志村けんさん世代だ。けんさんのドリフコント、変なおじさんをみて育った。あのころはバカが美学みたいなところがあった。変なヤツはなにかと魅力的で、個性と個性のぶつかり合いみたいなことが世間に遠慮することなく日常茶飯に行われていた。

　当然ぼくもこうした風紀に多大な影響を受け、いろいろバカをした。バカ友だちと互いに競い合いこれでもか これでもか とよくわからないマウントの取り合いをしていた。良い時代を過ごせたほうだと思う。

　小根はいまも変わってない。でももうおじさんになったから ぼくはリアルに変なおじさんだ。けれどもあのころに比べるとずいぶん肩身が狭くなった。よほどのことがないかぎり変な性格は露呈せず、慎重に隠すようになっていた。

　いちばんマシな評価のされ方が【天然】。変と言われたら ちょっと怪しまれかねないので できれば そうは呼ばれたくない。そんな時代になってしまった。

　でも この調子じゃいけないと思ってた。少しでもいいから この嫌な風潮を元に戻していきたいと願ってた。

　きっかけをくれたのは子どもたち。

　ぼくは彼らの自然な言動をみて 少しずつ自信を取り戻した。彼らのいう「変なの〜」には少しの悪意も感じられなかった。

　『 そうです。わたしが変なおじさんです 』

　まぁ見た目は普通装ってますが、それは何にでもなれるニュートラルを意味する0を着ているのであって べつに誰でもない。相手の求め方によっていろいろ着色を施すんです。演劇を学んだ人間にしかわからない感覚かもしれませんけど、自分が自分でないような役に成り切ることが普通にできちゃう。

　とまぁ雑多に考えてしまう頭の中身からして変なおじさんなんですよ きっと。

　たしかにずっと隠し通すこともできたはず。世の風当たりが強くなるからわざわざ変さを露呈しなくても、と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし「これでいいのだ」。やっぱりこっちのほうが自然体なのだ。

　ぼく的にはですけど、創作支援する先生が、常識的で何の面白味もない人だったらガッカリします。ぜんぜん楽しくない。

　変人でいいんじゃないでしょうか。

　ただ何度も言いますが時代が時代ですので潔白で怪しくない（不審人物ではない）変人であることをこれからも赤裸々心情明かしながら納得してもらう必要はあるのかなと思ってます。

　今後ともよろしくです。