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「座敷牢の占い稼業(仮)」企画書

キャッチコピー

勘違いから牢屋に入れられた主人公が占いで窮地を脱し、敵国の猛者達と勝利国を相手に国を取り戻す物語。



あらすじ

戦乱があけ、町並みに店が出始めた頃。
空腹に耐えフラつきながら歩く主人公の前に転げ落ちたリンゴが…。取って返そうとしたのだが、ボロの服を着ていた主人公は泥棒扱いされ投獄されるハメに。
そこで敵国に加勢して捕らえられた国の皇子と従者と意気投合?どうにか逃げ出し自国へ戻るが、その道中も追手に捕まり一戦交えるハメになる。
そこで主人公の占いに従い行動することで、難きょくを乗り越え自国を救い、果ては最強国家となっていく。



第1話

ボロを身にまといフラフラと雑踏の中を歩く主人公。

その足元に美味しそうなリンゴが転がってきた。主人公はおぼつかない体でそのリンゴを拾い上げ、店の者に返そうとした時、店の者から泥棒扱いされ、投獄される。

両脇を持ち上げられ引きずられながら釈明をするが、聞き入れられず城の地下牢へと放り込まれた。

そこには三人の先客がいて、その1人は主人公も知っている顔だった。彼は今回の戦で負けた、B国に加勢したA国の皇子だった。

皇子と共に双子の従者も一緒に捕らえられており、新参者の主人公は隅に身を置いた。

双子は明らかに主人公を敵視しており、主人公の方もあえて近寄りうともしなかったが、皇子の方から主人公に近づき、身元を訊ねてきた。

主人公は顔を隠し、壁を見つめたままB国で暮らしていた事だけを口にし、それ以外は話さなかった。

それというのも、主人公の家はB国の王に反対意見をしたことで没落させられた屋敷の者で、家が没落する原因となった、反対意見を示唆したのが、主人公の母親だったのだ。

主人一家はとても真面目で気さく。みんなが優しく穏やかな家系で、没落した後も主人公と母親を追い出すことはなかったが、他の使用人達の手前もあり、二人で家を出た後、戦が勃発。

戦禍に逃げ惑っているうちに母親は帰らぬ人となり、主人公だけが生き残った。

その事を思い出しながらゴソリと何かを持ち替える仕草を見のがさなかった双子の1人がいきなり主人公が被るボロ布をはがしとると、主人公の手には小さなハコが握られていた。

母親が使っていた占いに使うカードが入ったその箱は主人公にとって形見。双子に詰め寄られても離さない姿に皇子が双子を止めてくれたことで、詳しい話をすることになった。

皇子は話を聞くと、主人公にこの先の自分達のことを占えないかと持ちかけてきた。

まだ半人前の主人公は、無理だと言うが皇子は引かない。双子の説得にも耳をかさず、主人公に占うことを求めた。

双子が主人公を睨みつけるなか、真っ直ぐな瞳で見つめる皇子。

その瞳には勝利の活路を見出したような輝きがあった。

暗い地下牢の中、明かりを灯す蝋の臭い。静かな空間にカードを切る音だけが響く。

4人の運命を指し示すその占いの結果とは…。



第2話以降

主人公が導き出したカードには、勇敢に立ち向う勇者のカードが描かれていた。

鎧を被り、白馬に跨る勇者は剣を高々と持ち上げている。白馬も前足を上げ勢いをつけていた。

カードの意味を問われ、主人公は未来は切り開かれていくと答えた。

その答えを待っていたかのように、勢いよく立ち上がった皇子は静かに拳を握りしめ、双子に向かって地下牢からの脱出を宣言した。

もちろん主人公も連れられて…。

脱出するとはいっても、ここは地下牢。見張りは入口に2人。

その他は、食事とは言い難い、口を湿らす程度の飲み物と、薄いパンを持ってくる者だけ。

皇子は鍛えた体つきだが、双子はどう見ても武芸とは縁遠い体つき、主人公も小柄で細い。

強行突破は無理な作戦と思っていたのは主人公だけだった。

いきなり喧嘩を始めた双子の怒声が地下牢に響き渡り、様子を見に来た見張りの者が鍵を開けると、皇子が捨身で見張りを推し倒す。

騒ぎを聞いたもう一人の見張りも難なく牢に閉じ込めると、一目散に外へ…とは行かず、隠し地下通路に入り、城外どころか、町の外れに出た。

そこから4人でひたすら走り、森の中へと身を潜めた。

夜になる頃、次の進み方を占い、森に隠れる選択をし夜を明かす。

次の日、日の出まえから森の生き物たちの様子が慌ただしくなったことで、追手が来たことを悟ると
4人は息を潜め、相手の出方を見た。

追手の数は5人。見事罠にかけ、馬を奪い、一路A国へと向かった。

道中日がかわるたびにカードを引き、行く先を占いながら進む4人。

その間一戦交える事もあった。

3日後ようやくA国へたどり着くと、そこにかつての城は無く、民も姿を消していた。焼土化した土地に
町の風化が見て取れる。

戦いから既に半月が経っていた。本当なら皇子は早々処刑になっていてもおかしくないのだが、
勝利国の興国こうこくの王が負傷のため、処刑よりも治療が優先されていた事が、命永らえた理由だった。

皇子は見る影もなくなった自分の国に降り立つと
城があったと思われる場所まで、脇目もふらず
歩き続けた。

すると、ある石碑の前に止まった。

戦乱の中では目にも止まらない、まったく目立たない石碑。皇子はその石碑の前に立つと、石をどかし
土台となっている平たい石もずらした。

すると、そこには穴が空いていて、縄梯子がかかっていた。

皇子は声をかける。その声はどこまでも響いているようで、この穴が、暗闇のさきで広がっていることを暗示していた。

少し待っていると、穴の奥から灯りがさし、人の声がした。

穴の中には人が住んでいたのだ。

A国は興国ともB国とも交易を介して友好を結んでいたが、B国が代替わりをした頃から、国王となった元皇子のワガママな治世が始まった。

この事が原因で、戦を起こすことになったのだ。

戦の中友好のため嫁いでいた皇子の妹君はA国が奪還。

地下で民衆と共に生活をしていた。

主人公は妹君やA国の民と過ごす中で、みんなと仲良くなり、笑顔を取り戻していった。

カード占いの精度も上がってきていた主人公は、みんなの仕事を手伝いながら、地下の土壁にあるものを発見し、コツコツと何かを作っていた。

そしてとうとう地上へ出る時がやってきた。

前日の夜。皆で勝利を勝ちとる宴を開き、各々が心残りのないように時間を過ごす。

主人公は自分をここまで連れてきてくれて、信じてくれた皇子達に勝利のお守りを手渡した。

それは主人公が研磨を重ねてきたオレンジの鉱石。

皇子と妹君、双子達それぞれにブレスレットとして渡した。

朝日が昇る少し前、地下の住人達は皇子の先導で地上をめざす。この時、皇子に頼まれ主人公が引いた
カードは、「審判」まさに復活のカードだった。

勢いを増した民衆は意気揚々と皇子と共に地上へ向かう。そこに主人公も加わった。

興国までの途上、村々を奪還し、進む。

負け知らずのまま王都の門までやってきた。門の前ではにはすでに兵が立ち並び、一触即発。

互いに牽制するなか、主人公がカードを切った。

「運命の輪」

皇子は時は来た、と合図をすると一斉に王都の米をなぎ倒していく。

城内へはいると逃げ惑う民衆を横目に城を目指し、
主人公も皇子について馬を走らせ剣を振るう。

そしてようやく城にたどり着いた時、皇子は馬を降り、城の中へと入っていた。左右には双子。後ろには主人公。目指すは国王の部屋。

なぎ倒した兵士が累々と横たわる廊下を進み、ようやく国王の部屋へと到着すると、部屋の中には興国の国王が従者を従えて立っていた。

怪我はすっかり良くなっていたようで、威厳に満ちた風貌が皇子や双子、主人公を圧倒する。

国王の側の側近2人は戦姿ではなく丸腰で立っていた。

戦意はないということのようだったが、気を抜くわけにはいかない。

しかし丸腰の相手に剣を持ったままというわけにもいかず、皇子は剣を双子に渡し、一歩前へ出ると、国王も同じように歩み寄ってきた。

お互い一言も話さなかったが、それぞれの側近は席を外し、主人公だけが皇子について残ることになった。

隣の部屋に双子と国王の側近達が移り、そこにはお茶の用意がされていた。

国王と皇子、そして主人公の3人は、国王にすすめられるまま席につき、1枚の手紙を渡される。

それは皇子の妹君からの手紙だった。

妹君はB国に嫁いでから、夫となった相手のワガママで辞めていく人々を見るにつけ、いつも夫をたしなめたり、進言したりの毎日だった。

そんな時、執務担当の家にメイドとして住む占いをする女の事を聞き、この先の国の行方を占ってもらったところ、今回の惨事が結果として出た。

占いの通り戦になった後、妹君は母国へ戻る事ができ、その後も教えられた通り事を進めていたと書かれてあった。

手紙を読み終えた皇子は国王から渡されたもう一つの書類に目を通す。

そこにはA国再建への助力と、今後の友好条約。そして妹君と興国の皇子との婚姻について書かれてあった。

妹君のサインはすでにあり、あとは皇子のサインがあればいいだけとなっていた。

皇子たちがここへ来るまでの間に倒してきた者たちは、興国の反対勢力の者達だったことが判明した事で、友好を結ぶのに壁となるわだかまりは無くなった。

皇子は主人公もの顔を見つめ、最後は自分の意志で未来を切り開く覚悟をしなければと決意する。

皇子の決意を悟った主人公も、この先の忠誠を誓うことを皇子に告げた。

こうしてA国は復興し、国王となった皇子は、興国の国王並びに皇子、妃となった妹君と両国の繁栄を築いていくことになる。

国王となった皇子の側には、双子の従者ともちろん主人公の姿もあった。

しかし主人公は、従者としてではなく、皇子の妃として側に立ち、皇子と共に国の復興に助力していくことになった。

















#週刊少年マガジン原作大賞

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