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【音楽遍歴】1988年に行ったライブ


はじめに

これまで、年毎に購入したアルバムとベスト3枚について書いてきましたが、今回は1988年に行った2本のライブについて書いてみます。35年ほど前のことですが、この2本のライブは印象深い出来事があったので、割と記憶に残っています。とは言え、さすがに詳細は覚えて居ないので、ザックリした感想とその「出来事」を中心に書いていきます。

Depeche Mode

1983年、1985年、1986年に続く4回目の来日。既に30年以上来日していませんが、昔は基本的にアルバムをリリースする度に来日していたのです。残念ながら、1990年のThe World Violationツアーには行けなかったので、今のところ自分にとって人生で最後に見たDepeche Modeのライブです。この年は東名阪3箇所で、いずれも2000人〜3000人の会場でした。ちなみに、The World Violationツアーの頃は、アルファレコードが彼らを大プッシュしていたこともあって、東京、名古屋、神戸、金沢、福岡の5箇所で、東京は何と武道館2Daysでした。

ライブ情報

アーティスト : Depeche Mode (Music for The Masses Tour)
開催日    : 1988年4月18日
開催場所   : フェスティバルホール

出来事もろもろ

元々、この日のライブはこの記事で書いた岡田くん(仮名)と行く予定だったのですが、色々と事情があって別の友達と行くことになりました。彼とは中学と高校が同じで、割とメインストリーム寄りの洋楽を聴いていたのですが、岡田くん(仮)が行けなくなったので誘ってみたら、「行ってみたい」ということで一緒に行くことになりました。

ライブの序盤は彼らのライブアルバム"101"と同じく、"Pimpf"から"Behind The Wheel"。不穏な雰囲気が最後の最後で一瞬で晴れるような"Pimpf"はオープニングトラックにピッタリで、"Behind The Wheel"へのつなぎも完璧でメチャクチャカッコ良かったのを覚えてます。普段おとなしい島田くん(仮)が見たこともないくらいに興奮していたことを覚えてます。

そして、印象に残っているのがアンコールの"Everything Counts"。間奏のところでDave Gahanが観客の兄ちゃんをステージに呼び、上げて、最後のコーラスを歌うように促しました。兄ちゃんは喜んでステージに上がっていったのに、結局ちゃんと歌うことはできず、Daveは苦笑いしているようでした。ただ、それでも会場のオーディエンスは「それなりに」歌っていたので、全体としては形にはなっていました。

セットリスト

  1. Pimpf

  2. Behind The Wheel

  3. Strangelove

  4. Sacred

  5. Something to Do

  6. Blasphemous Rumours

  7. Stripped

  8. Never Turn Your Back on Mother Earth (Sparks cover)

  9. The Things You Said

  10. Black Celebration

  11. Shake The Disease

  12. Nothing

  13. Pleasure, Little Treasure

  14. Master and Servant

  15. A Question of Time

  16. Never Let Me Down Again

Encore1

  1. A Question of Lust

  2. Just Can't Get Enough

Encore2

  1. Everything Counts

Echo & The Bunnymen

Echo & The Bunnymenの音楽は日本で広く受け入れられるタイプの音楽ではない気がしますが、何故か結構人気があり、洋楽のメインストリームのバンドを中心に取り上げていた「ミュージックライフ」等にも度々インタビューが載っていたりもしました。そんな彼らの2回目の来日公演。この日はジャパンツアーの最終日、そしてワールドツアーの最終日でもありました。

ライブ情報

アーティスト : Echo & The Bunnymen (Echo & The Bunnymen Tour)
開催日    : 1988年4月26日
開催場所   : 大阪厚生年金会館

出来事もろもろ

ベストアルバムで一息入れた後にリリースされたニューアルバム"Echo & The Bunnymen"をサポートするワールドツアー最終日。先行シングル"The Game"はまずまずだったけれど、"Porcupine"や"Ocean Rain"という直近2作が素晴らしかっただけに、新作はちょっと物足りなさが残る内容。それでも、初めての彼らのライブということもあって、何とも言えない昂揚感がありました。

このライブで一番印象に残っているのはフロントマンIan McCullochの違和感ある雰囲気。何かに取り憑かれたように力強く歌ったかと思うと、1曲終わる毎にステージに持ち込んだ大量のビールを口にし、自らを落ち着かせるかのようにクールダウンさせるような立ち振る舞い。今だと普通ですが、それまでステージ上でビールを飲むアーティストを見たことがなかったので、ちょっと驚きました。

本編が終わって1回目のアンコールはThe Beatlesによるカバーで有名なThe Top Notesの"Twist & Shout"。何とか"Twist & Shout"と分かるくらいThe Beatlesバージョンとは違った雰囲気で演奏は進み、間奏では前年に大ヒットしたLos Lobosが歌った"La Bamba"のフレーズを重ねると、よく知っている曲と大ヒット曲を絶妙につなげた曲に客席は喜びで、盛り上がりは最高潮を迎えました。

この曲が終わった後にメンバーは引き上げ、客席の照明がついて公演終了のアナウンスが流れたものの、アンコールが鳴り止みませんでした。時間が経過するに連れて次第に諦めたオーディエンスが帰っていく中、突然メンバーがステージに戻ってくると、会場は大歓声に包まれ、ステージに上がるオーディエンスも出ました。セキュリティスタッフがステージ上の人を降ろそうとするなど大混乱の中で、主催者が現れて「平静にならなければアンコールはできない」と告げました。そのとき、Ianは「分かった、分かった」というように主催者をなだめるような仕草をし、2回目のアンコールが始まりました。ということは覚えているのに、何故か2回目のアンコールでやった曲は覚えていません(笑)。

後日分かったことですが、大阪でのライブが始まる前に、Ianの父親が心臓発作で倒れたそうですが、スタッフはそれをIanに伝えておらず、ふとした雑談の中でそのことがIanに伝わってしまったそうです。イギリス便の飛行機が夜遅くまでなかったので、大阪のライブは予定通り行われたものの、彼の様子に違和感を感じたのはそんなことがあったからかも知れません。

そして、この後、IanEcho & The Bunnymenからの脱退を発表します。
(再び参加して、現在も活動してはいますが)

おわりに

今回は、80年代のポストパンク〜ニューウェーブ時代の代表的なバンドであるDepeche ModeEcho & The Bunnymenのライブについて書きました。

Depeche Modeは今年5年ぶりのニューアルバムをリリースしツアーを開始していますが、2023年9月時点で1990年以来の来日公演は行っておらず、2024年に噂されているMemento MoriツアーのAsia-Austraria Legで来日することを祈るばかりです。

Echo & The Bunnymenはこの後、80年代前半の勢いがなくなるものの、2000年代中頃までは単独公演やFuji Rock FestivalやSummer Sonicなどのフェスティバルでも来日していています。僕も1998年の赤坂Blitzの単独公演と2001年のFuji Rock Festival、2004年のSummer Sonicで彼らのライブを見ました。さすがにもう来日は難しいかなあ。

次回の「昔こんなライブに行きました」シリーズ(?)は1989年に行ったU2について書く予定です。


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