脳内でどのようなプロセスが起こっているかを明らかにする重要な一歩となります。

■サピエンス(人類)とサルとの間には、計算や数学的思考に関連する点で共通点があります。
具体的には以下のような共通点が考えられます:

1. 脳の構造と機能: サピエンスとサルは脳の構造や機能において類似点があります。両者の脳は、計算や数学的なタスクを処理するための神経回路を持っています。
2. 計算能力: サルが足し算や引き算を行う能力を持つことから、計算能力においてサピエンスと共通する点があります。両者とも基本的な数学的操作を行うことができるという点で共通しています。
3. 言語を必要としない計算: サルの計算能力は言語を必要とせず、非言語的な方法で行われることが示唆されています。同様に、サピエンスも初期の数学的思考や計算は言語を必要とせず、物理的な操作や視覚的な処理によって行われることがあります。
4. 脳の発達と学習: サルの脳が計算に関連した能力を発達させるために、既存の脳の機能を再利用していることが示されています。サピエンスも学習や経験を通じて脳の機能を発達させ、数学的な能力を向上させることができます。

これらの点から、サピエンスとサルは計算や数学的思考において共通点を持ち、その能力は脳の構造や機能の類似性に基づいていると考えられます。

サルの脳に足し算や引き算を行う細胞が存在することが明らかになった本研究は、人間と非人間の霊長類の脳の類似性について新たな理解をもたらしました。
数学的な思考や計算能力は、言語を超えた普遍的な特性であり、私たちの文化や教育によるものではなく、生物学的な根底にある可能性が示唆されます。
今後の研究では、脳の機能や発達の観点から数学教育や臨床医学への応用が期待されます。

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