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私の覚書…【悪い夏】染井為人

とても暑い、ある一夏の間に、佐々木守や周りの登場人物の人生が大きく交差する。
自分の人生に希望が持てず落胆していたのに、一筋の光に希望を感じてしまう。
それでも結局、いちばん大切なのは自分であって、いざとなると周りを犠牲にしてまで自分を守ってしまう。
そんな人間らしい登場人物たちが、一生懸命もがきながら生きている姿が印象的。

今の日本の社会問題や、生き辛さ、人々の貧富の差など、いろいろと考えさせられる。
もしも今、自分は人よりもまともに生きていると思っていたとしても、一歩踏み外せば、「こんな生き方はしたくないな」といつも見下している人々と同じになり得る。
また、そうなった時に、きっとその人々の気持ちが分かるようになってしまうのだろう。

まさに明日は我が身。
そんな事を思わせる物語の終わり方が素敵だった。


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