連綿とつづく思索のなかには いま思うと なんであんな考えかたしていたのか 自分でも首を傾げたくなる内容のものもある。最近ではそういうのを逐一掘り返して懺悔を要求する墓荒らしみたいな連中蔓延ってるけど今とむかしはちがうから。今さらどうこう言われても当時の時代背景あったりするし なかなか自分でも理解しがたいんじゃないか。誰かに対し傷を負わすような犯罪行為ならいくらでも掘り返して罪を負わすべきだけれども、考えてたこと 書いた内容までとやかく茶々いれるのはナンセンスと思う。

「はい。その通りです。わたしが間違ってました」と素直に認めるわけだし それでいいじゃないか。時代の波に流されてしまい 考えかたが浅はかでした と。

　でもその程度でしょう。今とむかしじゃ成長の度合いもちがうし理解度もちがう。おなじ人間としてむかしの自分の考えに謝れというのはなんかちがう気がする。

　よくものごとを考え喋ってるつもりでも それでも誤っていたりする。でも人間そんなもんでしょう。周りにいる影響受けた大人が たまたま悪い大人だったりすれば 子どもは何も知らないからモロに影響受けて悪いことが良いことみたいな刷り込みができちゃう。大人になり洗脳が解けてやっと自分の考えかたの間違いに気づく なんてケースは世界じゅうどこにでも起きてる。戦争がその最たる例です。

　大切なのは自分を疑う目を持つことに尽きる。つねに冷静に自分の行いを客観視し、ときには愛し、ときには厳しく非難し、うまくバランスとりながら自分と渡り合っていく。そのなかで間違いに気づいたなら潔く自分の非を認める柔軟さを保つことです。

　その姿勢さえ崩さなければ 多少脱線しても（時には常識を疑い敢えて間違ってみる勇気も必要）問題ないと思うのです。否、そうすべきでしょう。