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#5 Rigelのこれからの話 vol.1

クラウドファンディングは〆切まであと数日。佳境となりました。

これまでの記事で、今日までの経緯をお伝えしてきましたが、これからの話をあんまりしていなかったな、と気づきました。ついつい過去に引きずられ現実に追われてしまうのが私の悪いところですが、たまには未来を向く明るい話もしなければ。

私がRigelを引き受けようと決めた理由のひとつに、助成金申請のお手伝いをした関係で、順子さんからこれからどんなことをやっていきたいかを聞いていたから、というのは#1で書いたとおりです。

自分で立ち上げたお店ならある程度は自由に気まぐれにやることも許されますが(ホントか?)、他の人、まして故人の意思を継ぐとなれば、いったいどんなことを考えていたのかを、完璧ではないしてもおおよそ汲み取れる自信がなければ、なにかを決めるたびに答えのない不安がつきまといます。(まぁ順子さんは細かいことにあーだこーだ言わない人なので大丈夫とは思ってますけど笑)

Rigelのミッションは大きく2つ、

1:ジュエリー作家の自立を支援する
2:ジュエリーの産地としての甲府の活性化

です。

それぞれを説明する前に、まずは甲府とジュエリーの関係と、Rigelの仕組みをお伝えする必要がありそうです。(結局なかなか未来の話ができないー)

甲府はもともと水晶がとれたことから、宝石加工の技術が育ち、水晶をとらなくなった現在でも宝石(ジュエリー)の産地として世界で評価されています。そこには、宝石の流通、加工技術、宝石以外の地金などの流通、職人の育成環境も含まれます。実際に、日本で唯一の宝石加工の専門学校があったり、約1000社の関連業社があったり。甲府の町を車で走っているとあちこちに関連業社のオフィスを見かけますし、地元の方とお話ししていると就職先がジュエリー関連の会社だったりすることもよくあります。

となると、当然ジュエリーの世界に携わりたい方が集まってきます。県外から専門学校に入学する人や、甲府に来たことをきっかけに興味をもつ方など。そういった方々は、専門学校や関連業社でデザイナーや職人として経験を積み、なかには師匠となる方に指導を仰ぎながら、少しづつ自分の作品をデザインしたり、デザイナーから依頼を受けて加工技術を提供するようになります。最初のうちは、自分の作品を流通させるルートをもたないので、例えばマルシェに出店したり、知り合いのイベントに参加したり。オンラインショップを立ち上げるケースもあるようです。

今現在Rigelに参加してくれている面々も、Rigelという場ができる前は、マルシェや個人の人脈を駆使して活動をしていたようです。順子さんもしかり。

ただ、やはり安定的に商品を取り扱う場所があるというのは、商売をする上で重要です。「あそこに行けば買える」「いつでも相談や修理依頼ができる」というのは顧客にとって安心感になりますし、販売する側にとっても安定して販売できる環境があるのはいろんな意味で落ち着きます。なによりリピーターのお客様と接点を築けるというメリットがあります。(もちろんマルシェやイベントにもそれぞれの利点がありますよ)

とはいえ、常設の環境をもつことは簡単ではありません。小売店に買取や委託で取り扱ってもらうのは簡単ではありませんし、まして自分自身の店をもつなんて金銭的な負担が大きい。それを解消するための仕組みがRigelです。

委託料は毎月固定で棚のスペースに応じて設定しています。一定程度の売上を確保できればそれ以上先は、基本的には本人の収入になります。(正確に言うと、売上が一定額を超えると売上連動で委託料をわずかに上乗せさせてもらっています)

店頭に立つのは基本的には商品を置いている作家やデザイナー本人。直接自分で接客することでオーダーメイドや修理の依頼を受け付けたり、顧客ニーズをさぐったりすることができます。SNSでの発信なども本人たちがやっています。

店を経営する私の立場からすると、委託料を100%売上連動ではなく固定にすることで、最低限の運営費を確保できます。また店の運営でもっとも負担になる人件費をかけずに済みます。言ってみれば超ローリスクローリターン。

ちなみに順子さんの場合は、経営者でありながら、自身も参加している作家のひとりという位置付け。経営者としてはいくら頑張っても「ローリターン」どころか「ノーリターン」でしたが、店の活性化は自分の売上にも間接的には影響するので...ということで折り合いをつけていたようですが、私の場合は、さすがに「ノーリターン」にはならないようにしたものの、それでも「超ローリターン」で、「さすがにローリターンすぎるんじゃないか」というご意見は多々友人たちからいただいていますが(笑)そこはまぁお金以外のメリットというのもあるので、自分のなかでは折り合いをつけてます。

そんな状態なので、未来の話もなにも現状維持で精一杯じゃないか、というご指摘はあろうかと思うのですが、それでもお金儲けだけが商売の目的ではありませんから。vol.2でミッションの中身を具体的にお伝えします。

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