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『あなたの番です』に見る秋元康の凄まじさ。

ここ最近、テレビドラマをリアルタイムで追うことってめっきりなくなってしまいました。昔はあんなにドラマ好きだったのに・・・。習慣って不思議なもんです。良くも悪くも、もうあの頃には戻れなさそう。

そんな中、今、ひっさしぶりに毎週、次の放送を心待ちにしている番組があります。ネット界隈でも結構話題になってるらしいドラマ『あなたの番です』です。

ドラマにハマるまでのざっくり経緯

この番組、企画・原案をあの秋元康が手がけるミステリードラマで、なんと2クール半年間にわたって放送される長編作品になっていて、そういう事情もあり放送前から話題作だったみたいです。知らんかったけど。

というのも、冒頭書いた通り、ドラマを見る習慣が全くなくなってしまってたので、僕、放送開始当初は見てなかったんですね。ただ、スタートして3週くらい経ったあたりから、オフィスのランチタイムで女性社員を中心にこのドラマの話題がめっちゃ盛り上がるようになってきたんですね。

社内がそんな風になってても、まだ「へー、ドラマでこんだけ話しが盛り上がるなんて最近じゃ珍しいな〜」くらいの印象しかなかったんです。

だけど、あんまりにもそんな状況が長続きするもんだから、1クール目も終盤に差し掛かった頃に、自宅に帰る道中に、ふとバスの車内でiPadでYoutubeの公式チャンネルが配信している各話のダイジェスト版だけ見てみたんですよ。

結果的には、これでまんまと制作サイドの術中にかかりました。

ダイジェスト版を見てしまうと、それだけで先が気になって抜けれなくなる作りになってます。すごい。結果的には、Huluに課金して、過去放送分まで遡って見返すことに・・・w

ざっくりこんな経緯でドラマにどハマりしていったわけですが、この番組って「往年の古き良きテレビドラマの魅力」「現代ならではのバズる仕掛け作り」をうまく融合しているからこんなに面白いんだろうなぁと思ってます。

秋元康の勝ちパターン

これって、まさに秋本さんの大得意の戦略なんですよ。AKBグループもモロにこの方程式で運営されてます。

「往年のアイドルの魅力」をリバイバルさせながら、「現代ならではのバズる仕掛け(いつでも会いに行ける / CDを買ったら本人に握手してもらえる / 総選挙でファンとアイドルの絆を可視化する / etc...)」が組み合わさってます。

この戦い方をとても上手にドラマに横展開してて、そんなわけで、僕も1ファンとしてすっかり抜け出せない状態になってます。

僕と同世代の方には共感いただけると思うんですが、僕ら世代が小・中学生の時ってけっこうミステリードラマが盛り上がってて、KinKi Kidsがそれぞれ主演を務めた「金田一少年の事件簿」や「銀狼怪奇ファイル」って番組の放送翌日には、学校の休み時間は放送内容の考察話しで持ちきりだったんですよ。

最近の会社でのランチタイムのやり取りって、モロにその頃の状況とおんなじなんです。この21世紀・令和の時代に平成初期のいわゆるテレビの黄金期と同じ状況を再現させてるなんて、秋元さんはやっぱりマジ半端ないっすね。。。

『あなたの番です』における「現代ならではのバズる仕掛け」としては、YoutubeやTwitterを始めとしたSNSへのネタ提供が本当に秀逸で、視聴者の想像力や推理欲を掻き立てる伏線、ツッコミどころをあっちこっちに尋常じゃない数で張り巡らせてます。

あんまりにもすごい数の伏線を毎話繰り出してくるので、全体の3/4が放送された今となっては、これホントに全部回収できんのか・・・?って不安になるくらいのレベルですw

プロ魂は無意識に伝わる

ぶっちゃけ、番組内や公式番組サイト、公式SNSなどあらゆる媒体にここまで徹底的に仕掛けや伏線を用意する必要って普通はないと思うんですよ。

それをこのレベルまでやり切ってることに、制作サイドの本気度合い、ガチっぷりを感じるから、視聴者の僕たちはよりその後の展開への期待値を高められてます。

コンテンツがこれだけ溢れてる時代ですから、やれNetflixやAmazon Prime Videoみたいに、そもそもの資本力の桁が違うコンテンツと戦っていくことが制作サイドには求められていて、視聴者側の目がすごく肥えているのが今のご時世。

そんな中だからこそ、こういう細部にまで気合いが入った作り方をすることで、視聴者にも制作側のプロ魂って無意識にでも伝わる部分って大きいと思うんです。作り手側も楽しみながら作ってる感じを受ける部分にも好感が持てます。

毎週ドラマを見ながら、自分たちの仕事に置き換えて、こんな風に世の中を動かしていけるように、「往年の正攻法」と「最新の仕掛け」を組み合わせた打ち手を繰り出せるようになっていかないとな〜って感じたりしてるので、今回はnoteで記事にしてみました。

まだ見てない人は、TVerとかHuluとかでぜひ1話から見始めて、僕と同じく秋元康の術中を我が身に感じてみてはいかがでしょう?

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