私の耳。

どうやら私の耳は、
人よりも色々な音を捉えるらしい。

これは所謂「絶対音感」などと呼ばれるような
才の類のものではなく、
残念ながら「感覚過敏」という特性のひとつだ。
「聴覚過敏」にも色々な種類があるようだが、
私が持っている感覚は、
【 音に対して種類がある 】
というのが1番わかり易いように思う。

私には苦手な音がたくさんある。

金属で出来たもの同士がぶつかる音。
陶器で出来た食器類が重なる音。
フォークでお皿の底を引っ掻く音。
踏切の、カーンカーンの音。
電子レンジが出来上がりを知らせてくれる音。

対して、私にはたくさんの好きな音がある。

槽式洗濯機がすすぎをしている時の音。
水槽のポンプが微振動する音。
カーテンを引く時のレールの音。
電気のスイッチを押した時のパチって音。
管楽器の音や、ピアノの音。
電子音ボーカルの超高音。

嫌いな音をなるべく避けながら、
好きな音をたくさん聴きながら、
私は生きている。

【 音に対して種類がある 】とはどういう状態か。
きっと伝わらないのかもしれないけれど、
少し書いてみる。伝わったら嬉しいな。


あなたはトランペットのファンファーレを聞いて、
何色が思い浮かぶだろうか。
黄色や金色?それともオレンジ色?

では、どんな手触りを感じるだろうか。
張り詰めたビニール?それとも金属製の手すり?
ツルツルしているか、ザラザラしているか。

そうしたら、温度はどうか。
ひんやりとしているか?それともあたたかいか?

この感覚はきっと人それぞれ感じ方が違う。
きっとあなたは先程「強いて言えば…」と、
私の問いにどうにか当て嵌めてくれたと思う。

私はある音を聴いた時、
そう言った感覚が自然とある。

この世の中には、
「共感覚」というものが存在するらしいが、
私は残念なことに、これでも無い。

なぜなら「共感覚」とは、
数字に色がついて見える、だとか、
音に味が付いている、とか、
そういうものらしいからだ。
私は実際に白黒の数字に色が付いて見えたり、
味覚以外の情報に味を感じたりはしない。

だから「共感覚」とは少し違うらしい。

私の耳は、大変迷子になりやすい。
とっても困ったちゃんだ。
音が大きいのに関しては特に負担は無いのだが、
音の種類が多い環境は、
それこそ超難易度の迷路だ。

私には聴こえている全ての音が、
とりあえず「音」として一旦耳に入る。
これは誰でも、むしろどの動物も、
きっと同じだと思う。

その後脳内で分別して重要度を付けるのだが、
これがとてつもなく忙しい。
まず「注意して聴く音」と「聴かなくて良い音」に
仕分けるのが第1工程。

「注意して聞く音」の中で更に、
「言語として聞き取り、意味を理解する物」と
「音声として聞き取り、その音の動向を見張る物」
に仕分けるのが第2工程。

「言語として聞き取り、意味を理解する物」は、
例で言えば目の前で私に向けて話している人の声。
「音声として聞き取り、その音の動向を見張る物」
は、例で言えば電話の保留音。


「聴かなくて良い音」の中にも、
どうしても脳内に流れ込んでくるノイズがある。
音の大きさももちろん関係はするが、
それよりも音の質?が関係している気がする。

今綴ったこの作業が、私の耳と脳の間では
もう常にフル稼働で行われている状態なのだ。

音は基本生きている間中ずっと聞こえ続けている。
目は瞼があり閉じられるが、耳はそうはいかない。
塞いだとしても、どうしても無音にはならない。
真に音のない状態は、作り出すのが極めて難しい。

音の種類が多い環境では、
私の脳みそが即ダウンする。
そうするとどうなるのか。
脳がオーバーヒートして音を選別できなくなると、
全てが「言語として聞き取り意味を理解する物」に
分類される。それはもう、無理にも程がある。

人々が話している声も、鳴っている機会の音も、
さえずる鳥の鳴き声も、風の音も、
とりあえず全部【‼️重要‼️】という分類で
脳に入ってくる。

正直…、めっちゃうるさい。
勘弁してくれ…🤦🏻‍♀️と言った感じになる。

ファミレス、ショッピングモール、テーマパーク、
かなり耳が迷子になりやすい場所だ。

私は24歳にして、ディズニーランドというものにほぼ行ったことがない。ほぼ、と言うのは記憶もない幼い頃に行ったことがあるらしいので、全く1度も、ということでは無いの意味だ。

私にとってテーマパークなんて、
それはもう恐怖でしかないのだ。

私は聴覚だけでなく、嗅覚も人より良いらしい。
これも、「感覚過敏」のひとつであり、
もちろん良いことだけでは無い。

私は匂いに手触りを感じやすい。
私は果物の桃の匂いが好きなのだが、
私の鼻にとってその匂いは、
〈ツルツルしていて、ツヤのある透明度の高い球体〉
として捉えられている。
イメージは占い師がもっている水晶玉のような?
そんな感じだと思って貰えば上手く伝わると思う。
色は無色透明ではなく、ほんのり桜色だ。

これは、人に話した時
共感できると言われることが多いので
この例をあげた。

そして毎回恒例、
結局何が書きたいのか分からなくなった。
まぁ良いのだ。そういうアプリと捉えている。

ここは、
頑張って素敵な文章を書き綴る場所じゃなく、
文章を書き綴ることで頭を整理したり、
自分という人間の取り扱い説明書を作るに近い
場所だと思っている。
だから良いのだ。

今日も私は好きな音を探して
1人、世界を旅している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?