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アンセットシス福知山公演備忘録

初めに

アンセットシス:作曲家・ピアニストの山中惇史さんと高橋優介さんによるピアノ・デュオ。ピアノ鍵盤88(鍵)×2=176  176を仏語読みしたデュオ名です。
(既知の方やファンの方には当たり前情報で失礼しました)

 第一部のクラシック、モーツァルト:2台のピアノのためのソナタより第一楽章から始まりました。のだめと千秋先輩が弾かれてたアレです、一気に多幸感溢れる。
2台ピアノだから当たり前のことですがお互いが離れているのにアインザッツが揃っていてその瞬間を目と耳で実感できて嬉しかったです。
(昨年12月から行きたかったピアノコンサート3件を自分起因ではない諸事情で向かうことが出来ず、お祓いしたいとぼやいていたのがすっかり浄化されました🙏)

 2曲目はレスピーギ(アンセットシス編曲):ローマの祭り、1.チルチェンセス | Circus Games、2.50年祭 II The Jubilee、3.10月祭 III The October Festival、4.主顕祭 IV The Epiphany。

演奏前に山中さんが曲についての解説(?)朗読を、それに高橋さんが音を入れて下さって情景が思い浮かべやすい。これは今回初の試みだったそうです。不勉強でタイトルだけでは何をテーマとしているのかわからない状態からすーっと入り込めてよかったです。
(ちょっと違うけど動物の謝肉祭のナレーション有りを聴かれたことある方、そんな感じです。伝われー)
 
重厚感があるけど単に重々しいのではなくお祭りの華やかさもある、2台だからこそできるアレンジと演奏。同じピアノを同じ人が演奏しているのにタッチの違いでこんなに音が違うんだなとプロの一音に適当な打鍵がないことを噛み締めながら拝聴しました。

 話は脱線するのですが、コンサートだとこの部分好き!このアレンジいいよね、打鍵が!音の減衰が!とその瞬間に口に出せないのが辛いところ。
配信だと湧き上がった気持ちをチャット欄やSNSで呟いて気持ちを共有できるのにと思うけど、生で聴く演奏は耳だけでなく身体全体で音を感じられるからやはり良いですね。

 15分ほどの休憩をはさみ、第二部はエルガー(高橋優介編曲):愛の挨拶、チャイコフスキー(アンセットシス編曲):バレエ音楽『くるみ割り人形』より 金平糖の踊り、行進曲、花のワルツ。

noteに感想を書くからには自分の気持ちを少しは分析しなければと思っていたのですが、愛のワルツのアレンジ好きです。何がどこがは説明できないけどあの場で好きだと思いました、はい。
 
 その後、J・ウィリアムズの名曲たち。J.ウィリアムズ(山中惇史編曲):映画『ハリー・ポッター」シリーズより ハリーの不思議な世界、ヘドウィグのテーマ、映画『スターウォーズ』より メインテーマ。

ピアノだけで細やかな音まで演奏されているし、山中さんのグリサンドが手の動きも音も動く歩道のような滑らかさだった。(例えがおかしい、でも伝われー)

 アンコールはルロイ・アンダーソン連弾メドレーでした。The waltzing catではピアノから猫が鳴いてたし、タイプライターもシンコペイテッド・クロックも小学校の時に使われてた曲なので遥か昔を思い出せました。

それまでは「やっぱりピアノが2台だとできる幅が違う。」「2台だと音に厚みがあるしこんなに優しく包み込まれるようなのは至福のひととき」と心酔していたのに、1台のピアノで演奏される連弾が始まった瞬間に「阿吽の呼吸で合わせる連弾もやっぱり良いな」「このメドレーは楽しすぎる」と身体が動きそうになる。きっと他の方も楽しかったはず。
 
 ダブルアンコールは再び2台ピアノでR.ロジャース(アンセットシス編曲):映画「サウンド・オブ・ミュージック」より『Edelweiss』。曲紹介される時に、有名な曲ですとだけ高橋さんがおっしゃられたので、知らなかったらどうしようとちょっとドキドキしたけど、大丈夫だった。よかった。
 
 トークはとてもふんわり&キレのあるお話でした。ファンからカワイイと言われるとのこと…よく分かりますw

 音の減衰をしっかり聴ける位置で嬉しい、ピアノの響板って大事、身体の使い方がピアニスト様それぞれ違うなぁとこれまで拝聴したコンサートのことを少し思い出しながら、個人的には福知山市厚生会館のピアノの音はまろやかで、音に包まれた時間は幸せでした。

今回は前方上手側に座ったのでよく聴こえていたからかよく聴く安心のYAMAHAだからかセコンドのピアノの響きが好みでした。(プリモはD-274STEINWAY&SONS)

プリモ、セコンドの音がそれぞれ絶妙でどちらかが強すぎる主張で響かせるようなことがなくて心地よかったです。
(前方すぎる位置に座ったから?演奏を専門的に聴かせるホールではなかったから?響板のビリつきがたまに聞こえたのですが…主催者様がおっしゃるように第二部で場所を変えてもよかったのかもしれない。)

 演奏会を聴くマナーがなかなかアレで時々邪念が浮かんでしまったけど、クラシックを自由席で拝聴できたのは面白かったです。

余談
山中さん、お料理がとても上手でピアノとは別のお料理Instagramアカウント開設されてます。
もうとんでもなく美味しそう。そして美しい。

あと、以前ピティナ特級セミファイナルで邦人新曲課題曲として「翡翠(かわせみ)の時」という曲を提供されていたのですが、進藤さんの演奏が印象的で覚えていたので置いておきます。


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