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らいど日記 山口編(2023.8.4)

大正時代に建てられた県会議事堂の議場の空気は凛としていて、議員席や記者席に座るお客さんもシャキッと背筋を伸ばしてしまうような雰囲気で、一週間前の別府の湯上がりほんわかした空気とはとても対照的。

「こういう場所なのでしーんとしてしまいそうですが、議場というのは怒号が飛び交うような場所ですから」「バカヤローと言って帰ることもあったりして」
まだ夕方の光が窓から差し込む会議場に登場した折坂さんはそのような事を言ってたかな。
高い位置にある議長席で歌うのかと思っていたけど、半円に囲む客席と同じ高さにマイクと椅子が置いてあった。
客席の私たちと折坂さんが同じ目線の高さで、チューニングの細かい手元まで見えてヤバい。

履いていた草履を脱いで喋り始めた折坂さんを見ながら、映画「アメリカン・ユートピア」のデヴィッド・バーンを思い出す。年齢はだいぶちがうけど二人は似てるなあと思う。

「日暮れ僕は多くある あんなにあったお日さまを 一日ひとつ食べている」
と吟っている時にちょうど日が暮れていったのはなんと言うタイミングだったろう。

「しょうき」という名前だったかな。新曲を聴くのは2回目だったけど、夕餉のしたくで火にかかっている小さな鍋の情景と「戦争しないです」という歌詞に胸をえぐられる。なにか神聖なものを見ている(聴いている)よう。

夏の光の中で聴く折坂さんの夏の歌は特別だった。何回も何回も聴いてきた曲にも新しい発見がある。
私のつたない言葉ではとても伝えることができないけど、10周年を迎えた2023年の折坂悠太は、また新しい折坂悠太だった。
そして更に好きになりました。

大分で知り合ったYちゃんが、サイン会前に喋る予習(?)をたくさんしてくれたおかげで、伝えたかったことを伝えられて、その時に折坂さんがほんとうに自然に笑って答えてくれたことが嬉しすぎて、今でもあのナチュラルな笑顔を思い出してはため息をついている(笑)
Yちゃんと二人で駅までの夜道(けっこう長い)を幸せな気持ちで歩いて帰ったこともとても大事な思い出。

2023年の暑すぎる暑すぎる夏よ、良き思い出となれ。頑張って生きよう。 了

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