Constant Gain と Constant Power の違いとは？

「コンスタントゲイン」「コンスタントパワー」「指数フェード」はオーディオ素材間をスムーズに繋げるためのオーディオトランジションの一つです。

今回は特に混同しやすい「コンスタントゲイン」「コンスタントパワー」のトランジションについて、それぞれの意味、効果、注意点、どんな時に使うと効果的か、についてわかりやすく説明しています。

「指数フェード」についても最後に解説しています。

Constant Gain とは？

コンスタントゲインとは

このトランジションは、音量の上昇や下降が一定の速度で行われるのが特徴です。オーディオの変化は直線的に見えるので、BGMのフェードインやフェードアウトに使うと、最も自然に感じられることが多いです。

効果

Constant Gainは、より滑らかなフェードを実現し、フェード感を強調したい場合や、素早い変化を求める場合に有効です。

注意点

音量が一定に保たれるという点で、遷移が自然に感じられない場合があります。特に、音楽やダイアログなど、つなぎ目が重要なオーディオトラックで使用する場合、不自然に聞こえることがあります。クロスフェード中に音量が若干増加する可能性があるため、音量のバランスに注意が必要です。

Constant Power とは？

コンスタントパワーとは

このトランジションは、音量の変化が曲線を描くように設計されており、音量が大きくなる時間が長くなります。

オーディオクリップ間のトランジションでより自然な聞こえ方を実現するために設計されたクロスフェード方法です。この方法では、音量の遷移が滑らかで、聴覚的にもっとも自然に感じられるように調整されます。遷移期間中、音量が徐々に増減し、クリップ間の移行が柔らかくなります。

効果

Constant Powerはより滑らかなフェードを実現し、フェード感を強調したい場合や、素早い変化を求める場合に有効です。Constant Power を使用すると、オーディオクリップ間の遷移が非常に自然に感じられます。音楽や映像作品において、聞き手にストレスを与えずにクリップをつなげたい場合に最適です。

注意点

Constant Power は音量の変化を滑らかにするため、遷移が明確でなくなる可能性があります。そのため、短いクリップや、音量差が大きいクリップの遷移には注意が必要です。

指標フェード とは？

指標フェードとは

このトランジションは、音量の上昇や下降が指数関数的に行われるため、非常に独特なフェード効果を生み出します。

効果

急激な変化を伴うオーディオに適しています。

注意点

単体で使用する場合には使いづらいです。

具体的に、どんな時に使うと効果的？

• Constant Gainは、音量レベルを可能な限り一定に保ちたい場合、または音量の急激な変化を避けたいシナリオで効果的です。例えば、会話やナレーションが含まれるオーディオトラックの編集に適しています。BGMの最後のフェードアウトにも利用できます。

• Constant Powerは、音素材間をより自然な聞こえ方にする場合に適しています。音楽トラックの遷移や、映像作品での背景音楽の切り替えなど、聞き手にストレスを与えずに滑らかな遷移を求める場合に最適です。

• 指標フェードは、特定の効果を意図した場合以外では推奨されません。

まとめ

オーディオ編集において「Constant Gain」と「Constant Power」は、それぞれ使用用途が違いますが、もともと繋ぎ目の遷移をスムーズにするためのものなので、音のプロでないとパッと聞いて、違いを判別するのは難しいでしょう。

簡単におさらいすると、Constant Gain は音量の一貫性を求める場合に、Constant Power はより自然な聞こえ方を求める場合に適しています。

オーディオ編集の際は、これらの違いを理解し、目的に応じて最適なクロスフェード方法を選ぶことが重要なのですが、普通のパソコンのスピーカーでは違いを聞き取れる人は少ないかもしれません。

編集をしていて特に注意しているのは、サウンド間の繋ぎ目などで「プツっ」という音が入るときです。これは素人でも違和感に気づくので、オーディオトランジションをクリップの始まりや終わり、また繋ぎ目に当てて自然に聞こえるように調整する必要があります。

私はより自然に聞こえるというConstant Powerをトランジションのデフォルトで使っていますが、BGMの最後のフェードアウトにConstant Gainを指定してくる人もいるので、TPOに合わせて対応するがベストです。