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愛と生理

「色々言ったけど、全部忘れても良いから、赤ちゃんをいっぱい抱いてあげてください」

少し前に参加したセミナーで、母乳育児の権威・小児科医の水野克己先生が産前産後の食生活の重要性についてたっぷりお話しされた後で仰った。

人の体は赤ちゃんを抱くと色々うまくいく仕組みになっているのだ。

愛情ホルモンともよばれるオキシトシンはスキンシップなどの心地よい体感覚で分泌が促進され、やすらぎや繋がりを感じさせる。オキシトシンは分娩や母乳分泌、愛着形成に関与する。人は愛情ホルモンのシャワーを浴びながら生まれてきて、愛情ホルモンによって分泌される母乳を飲んで成長する(もちろん母乳中にもオキシトシンは含まれる)。哺乳類は生まれて生き続けること、子孫を残すことに愛が必要とプログラムされていると思うと何か感動しません?

オキシトシンは分泌されるとオキシトシン受容体を刺激し一定レベルまでどんどん産生されるように働くという特徴がある。逆にオキシトシン受容体が欠損したマウスは攻撃的になったり、母性行動の異常がみられる。ヒトの場合、オキシトシン受容体の密度は、生後6カ月から1歳6カ月までの間に、養育者との関係性で決まると言われている。

オキシトシンはスキンシップでも分泌される。オキシトシン使い・助産師の端くれとして、特に子どもが小さい頃は、「愛着形成と基本的信頼感獲得だけは!」と信じてせっせとスキンシップを実践してきた。今でも娘をベッドの中で抱いている時が1日で一番幸せな時間だ。

マインドフルネスで、感情には身体感覚が必ず伴うということを伝えているけど、なぜ身体感覚が伴うかというと、感情は生理的な反応を起こすからだ。感情は生理的なもの。このことを現代人はもっと知っていて良いと思う。

一人目出産後母乳育児が順調に行き始めた位の時、娘の泣き声を聞いただけで、蛇口をひねったようにジャーと母乳が出たことに驚いた。愛はこんなにもはっきりと生理的現象を起こすのか!!その日から授乳時間はオキシトシンセラピータイムと思うことにした。スマホなど見ていたら勿体無い。味わうのよ!

続けるうちに、オキシトシンが出る時の感覚がわかるようになってきた。私の場合は身体の表面がむずむず切ないような感覚。その感覚は、スキンシップや慈悲の瞑想をしている時、美味しいものを食べたとき、大切なことだから言うと勿論セックスの時にも感じる(因みに私はオーガズムを感じにくい女性には、それが全てではないことを前提としつつ、ボディスキャンをおすすめする)。オキシトシンは愛着形成を促すので、例えばDV彼氏に悩む彼女が彼と別れられない原因は、性交時のオキシトシン分泌による愛着形成にもある。愛着形成=情が湧くということだから気をつけて!

ラットにオキシトシンを投与すると、投与されていない同じケージ内のラットのストレスホルモン値も低下する。嗅覚器官を通して作用するらしい。だからストレス抱えている時はオキシトシンがいっぱい出ていそうな人の側でクンクンしよう。助産師に若々しく素敵な人が多いのは出産前後に大量に放出されるオキシトシンを吸ったり、赤ちゃんのお世話をすることで分泌されたりしているからだと思う。助産師は仕事への愛着もとびきり強い。これもオキシトシンによるものかもしれない。臨床を離れ、女性の生涯MAX量のオキシトシンに触れる機会がなくなったのは残念な限り。

感情は生理的なもの。もう一度言ってみる。それを理解し、自分の生理反応に気づいていると、いろんなことが楽になる。ストレスも勿論生理的なものだけど、長くなるのでまた別のところで紹介しよう。

「もっと右脳で育児を」水野先生はこんなことも仰っていた。右脳を使って五感で育児する。そのためにマインドフルネスはとても役にたつと感じている。

妊娠してる人、子育てをしている人、いつか子育てをしたい人、子育てしてないけどストレスフルな人。私と一緒にマインドフルネスをしませんか?

最後に、1月に大阪で開催するマインドフルネスの8週間集中トレーニングクラスのお誘いをしたいと思います。4人集まったら開催しますが、今のところ集まっておりません。興味のある方、ぜひお声がけくださいませ。周りの方にもシェアしていただけたらとても嬉しいです。よろしくお願いいたします。

(マインドフルネスをしなくても、赤ちゃんは抱いてあげてね。)

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ありがとうございます☺️