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152.ダンスにおける熱量の誤差

先日うちのお教室のエリ先生と『母になってもダンスを続けること』について飲みながら語る機会がありました。

子供がいると本気で作品作りに向き合えないんじゃないか、母になったらダンスってできなくなっちゃうものなのかというような話。
これは私たち2人の共通の経験から、エリ先生が感じたことでした。

私はダンスやってた人はみんな母になったって本当はダンスやりたいんだ!でも生活の中身がそれだけじゃなくなるから、ダンス主催する側の歩みよりも大切なんだ!だって無理なところはどう頑張っても無理なんだもん!って熱弁したんですよ。

私がそうだったから。
子供いたって踊りたいし、舞台に立つなら中途半端なものだしたくないし。でも子供のお迎えやご飯はあるし、お稽古ばっかりするわけにもいかないし。
でも本当は昔みたいにがっつり向き合いたい!舞踊公演だってショーケースだって本気で出たいんや!!!モヤモヤしとるんや!!!と。

でもね、何日かずーっとそのことについて考えていたのですが、なんか違うなと。
 

全員が部活の時のように作品に全力で向き合って良い作品にしよう!!って必死になりたいかっていうとそうじゃないということに気が付きました。
圧倒的に、みんなただ楽しくやりたい。ちょっと練習はしたい、でも別に人前には出なくても良いって言う人の方が多いし、もう部活レベルで作品に向かい合うとかはしなくていいって思ってたりするんですね。


今もうちでダンスやってくれてるダンス部の同級生にエリの振り付けでモダンの作品で舞台出ようよ!って言った時に『えー、モダンとかもう無理だよ〜』って即答されて、あれ?そうなの?ってちょっと驚いたところから。

舞台が用意されてて、振り付けも作ってもらえて、稽古も割と主婦寄りに歩み寄ってもらえたとしても、別に飛びつくほど踊りたいわけじゃないんだ!ってちょっとカルチャーショック的なものがありました。

それが悪いとかでは全くなくて。
結婚したり子供を産んだり、自分以外の誰かがいる生活の中でダンスより大切なものができて価値観も変わるし、子供育てるってやっぱりものすごく大変だし自分の思う通りに動けない!そんな中でダンスにガッツリ向き合えってキツいわー、ダンスやりたいけどそこまでエネルギーないわーってなるよね。なるなる。作品について話し合う時間、ほかってきた家事気になるわーってなるよね。わかるわかる。

それにダンス部卒の仲間たちに関して言えば、高校で3年間毎日毎日朝から晩までダンス漬けの日々送ってきたんだから、もういいなって満足してる子だってたくさんいるよなと。

もちろん子供がいてもバリバリステージで活躍される方もたくさんいらっしゃるけど、それはそれでたまたまその人の価値観と環境と才能であって。


じゃあ母はダンスできないのか?
母もダンスはできると思います、私は。

子供がいても舞台に出たい人は多分すでにもうなんらかのアクションはしている。と思う。習い事かもしれないし、地元のダンスサークルかもしれないし、ワークショップをうけたりカンパニーに入ったり、個人で続けてる人もいるでしょう。

ちょっと離れてたけど機会があって久々にダンスやってみようと思った、でもやっぱり子育てしながらじゃお稽古についていけなかったから迷惑かけるしやめるねっていうのも、たまたま主催とその人の熱量に差があっただけの話で誰も悪くなかったと思うのです。
練習これる日だけ参加して、楽しく舞台に出演しようよ!みたいな感じの主催だったらもしかしたら最後までやり遂げたかもしれないし、それでも離脱したかもわかんない!
二年後に同じ主催と同じコンセプトでやったらうまくいくかもしれない。

昔、公務員になってダンスから全く離れていた頃にダンスやってる人から『環境も才能だから』といわれて『じゃあ今ダンスやりたくてもできない私はダンスの才能ないってことですね!』ってブチ切れてその場から走り去った事があるんですけど笑
真意は全く違ったし、今なら、いや本当に環境も才能ですよね!!!って首がちぎれるほど頷ける言葉なのですが。

当時の私よ、そんなにやりたいならまずダンススタジオ入ったら良かったし、ワークショップだってたくさんあったのに。
自分が大学進学してダンス部に入れなかったっていう悔しさから、そのルートから外れた私にはもうダンスできないんだって勝手に思っての誤解釈、ブチ切れのち走り去り笑
どんだけ拗ねてたのよと。
でも当時の私にはコンクールに出続けたかったし、私も大学でもダンスを続けて、体育の先生になってどこかの学校でダンス部の顧問やるんだ!!という夢があったのでそれを断ち切られてしまったことは絶望でしかなかったんですね。この話は長いので別の機会にでも。


話は戻りますが、じゃあ私たちのように今もダンスを続けている人間が、過去の私のようなダンスやりたいと思ってるのにうまくいかない人たちにできることは何かって言うと、その機会を作ることかなって。

中には本格的な舞台でガッツリと踊りたい人もいるし(私はこれ)、ちょっとみんなで集まって体動かしたい、小さいステージなら人前にも出たいって言う人も、レッスンだけ受けたいって人もいる。ダンスやったことなかったけど、大人になってから挑戦したいって人もいるでしょう(素晴らしいことですよね!そんな素敵な方はぜひうちの大人クラスにウェルカム!リモートレッスンもあるよ!)


エリ先生は本格的な公演の機会を10年前の私にくれました。久々の舞台はすごく楽しかったし、多分エリちゃんの本当に目指すところまで踊り込めなかったと思うけどそれでも最後まで見捨てずに、くすぶって拗ねてた私を照明の下に引きずり戻してくれたエリ先生には感謝しています。(ガッツリ踊り込むとか言いながら、馬をかぶって踊ったんですよ私たち。伝説の馬の誕生の瞬間でした。)


久々の舞台に立ってみて、ダンスってやっぱり楽しいから、もっとライトに動けるところを作ろうと思って大人クラスを始めました。

その人たちの熱量が上がってきたので、大会に出場してみたり、子供達の発表会のステージに立ってみたりしましたし、なんならまだまた進化しています。次はYouTubeデビューかと言う話まで笑

こうやってダンスをやりたい人が自分の熱量に応じてダンスをやれる場所と、どこでやるかの選択肢を増やしていく事が、多分私やエリ先生の目指しているところなんじゃないかなと言うところに行き着いたのですが、

まぁエリ先生についてはまだ話の途中だったから本当に目指すところは知らんけど!!笑
またゆっくり飲みながら続きを語ろうと思います🍻

ところで今年の大人クラスもすごいんですよ…笑
コロナの状況などが許すなら、出来るだけたくさんの方に見て欲しい作品ができました。去年のも良かったんだよねー!

そして大人クラスでたくさん作品を作って、いずれ作品集をまとめて映像化、もしくは公演を打つのが私の密かな夢です。
大人クラスの生徒さん方にはまだまだ末長くお付き合い頂かなくては、ふふふ。

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