悲しみと、そして、少し違う感情とともに。。。歩み続ける。
強い祈りを送り続ける水面下で、心の奥では、いつかその時が来てしまうのではないかという、つらい未来の想像は確かにあった。
そんな中、その知らせはやはり突然で、起き掛けの無防備な脳に、大きな重りをたたきつけた。
昔、自分の人生をじっくり共にした大切な人が、逝った。
小学校の同級生だった。
彼女はそのころからすでに音楽が自分の輝きだとわかっていて、音楽に本当に純粋で一途だった。
校歌の伴奏のピアノは決まって彼女だった気がする。
冬でも半ズボンの鼻垂らし小学生だった当時の私からすると、ピアノがうまいことや、すでに音楽を自分の輝きだと悟り、疑わないという純粋さのすごさはあまりわからなかった。今思えば、羨ましいほど尖りまくっていた。
時は流れ、長く苦しい受験勉強を終え、幸運にもいい大学に入れた大学1年の梅雨のころ、だった。
地元でばったりと彼女と再会した。
勉強はそこそこに、自らがやりたいことに時間を費やすと決めていた私。中学から始めたバンドとドラムを、より本格的に活動を広げたいと思っていた矢先。
昔から音楽と言えば彼女と決まっていたのを思い出して、ちょうどいいと思い、誘った。それが始まりだった。
ポップスバンドの演奏だけでは物足らなかった私の意志もあり、二人でジャズファンクバンドを立ち上げようとメンバーを集めた。
メンバー募集の紙を作り、スタジオに貼りに行ったり、どんな曲をやろうかといった音楽談義を夜な夜なしたり。それはそれは楽しかった。
中学高校が男子校だった私が、受験から解放され、大学生生活の中で、彼女と近い関係になるのは自然の成り行きに思えた。
当時、世間知らずの私が思い描いていた「彼女」という存在に期待していたのは、誤解を恐れずに言うと、自分と全く同じ価値観を持っていて、同じように感じるということだった。
若い二人で、くだらない話から、真面目な話まで、暇な日は一日中過ごす中で、そんな「シンクロ率」は上がっていった。
立ち上げたジャズファンクバンドはそれなりで終わってしまったが、活動をしていく過程で、音楽を生活の糧にすると信じて、強い向上心を持った我々は、少しずつ人や場所のネットワークが広がり、より高みを目指していくようになった。
1年半も経った頃、私の中では、考えていること何でも話してもいいと思っていた。高いシンクロ率で、将来音楽でどう一緒に活動しようかと思っていた。
そんな話を両親とすると、猛反対にあった。何度も。
若者の一本槍な思考で抵抗する一方、論理的に納得したところがあった。
そこからだった。関係がおかしくなったのは。
二人で隣り合った線路で並走していたと思っていたら、私の線路は、音楽を仕事にしないという方向にいつの間にか分岐していた。
自らが思い描いている線路の方にどんどん進んでいく彼女。
一方、音楽に対する真面目で成長求める気持ちを濁された私の進む方向と彼女の距離は少しずつ少しずつ広がっていった。
自分の分身、とも思えていた彼女は、自分が思い描いていた方にどんどん成長していき、自分自身はそうではない方向へと進んでいく。
そうなったとき、シンクロ率は見事なまでに反転し、その苦しみから、私は自ら彼女を避けるようにして、その最初で最大の恋が終わっていった。
危険なほど依存しすぎていた私は、彼女に、傲慢で良くない態度で接するようになっていっていたが、最終的にフラれた状態になったとき、重い鉛に飛ばされ、私の中の自分がどこかに飛んで行った。
数日だったか、数週間だったか、茫然自失状態だったのを覚えている。
幼かった。弱かった。
友人を介して、「反省会」的な話せる場を催してもらっても、本当に一言も話せなかったのを覚えている。
どうしようもなく喪失した。
その時にできた心の凹みは、完全には元通りになっていない気がするが、その時の学びで今があると信じている。
その後、時は流れ、彼女は努力を重ね、一流のミュージシャンになった。
世界の著名なミュージシャンとの共演。あの頃話していたようなことを立派に実現していた。多くの人から慕われ、尊敬され、愛されていた。
私は私で、社会人になり、「広告・マーケティング」という新たな場で、激しく成長を求めた。過激で最高な上司の人に恵まれ、成長し、私としては、音楽が趣味でも楽しめる状態になっていた。。。
時間により邂逅し、少しずつ話せるようになってする会話は、昔のようにお互い前向きだった。
私は音楽という土俵にはすでにいなくなっていたが、かつての同志、仲間、友人、恋人、同級生、幼馴染。そんな私とも。。。
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二人で日々を共にしていた当時、強くシンクロしていた生き方
「太く短く」
マジで短いじゃねーか、くそー。
でも、その太く輝いた人生は、周りに多くのものを遺したし、引き継がれていくから。。。
これまで、ありがとう。
これからもずっと、ありがとう。
その、生き方に尊敬の念を込めて、
意を引き継がせていただく強い意志とともに前を向いて、、、、
合掌
2021年4月1日
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