見出し画像

ベンチャー企業における社内プロジェクトのすすめ #3

全3回でお届けする「社内プロジェクトのすすめ」に関する投稿も本日が最終回です。

第1回では、「社内プロジェクトの実践」をオススメする理由について。第2回では、実際の運用を行っていく上での最も大切なポイントについて、それぞれご紹介させていただきました。

最終回の本稿では、細々とした運用TIPSをザッとご紹介させていただく形で締めようかと思います。

PJメンバー以外も積極的に巻き込んでいく。

まずは、これです。社内プロジェクトとひと口に言っても、取り組む内容によって、どんなメンバーを何人アサインするかなどベストな体制は異なるものだと思いますが、実際にプロジェクトが動き始めた後は、PJメンバーを軸に進めつつも、クローズドな運営になりすぎないよう意識すべきです。

プロジェクトで準備したり企画したことは、大体の場合、PJメンバー以外の現場社員の方々に影響の大きい内容だったり、PJで決めたことを日々の業務の中で実践してもらわなければいけなかったりするものです。つまりは、PJを成功させるためには、PJメンバー以外の人たちの協力や理解が必要不可欠ということです。

そのため、プロジェクト自体を周りの人たちから「応援してもらえるような取組み」に仕立てていくことが大切になります。

応援してもらうためには、定期的に進捗状況を発信したり、アンケートやアドバイスを募ったり、具体的ななにかを手伝ってもらったりと、PJメンバー外の人たちにも、少しでも社内プロジェクトのことを「自分ごと」に感じてもらう工夫をしていきましょう。

キックオフ段階で、細かくマイルストンを固める。特にスケジュール!

前の記事でも触れましたが、社内プロジェクトはそれぞれのメンバーの自部署での本業に【+α】のタスクとして取り組んでもらうことが多いので、うまく運営しないと、優先順位が下がりがちです。

社内プロジェクトが一度「なぁなぁ」な運営状況に陥ってしまった場合、これを途中から立て直すことは至難の業です。想定以上にめっちゃ工数と手間がかかります。

それぞれのメンバーに過負荷をかけないようにしつつ、滞りなくプロジェクトを完遂するために、とにかくキックオフ直後に取組みの全体マイルストンを固めきるようにしてください。その際、タスク毎に「期限」と「担当者アサイン」まで明確化して、具体的なスケジュールまで立てておくことをオススメします。

ここをフワッとさせておくと、後々になって、「あれ?これって誰がやるんだっけ?」とか「これってそろそろ納期まずくない?」みたいなやり取りが必ず発生し、結局、誰かがそのビハインドを取り戻すために、オーバーワークすることになります。こうなってしまうと、社内を良くするためにやっている社内プロジェクトがかえってメンバーの不満につながってしまう、なんていう本末転倒かつ悲しい末路を辿ることにもなりかねません。

あとから計画自体が変更になったり、手戻りが発生しまっていいとある程度割り切ってしまっていいので、キックオフMTGかその前後の定例会議などで、早いうちにプロジェクトのマイルストンは全員で詰めきるようにしましょう。

リスケを避ける。

これは主にプロジェクト会議の出欠に関してですが、定例MTG実施の際に、「別件があるので今回は欠席します」みたいなやり取りが増えてきて、メンバーの誰かしらが不在となることが常態化してきたら、かなりマズイ状況です。早急に会議体を見直すか、そもそもの実施頻度を減らすなどの打ち手を取ってください。

こういう意識は連鎖するので、「参加しなくても問題なさそう」みたいな感覚が一部にでも生まれ始めると、プロジェクト全体がシラけモードになるのも時間の問題です。

それぞれが貴重な時間を捻出して集まって取り組んでいるという意識を、プロジェクトメンバー全体に浸透できるようなファシリテーションを心がけてください。プロジェクトリーダーが頻繁にリスケするのが一番最悪のケースなので、上記したマイルストンを固める際には、そもそも無理のない、持続可能な計画やスケジューリングになっているかも確認しておくと良いと思います。

期間を区切ってメンバーを「代がわり」する。

これもプロジェクトの取組み内容によってマチマチなのですが、定期的にプロジェクトメンバーの「入れ替え」ができそうかは想定しておくのがオススメです。

PJメンバーの代がわりが可能であれば、1人1人のメンバーに短期決戦でプロジェクトに取り組んでもらえるようになるので、目標や計画をより具体化しやすくなりますし、プロジェクトに対しての息切れを避けることができます。加えて、部署を横断してのコミュニケーションのキッカケをより広い範囲で作ることができたり、PJメンバー外の巻き込みもやりやすくなります。

基本的には、期間を区切って代がわりを定期的に行った方が運営上は絶対良いと思うのですが、1点だけデメリットもあって、これまでの取組みやアクションに対しての「引き継ぎ」の難易度は上がってしまいます。「引き継ぎ」をミスると、施策が単発になったり、何回も同じようなやり取りをして効率がすごく悪くなったりと、代がわりの副作用が如実にあらわれてしまいます。

なので、メンバー間の「引き継ぎ」をあとあとスムーズに進められるように、議事録の管理や情報の集約・整理などを、キックオフ段階から手を抜かず細かくやっておきましょう。

こういうのは初動が大事で、取組み初期にキッチリ流れを作っておくと、それが「当たり前」の状況や習慣となっていくので、初期の準備工程に少し手間がかかっても、結果的には無駄な工数の大幅削減につながります。

「楽しむ気持ち」を大切にする。

これが最後になりますが、なんだかんだでこの「楽しむ気持ちを大切にする」ことが一番大事かもしれません。「やらされ感」で蔓延した社内プロジェクトは、ほとんどうまくいかないと思います。

僕はこれまでの実体験から、仕掛けている側がワクワクしながら準備したものの方が、受け手に響く打率は高くなると思っています。なので、チーム全体がプロジェクト自体を楽しめるような雰囲気作りや環境作りは、取組みの成否に直結します。

社内プロジェクトに従事するメンバーが、どう見ても大変そうな様子だとしたら、他のメンバーは「自分の番が回ってきたら嫌だなぁ」とか感じるようになっていくものです。こうなってしまっては、継続的・持続的に社内プロジェクトを運用していくことは難しくなります。

会社や組織を良くしたり、一緒に働くメンバーに楽しんでもらったり、喜んでもらったりするためのアクションを、能動的に取っていけるチームは絶対に強いです。一人でも多くのメンバーが、こういったアクションを自分から取っていける環境やカルチャーを作っていくためにも、まずは、やっている当人たちが楽しそうにしている状況を生むことが大切です。

局面局面でそうも言ってられない場面が出てくるとは思いますが、プロジェクト全体に「楽しむ気持ちを忘れない」ようにする意識を持たせられるかは、PJリーダーの手腕に大きく左右されます。社内にポジティブな連鎖を作っていくために、リーダー本人が「楽しむ気持ち」を大切に考えてプロジェクトに向き合ってもらえたらなと思います。

最後に。

全3回と長くなってしまいましたが、社内プロジェクト運営の要点を僕なりにまとめさせていただきました。こうやって書いてみると、ほとんどのことが、普段の業務でも大事になってくるポイントと同じですね。

アウトプットの提供先が、ユーザーや顧客ではなく、身内である社内のメンバーになるだけなので、改めて考えてみると「そりゃそう」なんですが、こういった身内に対しての「価値提供」にも手を抜かずに、大いにサービス精神をもって取り組めるような組織作りを心がけたいものです。

以上、少しでもご参考としていける部分がありましたら、幸いです!次回以降のnote記事でも、どうぞよろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?