(仮)ファイターズ が青春なのか、青春がファイターズ なのか。甲子園の星が札幌ドームに瞬く時。吉田輝星デビュー!あなたは目撃しましたか?

文春オンラインー文春野球フレッシュ・オールスター応募落選作発表 その3

2019 6/12 交流戦 北海道日本ハム対広島東洋カープ 第二戦。吉田輝星初登板。まだ早いとか見切り発射とか、低迷する札幌ドームの集客数を上げるためとか、様々な憶測や否定的な言葉が飛び交う中、マウンドに登り、見事に期待に応えてみせた。5回1失点 被安打4 奪三振4 初登板初勝利を上げる。投球数の80%がストレートだったと報じられた。

18歳、一眼で腰を抜かすほどの美少年。でも全体のフォルムは昭和の男の子のみたいな?くまちゃんみたいな?わんこみたいな? そして、凄い球を投げる。言わずと知れた夏の甲子園準優勝ー秋田金足農業高校出身ー全国的なスーパーアイドルが、わたしたちの近い将来のエース吉田輝星としてお披露目された日。

相手はセ・リーグ3連覇中、広島カープ。しかも本物のエース大瀬良大地との投げ合い。全く未知数のルーキーを当てるには客観的に勝算は低く、通用しなかったとしても「まあ今のところは仕方ないよな、強いカープなんだから」と、むしろ傷が大きくならないような状況が、選ばれていた。

でも結果は逆だった。あの強いカープを抑えた。あの大瀬良に投げ勝った。やっぱり凄いんじゃん!?吉田輝星って!? と全国のみなさんに、伝えられたことでしょう。

実際は、大瀬良くんは8回2失点(自責点は1)の完投負けで、素晴らしいエースの投球。5回までだった輝星くんとは比べられない。投げ勝ったのは、登板したファイターズ 投手陣ー井口、公文、ロドリゲス、石川直、全員のことでした。

素晴らしきリレー!みんな輝星くんの勝ちを消したら何言われるかわからないもんね。必死のパッチやったね…。いやーしびれたね。しびれた。しびれすぎて、試合終わったら即寝落ちしちゃったくらい…テレビで応援してただけなのに。

何しろ捕手が石川亮だったし(いやえーと否定の意味でなく、ただわたしの大好きな亮たんだから!ていうだけの意味なんですけどね。)バッテリーを誰と組むのか予想がつかなかった。ベテランの鶴岡さんなのか、打撃好調の清水優心なのか。選ばれたのは3番目の捕手、石川亮だった。鎌ヶ谷で何度か受けているからなのかと思ったら、紅白戦で一回だけだったという。本当の抜擢だった。

さぞかし緊張したと思う。輝星くんは、もちろん緊張もするだろうけど、一生懸命投げればいいだけだから。責任は、投げさせる方にある栗山英樹、なんですけど。現場の責任を一身に背負うのは、キャッチャーだもん。この場合!

石川亮、普段はちゃめな可愛い亮たんに見える。が、この日は大人のお兄さんに見えた。きりりと張りつめた表情、いつも以上に瞬きしない、見開かれた瞳(石川捕手、瞬きが少ないんですよね。)回が終われば、ベンチで輝星くんと話し続ける、その様子。

9回表、石川兄弟ー直也&亮のバッテリー。2死2塁1塁ーバッター會澤翼の土壇場劇場。決め球は、鋭く落ちるフォークボール。先だって5/17の千葉マリン。有原航平とのバッテリーで後逸し失点、鎌ヶ谷に戻された二の舞は絶対にしないぞ。体を張り続ける、強い意志を見せた。試合終了。

正座してテレビの前で必死の応援していた、おばちゃん、手が震えました。
3割バッター近藤健介を体調不良で欠き、後ろを守る野手陣も、ファースト清宮、セカンド渡邊諒、ショート石井一成、サード平沼翔太といささかもいささか。不安な布陣だった。ふつーは、若い投手が投げるのだからと守備で援護しようと固い布陣にするよね…。

しかしながら、こういう時ー一種の賭けに出る時ー必ずや普通にある想像を蹴破り極端なことを仕掛けてくるのが、栗山英樹という男。賭けに勝つ時もあれば負ける時もあるけれど。この日のゲームは、勝った。

最後のバッター、會澤翼の打球は、強く三塁線を抜けようとした。飛びついて止めたのは、サード平沼翔太。春の甲子園優勝投手。

わたしたちのファイターズ 。北の大天空に瞬き、輝く星は、一つではない。マロンでロマンな野球の青春物語に、当分終わる気配はない。


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