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ワードローブの森の中から(36)「極暖ブーツ」

 2000年代の始め、真冬と言ってもそんなに寒くならないロサンゼルスに住んでいた頃、真冬だからこそ寒い所に行きたくなり、アラスカ旅行に出かけました。
 LAXでアラスカ航空に乗り一路、北極圏の少し南にあるフェアバンクスまで飛び、空港を降りると温泉リゾートの送迎タクシーが待っていてくれました。氷つく道路を時速100キロぐらいで走るので、ひやひやしていましたが、地平線を真横に過ぎゆく橙色の太陽がなんとも幻想的で、やがて車の恐怖心も忘れ、車窓をじっと眺めていました。
 さて、極暖ブーツのお話でした。
 スノーブーツとは異なり、例えばフェアバンクスとか札幌や青森とかの真冬の寒冷地の街を歩くとき、スノーブーツではかさばり歩き難く、極暖ブーツが最適です。ロサンゼルスでは、アラスカン・ブーツという名で販売していた記憶がありますが、それが一般的なのか否かは怪しいところなので、ここでは極暖ブーツとしておきます。
 さて、このブーツ。東京の冬日に履いていると、まったく寒さを感じません。むしろ、昼間の気温が10度だと、足首からつま先まで蒸れそうになります。つまり完璧な防寒・極暖なブーツです。
 高校生の頃の冬場は、バイクを乗り回していたのでワークブーツばかりで、つま先などはかなり寒かった記憶があります。会社員になっても、革靴で冬場の防寒対策は中敷きぐらいで、寒さに堪えて出勤していました。
 さて、アラスカのフェアバンクスです。地元の方の足下を見ると、スノーブーツあり、普通のジョギング・シューズあり……でしたが、何人かはこの極暖ブーツだったのを覚えています。午前11時に日の出、午後3時には日の入りという凍りついた街で、サクッと履けてサクッと脱げて、しかも極暖のブーツは理にかなう履き物でした。
 今冬の東京では、数度しか履いていない極暖ブーツですけれど…ワードローブに二足眠っていますが…お勧めではあります。中嶋雷太

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