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52 思い出すのが辛い体験も

教師の世界はドラマとは違います。ドラマだったら50分で解決することも、実際はそうはいきません。きれいごとでは済まないこともたくさんあります。

教員だったころを振り返ると楽しい思い出は山ほどあります。でも苦い思い出もそれと同じくらいあります。思い出を語るとき楽しかったことは心地よく語れます。SNSでも「よかったこと」の投稿はたくさん目にします。一方、自分が失敗したことや間違っていたことなど苦い記憶を語る人はどちらかというと少ないように感じます。思い出したくない、記憶から消し去りたいと思うことは人には語りにくいものです。個人情報という制限もあります。反省すべきことを語るのは辛いものです。反省そのものがない人だっています。

私の教員経験は多くの反省とともにあります。指導がうまくいかなかったこと、間違った対応をしてしまったこと、生徒を信じてあげられなかったこと、生徒や保護者とのぎくしゃくした関係など苦い思い出は山ほどあります。同僚の問題に目をつぶってしまったことや言うべきことを言わなかったことなど反省すべきことは少なくないです。そうしたことを思い出すたびに心はざわつき、胸が痛みます。できれば人に言わずに済ませたいと思います。でもそれではいけないとも思います。失敗が活かされませんし、自分自身も向上しないからです。自分の失敗は後に続く人たちに役立ててもらう必要があります。自分の成長にもつながります。私の経験が誰かの役に立つことを願いながら苦い記憶も少しづつ発信していきたいと思っています。


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