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Leadville Trail 100 MTB Race Report



今回のコロラドへの旅行の目的は、昨年同時期に参戦予定だったバイクレースのため。全く同時期にたまたま義弟の結婚式が決まったため、急遽一年後に延期し今回に至った.
Leadville Trail 100 MTBというレース。名前の通り、コロラド州のレッドビル市で行われたマウンテンバイクの100マイルレース(160キロ、実距離は170キロ)で北米で最大規模の難関レースと言われていて、毎年世界中からプロ、アマチュア含めて1700人くらいの出場者がある。本来はこの本大会の前にある予選での成績が上位の選手が参加できるレースなのだが、私の場合はLottery(いわゆるくじ引き)に当選し参加資格を得た。
なんと言っても、このコースの特徴はスタート地点の標高が3000m、折り返し地点である50マイル地点が3600mという、富士山の頂上付近でバイクに乗るようなもの。獲得標高は3600m。

コースはこんな感じ。距離169キロ、獲得標高3600m



(8/11 木曜日)
木曜日の午後にコロラド州デンバー国際空港に到着し、レンタカーで約2時間130マイル(208キロ)運転し、滞在先のあるビーバークリーク(Beaver Creek)というスキーリゾートに到着。

(金曜日)
金曜日はレース説明会とアスリートパッケージのピックアップ及びレジストレーションのためにレース会場へと。滞在先から会場までは65キロくらい。車で1時間。
ここで異変が。今回妻同伴だったのだが、妻の役目はレースコース途中に数カ所ある選手へのドリンク及び補給食(エナジージェル等)のためのフィードゾーンにて自分をサポートしてもらう予定であった。 ところが、木曜日の到着後から頭痛がすると言い出し薬を摂っていたのだが、症状が金曜日に悪化し、会場へ着いた頃には酷い頭痛と嘔吐で最悪な症状に。この状態でレース説明会に一緒に来てもらうのは無理と判断し、可哀想だか一人車の中で休んでもらっていた。 私の住んでいるカリフォルニアの町は海抜約40mくらいなので、海抜3000mは体が順応するには大変だったようで高山病にかかってしまったようだ。レースに出る当の本人はどうかと言えば、階段をのぼった時など息が上がりやすく、体がやたら重く感じ始めていた。それと喉がやたらと乾いていて、こんな状態で本当にレースに出れるのかなと。。。


屋外に設けられたレース説明会場にて
レーススタート地点にて


Canyon のスポンサープロ選手Jeremiah Bishopとのワンショット。私もCanyonの同じモデルのバイクを使っているんで、色々な質問に丁寧に答えくれました。

(土曜日)

レース当日。スタートは朝の6時半。気温は約5℃。標高3000m。私のスタート位置は1700人の中でも一番後ろのWhite Corral (各選手の過去のレースタイムを元に、それに応じて区切られている場所に入ってスタートを待ちます) 同じ場所にいた3人の参加者とスタートまでの間、雑談していた。一人はカナダ、オンタリオからの警察官、もうひりはラスベガスからの人、もう一人は地元コロラドから。 やはり3人とも少なくても一週間前には現地入りして、Altitude acclimation (高地順応)をやっていたという。私が二日目に現地入りしたと聞いてびっくりしていた。 3人ともこのレースは初めてということで、お互い健闘を祈ってスタート。

スタート後、しばらく舗装路を下る。結構なスピードが出る箇所(65−70キロくらいか)をしばらく下った後、舗装路が終わりトレールに入った。かるい登り基調が続く。っでこの辺りから自分の体の異変に気がつく。まず軽い頭痛を感じ始めたのだ。それと自分はpower meter というものを使っていて、どれだけのパワーをペダルに伝えているかをディスプレーに表示してくれて、それを見ながら普段トレーニングをしている。今回のレースはサバイバルなレースであることは最初からわかっていたから、普段乗っている自分の目安としているパワー値よりも若干下の数字をキープをしていこうとプランしたのだが、その数字をキープするのが物凄く苦つく感じ始めた。同時に後ろから来た連中に次から次へと抜かれっぱなし。。 その後1時間半くらいがすぎても一向に調子は上がっこないで焦りで精神的に滅入ってきた。 そんな調子で進んでいき、フィードゾーンを何も取らずに素通り。(自分はハイドレーションパックを背中に背負って乗っているから、ドリンクがまだ十分に残っていると判断したからだが、これが後にひびく)その後10キロちょっと行ったところでなんとドリンクは空になった。次のフィードゾーンまでは25キロちょい。しかもそのほとんどが登り。怒涛に迷いながら乗っていると、コースのサイドで応援していた白人の男性が自分を見て大丈夫かと声をかけてくれて何か欲しいものがあるかと尋ねてきてくれたので、遠慮なく水をもらえないかとお願い。その人はキャンピングカーで来ており、タンクにあった水をたっぷり自分のハイドレーションパックに入れてくれた。命の恩人だ。
その後苦しみながら25キロを乗り切り(最後の登りは地獄であった)、最初のタイムチェックポイントに到着。しかし時間制限に間に合わず私のレースはここまでで終了という結果に。。。 悔しさのあまりに涙が出てきたが、これが今の自分の実力と自分を説得するのに努めた。しかしちょっとだけ言い訳をさせてもらえるなら、全くもって高所トレーニング準備不足だったのかなと。このレース、高地トレーニングが必須だと、知り合いの日本人プロ選手の練習内容からも見ていたので、5月の中旬に週末3回を使い高地トレーニングを兼ねて実コースを試乗するプランも立ていたのだが、突然の腰痛で3週間に及ぶ練習離脱、バイクにも乗れなくなり断念。その後、今度は左足膝を捻り一週間離脱。などなどと還暦を過ぎたおっさんライダーは色々とボロが出てきて困ったもんである。

上の写真。私同様にレースに出ていた旦那さんを応援していた奥さんが他の選手の写真を撮り、このレースのfacebook グループにたまたま投稿していた。その写真の中に私の写真を発見。レースオフィシャルが撮った写真の中には自分の姿は全くなく、レース結果とともに写真もないのかと落胆していたので、本当に嬉しかった。お礼が言いたくて、facebookでメッセージを旦那さんに送ったところ、その人も奥さんの写真で他の選手が感謝してくれたと喜んでいた。


下のマップは私の実際にライドしたデータ。


というわけで、私のマウンテンバイクを始めてからの四年強のトレーニング、その後に設けておいた大きな目標であったこのレースも不甲斐ない結果となってしまったが、バイクを取ったら何も残らないこの自分、また、来年、再度挑戦しようと思っています。

しかし今までと同じトレーニングではまた時間切れ、完走できなくなってしまう可能性大。色々悩んだ挙句、自分でこのレースに対応できるトレーニングメニュー作成は無理と判断。だったらプロのコーチに指導してもらえないかと。そんな中でたまたまみつけたのが、今年のこのレースの女子プロで一位になったアメリカ人のH.O (イニシャル)という選手。なんとCoaching Avaialbleと本人のサイトに出ているじゃないですか。
これはと思い、私のような爺さんライダーなんてコーチしてくれないだろうなとダメもとでメールを出したら、返事が来てなんと気持ちよく引き受けてもらえることに。(ちなみにこの選手、先日フランスで行われたUCI MTB World Championshipにも出場してます。)

過去の私のライドデータを元にオンラインベースで練習メニューを作成してもらい、それを実行し結果をアップロードしてそれを解析していくという運び。レース完走できず不完全燃焼で超ガッカリしていたこの二週間だったので、これはとても嬉しい。どんな練習メニューが出てくるのか今後が楽しみです。


今回の旅のお供はこのバイクケース。アメリカの殆どのエアラインがソフトケースは破損等があった場合の補償ができないとの事。従ってあえてハードケースに。ちょっと重くなるのと、取り回しがソフトケースに比べて少し大変。でもアメリカ国内線の乱暴なバッゲージハンドリングでも無事にバイクを守ってくれました。

たまたま座った機内席からバイクケースをアンロードするのを確認できました。やはり段ボールケースだとだいぶ穴が開いてますね。





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