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ワードローブの森の中から(49)「Clippersのジャケット」

 写真のジャケットは、ロサンゼルス駐在時の2000年に買い求めたものです。当時(99/00シーズン)は15勝67敗という超弱小バスケットボール・チームでした。ちなみにロサンゼルス・レーカーズは67勝15敗でNBAファイナルで堂々の優勝を勝ちとりました。シャキール・オニールやコービー・ブライアントを配したレーカーズですから強いのも当たり前で、ロサンゼルスの街はレーカーズ一色に染まっていました。
 ところが、判官贔屓の私は、レーカーズより、若い選手が多くて青臭くて、そしてめちゃくちゃ弱いクリッパーズのファンになりました。そして、周囲が金色と紫色(レーカーズのチームカラー)ばかりなので、赤色を基調としたこのジャケットを買い、喜んでいました。
 当時、ハリウッド・スタジオとの交渉仕事が忙しく、たまにヨーロッパ出張も入ったりして、本拠地ステイプルズ・センターにはなかなか行けず、テレビで放送されると、このジャケットを着て心静かに応援したのを覚えています。もちろん勝利を信じていましたが…。
 帰国後、大のバスケットボール・ファンだという知人にこのジャケットを進呈しましたが、今でも、このジャケットを巡る「熱い」ファン魂は、焚き火の後の種火のように残っています。
 今や、八村塁や渡邊雄太がNBAで活躍し、日本でプロ・バスケットボール・リーグが始まり、さらに「SLAM DUNK」が世界的な漫画となり…バスケットボールは知名度がかなり上がり喜んでいますが、2000年ごろ、クリッパーズを静かに応援していたころが、懐かしく感じます。ちなみに、クリッパーズのクリッパーとは高速帆船のことだそうです。
 ワードローブのなかには、ある思い出をしっかり刻んだ衣服があるものですね。中嶋雷太

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