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メモリとストレージ、盛らないとダメなの?

新しいMacが出ると、必ずと言って良いほど、「とりあえず、メモリとストレージを盛れ」という主張を見聞きします。最近だと、M3チップ搭載のMacBook Airが出ましたが、とあるガジェット系ユーチューバーが「メモリは最低でも16GB、ストレージは最低でも512GBはいる」と言っていました。ボクはこの類の主張を「盛れ盛れ運動」と呼んでいます。

メモリとストレージを盛ると、なにか良いことがあるのでしょうか。上述のユーチューバーを含め、ボクが見聞きした範囲で盛れ盛れ運動家の意見を整理すると、だいたい下記になります。

・クリエイティブ系作業がサクサクになる
・WEBブラウザのタブを数十個開いても動きがサクサクになる
・4K動画編集がサクサクになる
・RAW現像がサクサクになる
・3Dの動きがサクサクになる
・レイトレを使うなら16GB以上必要
・ベンチマークのスコアが向上する
・Appleのような大きな会社が8GBメモリで出すのはダメ
・チップ性能よりメモリ容量の方が大事
・イマドキはメモリ16GBがデフォ
・イマドキはストレージ512GBがデフォ
・ストレージ256GBだと重いゲームをダウンロードできなかった
・メモリとストレージはとりあえず盛るのが自分のルール
・メモリ容量は、メーカー推奨より多く積むのが自分のルール
・気合いが入っている人はメモリ32GBを積め
・メモリは後で足せないので、とりあえず盛るしかない

中には「なんじゃそれ」という意見もありますが、あくまで個人の意見なので、いちいち突っ込むのはやめておきます。どうせコロコロ意見が変わるでしょうし。

いずれの意見も、基本的には「どうせ買うなら、スペックが高い方が良い」ということを言っている、と言って差し支えないと思います。そう言われれば、確かにその通りだと思います。誰でも言えそうなことですが、正論には違いありません。

ところで、メモリやストレージをアップグレードするためには、これも当然のことですが、お金が必要です。

たとえば、MacBook Airで言うと、ベースの価格は16万4800円ですが、メモリ(16GB)とストレージ(512GB)を盛ると、6万円増の22万4800円になります。メモリ(24GB)とストレージ(2TB)をフルで盛ると、18万円増の34万4800円になります。ベースの価格の倍以上になります。

3万円あれば、なにが買えるでしょうか。周辺機器で言えば、たとえば、1TBの外部SSD(HDDなら2TB)が買えます。6万円あれば、SSDにプラスして、外部モニターやキーボード、マウスなどが買えます。18万円あれば、iPhoneとiPadが買えます。

「どうせ買うなら、スペックが高い方が良い」という主張は一見正論に見えますが、それに伴ってけっこうなお金がかかる限り、物事を一面的にしか見ない暴論だ、と断じざるを得ません。なぜなら、「どうせ買うなら、価格が安い方が良い」という、もう一方の正論を無視した主張だからです。

人によって、必要かどうかわからないもの、しかもけっこうなお金がかかるものを、「盛るのが当たり前」みたいなノリで、そのメリットだけ強調するのは、少なくともボクの目には、タチの悪い振る舞いに映ります。

メモリやストレージの容量に関するボクの意見を述べたいと思います。「一切盛るな」です。言い換えれば、「ベースモデルを買え」ということです。われながら、至ってシンプルです。理由は、価格が安いからです。Mac(Apple製品)はベースモデル価格の時点ですでに高いので、それを盛るのはゼイタクというものです。なんなら、フリマサイトなどで新品未開封品を探して、少しでも安く買うよう努めます。

メモリ容量が足りないと感じたら(感じたことはないですが)、運用を見直します。たとえば、重いソフトは使わない、マルチタスクを控える、デスクトップにデータを置かない、動画はFHDを上限にする(4Kでは観ない)、まめに再起動、初期化するといったことです。

ストレージが足りないと感じたら(感じたことがあります)、不要なデータは外付けSSDに逃す、必要なデータはiCloud Driveに保存する、ふだん使うソフトだけダウンロードする、といったことをします。

一番有効な手段は、気にしないことです。「3~6万円以上費用を抑えられる」と思えば、たいていのことはイケます。

念のため言っておきますが、本人がスペックを盛りたいなら、勝手にすれば良いです。他人にススめるぐらいなので、さぞかし盛っていることでしょう。そのスペックをちゃんと活用しているか、わかったものではありませんけど。

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