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スロベニアへ:ブレッド湖観光

11月11日(土)
朝7時起床。朝食はビュッフェ形式。焼きたてのパンがすごくおいしい。ヨーグルトもさわやかな味。ナイスな朝食だ。

食事のあとホテルに隣接するスーパーで買い物をした。店内にはツアーの人たちもたくさんいる。私は小さなセサミクラッカーとチョコビスケットを購入したが、紅茶やお菓子などかごいっぱいに商品を詰め込んでいる人もいる。まだ初日なのに。それにここはオーストリア。目的地じゃない。でも、買い物好きの人にはどこの国だっていいのだ。買い物することが楽しいのだから。

今日はこのあとスロベニアに向かう。バスは9時にホテルを出発。車内の温度表示器には外気温6度と表示されている。まずは320キロ先のブレッド湖に向かう。大型バスに乗客は20人。ゆったり座れる。みんな2席を一人で使っている。遠くにアルプスの雪山が見える。途中でスーパーに立ち寄ってトイレ休憩。「マルシェ(Marche)」という名のスーパー。わかりやすいネーミングだ。トイレの使用には50セントユーロが必要。50セントがなかったので1ユーロを入れたらおつりの代わりに50セント分の商品チケットが出てきた。系列の店でしか使えないという。ここで使うしかないので50セントを足して1ユーロのM&Mのチョコレートを買った。

11時過ぎ、スロベニアとの国境に到着。パスポートチェックがある。この旅ではこの先何度も国境越えをするが、そのたびにパスポートチェックが行われる。高速道路の料金所のような検問所でチェックは簡単。スロベニアに入るとすぐ長いトンネルに入った。7864mあり、抜けるのに6分かかった。11時32分から38分だった。

やがてバスはブレッド湖に到着した。ブレッド湖は緑に囲まれた山の中にある。このあたりはオーストリアに近く、かつてはハプスブルク家のリゾート地だったという。観光地だが観光シーズンは終わっているので湖畔の町は静まり返っていた。黄葉がとても美しい。屋根の間から聖マーティン教会の尖塔が見える。

昼食は「ムルカ(MURKA)」というレストランでマス料理を食べた。ミネストローネに続いて大きなマスが丸ごとグリルされて出てきた。ブレッド湖で取れたマスだという。すごく美味しい。Y子が注文した白ワインを一口もらう。マスに合う味だが昼間なのでY子のおこぼれで十分だ。パンも美味しかった。パンはシャワーキャップのようなパンケースに入っていた。

マスのグリル。向こう側がパンケース

昼食後ガイドのエラさんと合流。アウトドア風の女性で、知識が豊富。エラさんの案内で一行はブレッド湖の観光に出発した。エラさんの後をボート乗り場までぞろぞろ歩く。湖畔に旧ユーゴスラビアのチトー大統領の別荘を改装したホテル・ヴィラ・ブレッド(Villa Bled)」があった。湖の向こうの小高い山の上にブレッド城が見える。そのまた向こうにはヨーロッパアルプスの東南端ユリアンアルプスのカラバンケ山が見える。


ユリアンアルプスの眺め 丘の上はブレッド城

20人乗りの手漕ぎボートでブレッド島に渡る。ツアーの全員が1槽のボートに乗った。環境への配慮からモーターボートは禁止されているという。漕ぎ手は地元の若い男性クラレンス。ボート漕ぎは地元の人しかできないそうだ。クラレンスはもうすぐ結婚するらしい。結婚式はもちろんブレッド島の聖マリア教会(聖母被昇天教会)で挙げるという。


島に渡る手漕ぎのボート

船の中でエラさんがスロベニア語を教えてくれた。「こんにちは」は「ドーベルダン」または「ダン」。「ありがとう」は「フヴァーラ」。どこに行っても使う表現だ。

10分ほどで島に到着した。100段近い急な階段を上って聖マリア教会(被昇天聖母教会)に行く。ちなみに聖マリア教会で結婚式を挙げるカップルは新郎が新婦を抱いてこの階段を上るとか。クラレンスもそうするのだろう。教会の入場料はと時計塔と合わせて6ユーロ。主祭壇には中央に聖母マリアの像があり、両脇にはブレッド領主ヘンリック2世とその妻の像がある。祭壇前に天井から一本のロープが吊り下がっていた。教会の上部にある「望みの鐘」を鳴らすためのロープだ。ロープを引いて鐘がなると願いが叶うと言われているがこれがなかなか難しい。力任せに引くよりも体重をかけ静かにゆっくり真っすぐ下に引くのがコツらしい。言われたとおりにやったら美しい音が響いた。願い事はもちろん健康でいられることだ。健康でなければこうして旅に出ることもできない。

聖マリア教会への石段

時計塔も興味深かった。塔の高さは52メートル。階段を登っていくとすぐ横に大きな振り子が垂れ下がっているのが見える。階段を登ったところには時計の機械が設置されている。昔のものという感じだが時計はしっかりと時を刻んでいる。窓からブレッド城が見える。

教会の横に小さなギフトショップがあったので立ち寄ってみた。Y子はスロベニアの抱き人形を買った。孫への土産だという。私には孫はまだいない。早く土産を買う孫が欲しいと思った。

14時40分。再びクラレンスの漕ぐボートに乗って岸に戻る。湖畔を1時間ほど散策。日本から贈られたという桜が2本植えてあった。これまでに多くの国でこの手の親善桜を目にしたが、桜外交は頻繁に行われているようだ。桜は誰もが美しいと思う花だし、悪いこともしない。人間のような駆け引きもないから親善にはもってこいだ。屋台で栗を売っている女性がいた。たくましい中年のおばさんで、大きな声で何か言っている。スロベニア語らしいが私には理解できない。でも何となく「おいしいよ! 買ってきな!」と言っているように思えた。一袋購入した。甘い匂いの中でおばさんの笑顔がなぜか神々しく見えた。


栗を売る女性

塩の専門店が目に入ったので立ち寄ってみた。アドリア海では昔ながらの天日干しで塩が作られており、土産物としても人気がある。ワインも人気。リカーショップでスロベニア産のミニワインを2本買った。ラベルがとてもおしゃれ。飾り物にしてもいい。今夜ホテルでY子と味わってみよう。小瓶2本で7.7ユーロだった。

15時40分 ブレッド湖出発。16時40分リュブリャナのホテルに向かう。宿泊する「エム・ホテル(M HOTEL)」は町の中心地から徒歩で20分ほどのところにある。北欧風のモダンなホテル。覚えやすい名前だけどあまりにもシンプル。なぜこんな名前にしたのだろう。部屋に荷物を置いて、明るいうちに付近を散策しようとY子と外に出た。この時期は5時になると暗くなり始める。アパート群のほかにはこれといったものはなかった。日が落ちると気温がどんどん下がっていった。

19時、ホテルのレストランでビュッフェ形式の夕食をとった。2.7ユーロでビールを注文した。疲れたので夕食後は早々に風呂に入り(シャワーのみと言われていたがバスタブがついていた)22時にはベッドに入った。今日一日が無事に終わった。おやすみなさい。

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