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「旧帝大」ということば

息子が大学に入学したと知人が嬉しそうに言いました。「おめでとう」と私が言うと彼女が言いました。「ありがとう。旧帝大に受かってくれてホントよかったわ」

「キューテイダイ?」

私は「?」と思いました。日常的に耳にすることがほとんどなかったからです。もちろん「旧帝大」という言葉は知っていますし、その意味も理解しています。「旧帝国大学」の略称で1886年に公布された「帝国大学令」により設立された旧制大学のことです。具体的には北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の7大学を指し、一般には入学が難しいとされています。高校の進路指導で先生に「旧帝大を受験するなら心してかかれ」と言われた高校生の話も聞きました。

「旧帝大」という言葉は受験業界では頻繁に使われ、メディアでも使用されているので、使われない言葉ではありません。でも私自身はほとんど使うことがないです。使う必要もありません。過去のことばのように思っています。

「旧帝大」という言葉で知人は私に何を伝えたかったのでしょう。大学の権威でしょうか。息子が難関大学に入学したという喜びでしょうか。他の大学とは違うと言いたかったのでしょうか。自慢したかったのかもしれません。いずれにしても日常生活の中でこの言葉を耳にした私にはいささか違和感がありました。


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