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Music and Math 音楽と数学

音楽の数学の関係とは?昨年ロンドンで「バッハと数学」がテーマのコンサートを観た。 講演者は、あのスティーブンホーキングの教え子だったという数学者。
バロックの音楽様式には様々なパターンやルールがあるが、それを数学的に分析してみるという、凡人の頭脳では理解しきれないが、コンセプトとしてはとても興味深い内容だった。
コンサートでは、数学の問題を解くように奏者が解く「謎カノン」の話、主旋律が繰り返されつつスパイラルのようにオクターブが上がっていくMusical Offering(音楽の捧げもの)や、カノンの応用バージョン、クラブカノンが実演された。カノンのクラブバージョンで客席がダンスフロアに…ではなく、蟹=crabのほうのクラブ。主旋律のフレーズの全ての音符を逆再生にした旋律が同時に演奏されるという、これも謎解きのような技法。

コンサートを聴いていて、偶然にも、翻訳学の大学院で書いた卒論の内容とぴったり当てはまる部分があった。それは、「反復」=repetition。
2つ(以上)の旋律が追いかけるように繰り返されるのがカノンだが、実は言語のルーツや、幼児の言語学習の研究を辿ってみると、全ては反復から始まると言っても過言ではない。繰り返し流れるメロディーが頭から離れないのと同じで、言語も反復することで記憶に刻まれていく。
通訳や言語の勉強は、一見音楽とかけ離れているように思えるが、さらには数学や物理までも、全て大きな繋がりがあるのかもしれない。

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