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弱小サッカー部で良かったのです!(中編)

息子が中学校へ入学し、サッカーを続けるとなると、まず「部活動」or「クラブチーム」を選択することになります。
ちなみに、入学する中学校のサッカー部が強くないことは親子とも知っていました。
 
彼「サッカー選手になりたいから、クラブチームに入ろうと思う」
私「中学入学して早々、将来の夢があふれているときに申し訳ないんやけど、Jリーガーになれるのはほんの僅かやねん。『フルピッチゲームクラス』に上手な子がたくさんいたやろ。その中でも一人いるかいないかやねん。それに我が家は、クラブチームに通うお金の余裕がないねん」
彼「サッカー部にする」
 
このように晴れて、親子の意見が一致(?)し、サッカー部へ入部することに決まりました。
 
ここで少し真面目な考察をしますと、
①金銭面について
相場は分かりませんが、クラブチームには月謝がかかると思います。
また、本人が学校から帰ったのちに練習場へ通う時間、親が送り迎えにかける労力を考えると結構な金額に換算されそうでした。
 
②プロサッカー選手になれるのは極めて僅かだから
ツエーゲン金沢U18(ユースチーム)でさえ、Jリーガーを輩出した実績は、今のところ極めて僅かです。プロになることを目的とするならば、クラブチームへ入ることはやめた方が良いと思いました。
 
③どちらでもサッカーが上手くなれるから
(前編)で書きましたように、小学生のとき、彼は楽しく伸び伸びとした環境で、十分サッカーが上達してきました。なので、部活動で気心しれた級友と楽しくサッカーをすることを通して、サッカーは上手くなれる気がしていました。
 
 
こうして、いよいよ入りましたサッカー部へ。
そして実際に、サッカー部は強くありませんでした。いや、むしろ弱い……弱いです。
親のひいき目はありますが、1年生の彼がイチバン上手く見えたのは…これいかに!?
入学した中学校の地域には、小学生の強いサッカークラブがあるはずですが…、みんなクラブチームを選択するのがトレンドなのだと実感しました。
しかし、1年生で唯一人、地域のサッカークラブからサッカー部へ入部した生徒がいました。後ほど書きますが、この生徒は『悪魔の右足』を手にすることになります。
 
そして、初めて観に行きました練習試合。
彼は小学生のときの試合のポジション(ボランチ)ではなく、右サイドハーフ。しかも、後半の途中出場。これまたいかに!?
彼に聞いてみました。
彼「先輩(上級生)が優先して試合に出れるねん。先輩が一人しかいないポジションが右サイドハーフやってん」
なるほど、納得しました。
試合が一番楽しいのは誰でも同じです。
さすが、部活動は学校教育の一環です。
 
ただし、上級生が優先的に出場できることを大前提としながら、チームが機能するように段々とポジションは整えられていきます。
彼は、右サイドハーフからセンターフォワードへ配置転換されました。
 
そうして早や2年生となり、6~7月頃に中学校の部活動で最大の目標・『県大会予選』なるものを迎えます。
 
話は脱線しますが、石川県には星稜中学校や学院大附属中学校のように、その学校のサッカー部へ入ることを目的に入学する学校があります。
これらの中学校を、誠に勝手ながら「セミクラブチーム」と、ここでは呼ばせていただきます。
 
話を本編に戻しまして、シード校の「セミクラブチーム」と違い、弱小中学校の『県大会予選』は過酷です。
1回戦から戦い、シード校との2回戦は同日中です。
そして3回戦(または敗者復活戦)が翌日。
3回戦(または敗者復活戦)を勝ち上がると、県大会出場をかけた大一番がさらに翌日。
夏の甲子園もビックリ!?の過密スケジュールです。
 
彼の中学校は、激闘とジャイアントキリングを続け、三日目の大一番までたどり着けました。
二日間で彼の出場時間は合計200分。
しかし、大一番前のアップ中に彼の足に違和感が発生します。
結局、彼は肉離れで出場できず、試合も負けました。
このとき彼は、誰も自分を責めない仲間たちから得難い経験をさせてもらったと思います。
 
この大会が終わりますと3年生は引退して、受験生と化します。
残った2年生と1年生は全員で9人でした。(サッカー初心者の女子生徒やルールを覚えるのが苦手な生徒を含みます)。
んっ?これは試合自体ができるのか!?
 
最終回(後編)は『弱小サッカー部で良かったのです!』の佳境に入ります。
※注 「乞うご期待」はしませぬように

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