高専から大学編入 東京海洋大学へ

 私は数年前に高専から東京海洋大学に編入した。

 出身高専からは海洋大への編入前例がなく、進路決定まで親や教員を振り回す羽目になった。
例がないことに対して不安になるのは自分も周りも当然だと思う。

 大学編入は不安や入試までの壁があったりする。今回は編入に至った経緯と、入試について少しお話しする。


 高専では電気や情報系を学んでいた。専門科目は大方得意だったが、できない科目は徹底的にできなかった。大学進学を決めていたが、そのまま同じ分野で編入することに自信を無くしていた。
 ちょうどその頃地震によるブラックアウトで、2,3日停電や物流の機能停止を経験した。その経験から、高専で得た知識が他の分野に役立てないか考えるようになり、そのままの分野よりも経済や物流など「消費者側」の視点も学びたいと思うようになった。これが高専4年の冬あたりである。

 編入には単位の読み替えがきき、やりたい分野を学べる大学を探す必要がある。探した結果、東京海洋大学に行きついた。HPでは災害に強い物流の仕組みについての研究や、物資の供給・貯蔵に関わる授業など目を引くものが沢山あった。海洋大に関しては、進学志望者はHPとパンフレットから情報収集の方法がないが、これだけでも十分魅力を感じた。

 5年生の4月後半にやっと志望校を決めたが、この時点で願書も入試もギリギリである。
前例がない分、提出書類や試験の内容を1から調べる必要があった。自分は推薦での入試だったため、小論文と面接を約1か月で対策しきらなければならない。

 ここから始めた対策は、大学に過去問を請求し、小論文の出題傾向の把握と練習である。過去問で取り上げられたテーマや、現在の物流業界の課題などを調べ、これらについて文字数を決めて論じる。書き上げたものを国語教員に添削してもらった。そうして書き方を覚えていく。

 また物流の知識は皆無だったため、書店で目に留まった本を6冊購入し、繰り返し読んで学習した。業界の課題や用語、現場の業務や経済的な仕組みなどに軽くでも触れるために読んでいたが、小論文だけでなく、自分が高専で得た技術がどこで役に立つかなどの具体的なビジョンが立ち、面接でも役立ったように思う。

 進学先はギリギリに決まったが、大学進学の意思はずっとあったため、4年から自己分析ややりたいこと、自身が高専生活で得たものなどをノートに書き留めていた。進学先の決定や、編入試験の面接、入学後の研究室希望などに非常に役立つのでおすすめする。

 入試までの流れは以上である。私はとにかく時間がなく、大学も1校しか受けていないためあまりいい例ではない。だから然程役に立たないかもしれない。

 ちなみに東京海洋大学への編入は非常におすすめしたい。コロナ禍ながら後悔は1つもなく、入学後の経験は全て楽しかった。

 入学後のキャンパスライフについてもまたの機会にお話したい。

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