見出し画像

「海外の話をする空気か」問題

どこか遠くの国に行って自分が変われるなんて、それは大間違い。個性や性格は生まれ持ったもので、どこにいても変わらない。だけど、その個性を引き出すか押しつぶすかは、周りの環境次第。

光栄なことに、今回の帰国中沢山のラジオ番組に呼んでいただき、イギリス生活や新譜のお話など、貴重なプロモーションの機会に恵まれた。色々なタイプの番組でお話させていただいて、1つの疑問が浮かび上がった。それは、どこまで海外の話をするべきか。

考え過ぎかもしれないし、好きなこと話せばいいのかもしれないが、日本では海外の話にすごく興味があるタイプと、全くないタイプと極端に分かれる。どちらかが良いということではなく、そのメディアのターゲット層はどちらか、判断する必要がある。ましてやラジオという公共の電波で、「外国かぶれの親近感が持てないアーティスト」を打ち出したくもない。「東ロンドンのハックニーのスタジオでローラ・マーリンも手がけたプロデューサーとアルバム制作を…」と言っても「?」というリアクションの場合もある。イギリスでの体験よりも、工事現場の絵を描いている、という(親近感を持たれやすい)話題が中心になることもある。

そんなことを考えていて、ふと自分が小学5年生の時、アメリカから帰ってきたばかりの頃を思い出した。帰国子女はいじめられると聞いていたので、なるべく大人しくしていて、英語の授業ではわざとカタカナ発音。そのおかげで消極的すぎると通知表に書かれるまでになってしまった。その個性を取り戻せるようになったのは、高校生になってからのこと。その頃曲作りを始めて、それがデビューのきっかけになったのだ。

新曲"Mirror"のテーマにもある通り、どんな場所や人にも必ず共通点がある。自分を「反射」する何かがある。それが架け橋になって、どんな環境でも、親近感を持てるアーティストになれたらいいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?