私の身近にいた凄腕プロフェッショナルXさん

0.はじめに

私自身は、社会に何の利益ももたらさない「クズ」である。しかし、私なりに、所属してきた団体に、微力ながら参加してきたおかげで、友人には恵まれてきていると思う。彼ら/彼女らは、いわゆる有名人でなくても、それぞれの世界で活躍している。私からすれば、頭が下がる存在である。

本稿で紹介するXさんは、私の知り合いの中では、割と最近知り合った方である。彼は40代になったばかりで、私より年下なのだが、うまく言えないが風格があり、個人的には一方的に畏敬の念を感じていた。しかし、最近Xさんの肩書を、本人を通じてではないが知る機会があり、そりゃ風格あるよなあ、と納得した限りである。

以下は、Xさんについて、本人の許可なく語る内容になる。それを書き込んで、結局何が言いたいのかと聞かれると、私にもよく分からない。相変わらず、でたらめな人間である。

1.私のサッカー歴を振り返る

私は、大学時代にサークルには参加していなかったが、中高時代の友人と結成したサッカーチームに参加していた。小中野球部、高校帰宅部だったので、ほとんど初めてのサッカー体験であった。しかし、大学を卒業すると、多くのメンバーが忙しくなったり、体力的にきつくなったりで、サッカー活動の方は休眠状態となった。

その結果、私もまた、サッカーからは離れていた。かなり経った頃、近くの体育館でフットサル教室があるのを知り、参加を申し込んだ。参加してみると、何年も参加している方々も少なくなく、レベルの高さに戸惑った。この時、数少ない初参加だったAさんと知り合った。Aさんとともに、レベルの高いメンバーに何とか食らいついていき、次第に何年も参加している、彼ら「ベテラン」の方々とも話すようになった。

しかし、その頃、体育館の改修が決定した。当然、フットサル教室も中断である。メンバーで話し合った結果、一時的にチームを作って活動することに決まった。そして、いわゆる幹事役は、私が仰せつかった。グラウンド探しなどから始めたのだが、みなさんの篤い協力もあり、現在に至っている。中でも、Aさんには、本当にお世話になっている。私は目黒区在住、Aさんは品川区在住である。品川区のグラウンドに関しては、Aさんにお世話になりっぱなしである。

一応活動を始めたチームであるが、特に初期はメンバー集めに苦労した。そのため、みなさんのつてをたどってメンバーを集めて、しのぐことになった。そして、徐々に形になり、現在に至っている。昨日は、なんと35人集まった。感謝である。なぜだか知らないが、当初のチームの年齢層よりかは若い、腕に覚えがあるメンバーがどんどん加わっている。手間味噌だが、かなり多様で充実した顔ぶれだと、個人的には思っている。

2.Xさんとの出会い

脇に逸れた。Xさんは、活動を続ける中で、参加して頂いたメンバーの一人である。参加回数も多いため、今では正式メンバーとして名前を連ねてもらっている。

Xさんは、Aさんのつてで紹介してもらったメンバーである。当時、Aさんの息子さんが、品川区のある小学校でサッカーチームに所属をしていた。Aさんは、そのチームに参加している児童の父兄やコーチ陣と仲が良く、よく大人たちでもフットサルをしていたそうだ。ある時、Aさんに、腕に覚えがあるメンツが揃っているが、品川区のグラウンドでやるときに呼んでいいかと聞かれたので、もちろんお願いした。

実際呼んで参加してもらったが、確かに話に違わぬメンバーが揃っていた。プレーはそれぞれ個性的なのだが、基礎がしっかりしていることは、私にも一目瞭然だった。そして、先ほども述べたが、それ以降、彼らにはかなりの回数参加していただいた。その結果、彼らもまとめて、正式メンバーとして参加してもらうことになった。感謝する限りである。以上が、私とXさんとの出会いである。

3.Xさんの人となり

と言っても、私は、グラウンド以外ではXさんと話したことはほとんどない。当然、人となりについて語る資格はない。「X」さんと呼ぶ大きな理由である。ただ、私が感じたXさんのプレースタイルについてならば、少しは私なりに語れると思っている。Xさんや一緒に加わった方々だけでなく、メンバーの多くが腕利き揃いなので、私は、余裕があるとき(ほとんどないけど)には、彼ら(に限らないけど)のプレーを観察しているからである。

Xさんは、一緒の加わった実力あるメンバーからも一目置かれている雰囲気がある実力者である。美点を挙げればキリがないので、いくつかに絞ってみる。

一番分かりやすいのが、スピードであろうか。もちろん、物理的なスピードもそうなのだが、判断のスピードがとにかく速いのである。フットサルやサッカーにおいて、攻守の切り替えは、一番難しい判断の一つである。私も大変苦手にしており、みなさんからお叱りを受ける頻度が最も多いと言ってよい。私が「切り替えなきゃ」と思っている頃には、Xさんはとっくに次のプレーを始めているのである。この切り替えの早さに関しては、集まっている腕利きのメンバーの中でも群を抜いていると、私は思っている。

私がXさんに勝っているものがあるとすれば、体重くらいである。もっともそれは、太っているだけ、と言った方が正解だが。運悪くXさんの守備になった時は、この体重を活かして(おい!)、少しでも止めようとたくらむのだが、いつも失敗に終わる。私はXさんのスピードに全くついていけず、マンガのようだが、全く身体に触れさせてもらえないのだ。しかも、Xさんは、そのスピードでも、ボールタッチは乱れず正確なので、私はもはやなす術がないのである。

ただ、それ以上に強く感じるのが、判断に無駄が少なく、ミスが少ないということであろうか。うまくは表現できないのだが、Xさんは、こちらの隙を見逃してくれない。そこを確実にえぐってくる。場合によっては、こちらの想像以上の隙すら突いてくる。彼の判断力には、もはや脱帽である。

かなり脇にずれるが、Xさんのカットインからのシュートは、後ろから味方として見ている分には、爽快である。細かい説明は置いておくが、カットインは、ディフェンスとしては、最もやらせてはいけない攻撃である。当然、最大限警戒している。しかし、少しでも隙を見せれば、Xさんは、持ち前のスピード、テクニック、判断力で、ディフェンスはおろか、キーパーすら手玉に取って、空いたコースに確実にシュートしてくるのだから、手に負えない。

もちろん、グラウンド内外で性格が変わる方もいると思う。もっとも、うちのチームにはあまりそういう方は見受けられない。Xさんも同様である。少なくとも私は、グラウンド内で感じているXさんの「凄み」みたいなのを、グラウンド外でも感じている。それが、私がXさんに感じている「雰囲気」を醸し出しているのだろう。

4.いよいよ本論(らしきもの)

そういう意味で、肩書を離れたところでも、私は、Xさんが只物ではないとは思っていた。しかし、先週、チームで開催した飲み会で、Xさんの肩書が判明したのである。Xさんは「その世界では」「予約が取れないと言われる」名前が知られたプロフェッショナルだったのである。

実は、私は、メンバーがどういう肩書を持っているのか、ほとんど知らない。それは、初期から参加しているメンバーであってでもである。幹事役としては、来ていただければ御の字だし、肩書でフットサルをやるわけではないから、むやみに立ち入るのは不要だと考えている。ただ、実生活の話になって、意気投合できれば、それはそれで否定しないだけの話である。

話を戻すと、Xさんの肩書については、Xさんから話を直接聞いたわけではない。Xさんは、残念ながら、飲み会には欠席であった。出席していたAさんやその仲間の方から、間接的に聞いたのである。実際に、帰宅後にホームページを検索したが、確かにそこにはXさんが写っていた。

ようやく、話が最初の方に戻った。ホームページには、Xさんが本名で出ているから、わざわざ伏字にする必要はない。それでもあえてそうしたのは、Xさんから許可を得たわけではないし、そもそもこの話をXさんから直接聞いたわけではないからである。

また、これは本人からも感じていたことだが、Xさんは、あるこだわりを持って職務に臨んでいると、その時に聞いた。そのこだわりは、ホームページでも確認できたが、他の同業者があまり採用しないようなやり方に現れている。それは、経営学を齧っただけの私ではあるが、必ずしも「効率的な」やり方ではないと言えなくもない経営方針であるからである。

要するに、むやみな宣伝は、むしろXさんの経営方針の足を引っ張りかねないのである。何しろ、現状ですら「予約が取れない」のだから。それもあり、当然ながら、お名前は伏字とさせて頂いた。しかし、自分はそんな「すごいプロフェッショナル」とフットサルをしているんだな、と感動してしまう。そのあたりが、私の「小市民たる」ゆえんなのだが。

5.結論に向けて

ただ「スゴイ人」というのは、Xさんに限った話ではない。現在参加して頂いている方々には、Xさんのような「一国一城の主」も少なくないし、そうでなくてもそれぞれの道でご活躍しているということを、小耳には挟んでいる。

では、なぜXさんについて、本人の許可や発言なく、一方的な書き込みを行ったのか、ということである。それは、Xさんが「ある面で」「私の大先輩に」あたるからである。

どういうことかというと、Xさんは、ある駅近くに、自らの「城」を構えている。その駅は、私が行政書士として事務所を構えてみようか、という考えが頭をよぎったときに、真っ先に候補に浮かんだ場所なのである。しかし、その構想は、私があまり本気になれないことと、その場所もまた安くないので、周辺を検索しただけで終わっている。情けない限りである。

Xさんの事務所ホームページによれば、Xさんがその場所に自らの「城」を開いたのは、平成26年だそうである。つまり、すでに10年弱、Xさんは、「その場所」で「城主」として、自らの腕と知識、こだわりを貫いて活動されているのである。先ほど「大先輩」と書いたが、そもそも「スタートラインにすら立っていない」私には、そう呼ぶ資格などないのだ。あまりにまぶしい存在である。

6.一応結論らしきもの

では、お前は嫉妬しているのではないか、と訊ねる方もいるかもしれない。答えは、意識している限りでは「ノー」である。私は、あまり他人に嫉妬しないのである。それは、別に性格がいいとかではなく、「誰かができることは、いつか自分にもできるはずだ」という根拠ない思い込みがあるからである。もう、頭の中、お花畑もいいところである。

ついでにフットサルに話を戻すと、もし仮に私がどんなにフットサルがうまくなったとしても、Xさんのようなプレーはできないし、またする必要もないのである。私は、自分の得意なプレーを伸ばしていけばいいのである。そういう意味でも、私がXさんに嫉妬しても、意味がないのである。

むしろ、その場所で実際に活躍している人物と出会えて、私は嬉しい限りである。なぜならば、Xさんは、私にとっては、身近でありながら「目指すべき」具体的な目標を示してくれているからである。職種は違うが、「その場所で活動する」イメージを体現してくれているからである。ぼんやりしたイメージが、急に少し具体的になったのだ。それは、感謝でしかない。

今後、私が、どういう決断を下すかどうかはまだ分からない。ただ、Xさんの存在、いやもっと具体的言えば活動は、私がその決断を下す上で、何らかの具体的なヒントを与えてくれると思う。

7.さいごに

最後は、かなり実利的な、硬い話になってしまった。ただ、そもそも、ここまでした話は、まだ何一つ具体化していない。その段階で、そんな硬い話を向けても、お互いに何の利益ももたらさないと思う。今私にできることは、みなさんが少しでもフットサルを楽しめるように、環境を整えることであろう。

私自身、せめてグラウンド内では、肩書など関係なく、純粋にフットサルを楽しんでいきたい。というわけで、ここまで語ったことが無駄になってしまった。






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