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自分の結婚式で「マイ・ウェイ」を演奏した男性

新郎の演出

 私が音楽教室でサックスを習っていた頃。推定30代の男性が、自分の好きな1曲を吹けるようになる為の短期講座で、ある曲を熱心に練習していました。

 この曲、どこかで聴いた覚えがある。昔のジャズのスタンダードナンバーだったような…。私は少し考えて思い出しました。

 フランク・シナトラの歌唱で有名な「マイ・ウェイ」。

 後半の盛り上がりが劇的で良い選曲だと思いましたが、年齢のわりに渋い選曲。どうしてその曲を選んだのだろうかと少し気になったのですが、人づてに聞いたところによると、自分の結婚式で演奏したいのだとか。

 なるほど、それは気合も入るはずだ。その時はそう思いました。

「人生の終幕を前にして振り返る」

 「マイ・ウェイ」か。彼は自分の道を見つけたということなのだろう。良い話ではないか。そんな風に思いながらも、「マイ・ウェイ」はどんな歌詞なのか正確に知っているわけではないので、インターネットで検索して調べてみました。

 これは…。「人生の終幕」が近づいた人が自分の人生を振り返り、「私は自分の道(人生)を歩んできたのだ」と達観するような内容ではないですか。

 ……果たして、この選曲で本当に良いのでしょうか?

 この歌詞を理解した上であえてこの曲を自ら演奏したいというなら、もしかしたら本人にとって重大な決意表明なのかも知れません。

 自分の結婚式ではなく友人の結婚式で演奏したら怒られるかも知れませんが。

 彼はその後、どのように暮らしているのでしょうか。

生きることは冷めない夢の中に

 同じようなテーマの曲としては、私は「Blue」の方が好きです。自分の人生が終わる瞬間に脳内で流れること間違いなし。