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分からなくていい|「あ、共感とかじゃなくて。」展にいって。

ありすぎても
なさすぎても
生きにくいのが共感。

駅に貼ってあるポスターに目がとまり
ずっと気になっていたので
いってきました。

東京都現代美術館へ

ポスターみたいな空
ポスターよりもグレーな空

絶妙なタイトル
「あ、共感とかじゃなくて。」

思わず言ってしまうのはどんな時?

分かるーと言ったら
いやそんな簡単なことじゃないんだけど
みたいな表情をされた時

いいでしょ!と無意識に
共感を求めてたなと気づいた時

考え過ぎるとコミュニケーション
とれなくなってしまうけど、

無理に共感しなくていい
共感より大切なことあるよー

というのがこの展覧会の
大きなメッセージだと思っている。

作品を見る時には、共感できるかどうか、
好きか嫌いかを急いで決めてしまおうとせず、
その相手がどんな人なのか、何を思っているのか、
時間をかけて考えてみてください。

入口横の案内文、一部抜粋

分かるー
いいねー

がゴールなのではなく
大切なのは
相手を想像すること。

理解できなくても
自分とは違うなと感じても

いろいろ想像してみて
その先に何かを感じられればいい。

なるほどー

それをふまえた上で会場をまわる。
(本展示会は全エリア撮影OK)

特に印象に残った作品はこちら。

■架空の仕事を想像する

謎の仕事をしている人の
映像作品を見るコーナー

4-5分の映像作品を見るけど
まぁこれが分からない。

男性が
望遠鏡をのぞいたり
何かを必死に数えていたり
拡声器を持って走り回ったり..

でたらめに創られた訳ではなく、
作者がつくった設定の中では
意味もつながりもあるものだ。

ただ
自分の常識内では、
自分の想像の範囲内では

・何でこんなことしてるの?
・誰のため?
・何の仕事?
・何につながるの?

など見いだすことができなかった。
たぶん隣で見てた人も。

「すぐには分からないことを
想像しつづける体験をする」
がコンセプト
だから
当然といえば当然だけど、

想像しても想像しても
分からない..が続くと
モヤモヤしてきて
もういいやとなっていく。

人はこうやって諦めていくのか
なんてことも思ったり。

仕事については
理解はできなかったけど、

この人はやりがいもって
仕事してるんだろうなーとか
家に帰ったらビール飲むんだろうなーとか
想像できることはたくさんあった。

真意は不明。それでいい。

この作品を見て思ったこと。

人って案外
"想像しつづけること"してないかも
ということ。

直感的に分からいな..と感じたら
すぐにシャッターを閉じてたり、

直感的に分かるーと感じたら
分かったつもりになって
こんな感じと自分の価値観で
無意識に決めつけてたり。

分からなくても
ちょっとだけ分かっても

こんな気持ちかなー
知りたいなー
あれこれいろいろと想像することが
大切なんだろうなと思う。

■同じ月を見た日

こちらもインパクトある作品。

元ひきこもりだったという渡辺篤氏が
孤立している人の存在を多くの人に
想像してもらおうと表現したもの。

寝そべって月を眺めることができる
同じ日に各地で撮影された月の写真が並ぶ

こちらのパネルは
全国各地、孤独を感じてる人から
送られてきた月の写真。

住んでる所や境遇は違っても
見ているものは同じで、
月を眺めることで誰かとつながれる。

会ったことある人
会ったことない人
一方的に知ってる人
関わったことない人

月の写真を見ただけでは
どんな気持ちで撮影したものなのか
分からないけど、

答えがないものを
想いつづけてみる面白さ
って
あるんだなーなんて思ったり。

たやすく共感はできないけど
想像するって大切だよねー
そんな気付きがえられる展覧会。

ご興味ある方はぜひ。

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